第42話『南の遺跡と第二の試練――心の試練』
前回のあらすじ
東の森でAランクのシャドウドラゴンと激闘を繰り広げたアキラたち。セリアの助けもあり、見事撃破に成功した。そして今回の活躍により、ガルドがAランクに、リーナがBランクに、エリンがCランクへと昇格を果たす。だが、影の組織の暗躍は止まらない。平和な日々も束の間、新たな試練が彼らを待ち受けていた――。
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「アキラさん、お手紙ですよ」
宿の朝食を食べていると、主人が手紙を持ってきた。
「手紙?誰から?」
「セレスティア様からだそうです」
「セレスティアさんから?」
俺は手紙を受け取って開いた。
『アキラ様
南の遺跡に、逆転者に関する重要な手がかりがあるという情報を得ました。
ぜひ調査をお願いしたく、正式に依頼としてお受けいただけないでしょうか。
報酬は金貨80枚です。
詳しくはギルドにて。
セレスティア・ローゼンバーグ』
「南の遺跡……」
「どうしたの?」
リーナが尋ねる。
「セレスティアさんから依頼だって。南の遺跡に逆転者の手がかりがあるらしい」
「逆転者の!?」
リーナが驚く。
「ああ。行ってみるか?」
「当然でしょ。それに報酬も良さそうね」
「金貨80枚だって」
「それは良い依頼ね」
リーナが目を輝かせる。
「リーナ、お金に弱いな」
「うるさいわね」
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ギルドに着くと、セレスティアが既に待っていた。
「アキラさん、来てくださったのですね」
「はい。手紙を読みました」
「ありがとうございます。では、詳しく説明を」
セレスティアが地図を広げる。
「南の遺跡は、王都から南に丸一日の距離にあります」
「結構遠いんだな」
「ええ。そして、そこには古代の神殿のような建造物があると言われています」
「神殿……」
「最近、その遺跡から奇妙な光が見えるという報告がありました」
「奇妙な光?」
ガルドが尋ねる。
「はい。そして、私の祖父の日記にも、その遺跡について記述がありました」
セレスティアが古い日記を取り出す。
「『南の遺跡には、逆転者の試練が眠る』……と」
「試練!?」
「恐らく、第二の試練かと」
「第二の試練……」
俺は手の甲の紋章を見た。
第一の証が淡く光っている。
「行くしかないな」
「ええ。お願いします」
「わかりました」
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準備を整え、俺たちは南へと向かった。
「丸一日か……長いな」
「文句言わないの」
リーナがツッコむ。
「別に文句じゃないよ。ただの感想」
「感想も要らないわよ」
「厳しいな……」
その時、前方に人影が見えた。
「あれは……」
「クロウさん!?」
そこには、クロウが立っていた。
「久しぶりだな、アキラ」
「クロウさん、何でここに?」
「お前を待っていた」
「待ってた?」
「ああ。第二の試練が、お前を待っている」
「やっぱり……」
「南の遺跡が、試練の場だ」
クロウが真剣な表情で言う。
「第二の試練……どんな試練なんですか?」
リーナが尋ねる。
「『心の試練』だ」
「心の……?」
「ああ。お前の心が試される」
クロウが俺を見つめる。
「心か……」
「恐れることはない。お前には、仲間がいる」
「はい」
「では、行け。遺跡で待っている」
そう言って、クロウは消えた。
「相変わらず、急に現れて急に消えるな……」
「でも、やっぱり試練なのね」
リーナが呟く。
「ああ。覚悟決めて行こう」
「おう」
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日が傾き始めた頃、南の遺跡が見えてきた。
「あれか……」
巨大な石造りの神殿が、荒野の中に佇んでいる。
「すごい……」
エリンが目を輝かせる。
「古代の建造物ね……」
リーナが感心する。
「行くぞ」
俺たちは神殿に近づいた。
入口には、大きな扉がある。
「開くかな?」
俺が扉を押すと――
ギィィィ……
重々しい音を立てて、扉が開いた。
「開いた」
「じゃあ、入りましょう」
俺たちは神殿の中へと入った。
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神殿の内部は薄暗く、ひんやりとしていた。
「暗いな……リーナ」
「わかってるわよ。【ライト】」
リーナの光魔法で周囲が明るくなる。
「おお、見える」
通路の両側には、古代の彫刻が施されている。
「これ、何の彫刻だろ?」
「恐らく、古代の神々か何かでしょうね」
リーナが答える。
「へー、詳しいな」
「一応、勉強してるのよ」
通路を進んでいくと、広い部屋に出た。
「ここは……」
部屋の中央には、大きな魔法陣が描かれている。
「魔法陣ね……」
リーナが警戒する。
「これ、踏んだらどうなるんだ?」
「恐らく、転移か何か……」
その時――
「ようこそ、逆転者よ」
声が響いた。
「クロウさん!?」
魔法陣の上に、クロウが現れた。
「準備はいいか?」
「え、もう始まるんですか?」
「ああ。第二の試練『心の試練』を始める」
クロウが手を上げる。
「ちょ、ちょっと待って!心の準備が――」
「試練に準備は不要だ」
「ひどい!」
クロウが魔法陣に触れる。
すると――
バァァン!
魔法陣が激しく光り始めた。
「うわああ!」
光が俺たちを包む。
「アキラ!」
リーナの声が遠ざかっていく。
そして――
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気がつくと、別の空間にいた。
「ここは……」
真っ白な空間。
天井も壁も床も、全てが白い。
「リーナ?ガルドさん?エリン?」
周りを見回すと、みんなもいた。
「大丈夫か?」
「ええ……なんとか」
リーナが答える。
「ここが、試練の空間なのか?」
ガルドが呟く。
その時――
ゴゴゴゴゴ……
空間が揺れ始めた。
「何だ!?」
「来るわよ!」
リーナが魔法を構える。
そして――
バシュッ!
前方に、影のような存在が現れた。
「シャドウウォリアー、Cランク!」
「よし、行くぞ!」
俺は拳を構えた。
「くらえ!」
シャドウウォリアーに向かって突進する。
ドカッ!
拳を叩き込む。
シャドウウォリアーがよろめく。
「よし、効いてる!」
【シャドウウォリアー(Cランク)を撃破しました】
【レベルが4下がりました】
【レベル729→725】
「やった!」
「アキラ、大丈夫?」
リーナが心配そうに近づいてくる。
俺は振り返って――
「ああ、大丈夫――」
と言おうとした瞬間。
口から出た言葉は――
「うるさいな、放っておいてくれよ」
「え……?」
リーナが驚いた顔をする。
「え、今の……俺が言った?」
「言ったわよ!何でそんな言い方するのよ!」
「いや、違う!俺、『大丈夫』って言おうとしたのに!」
「大丈夫って言おうとして『うるさい』って言うの!?」
リーナが怒る。
「待って、何か変だ……」
俺は自分の口を押さえた。
(今、確かに『大丈夫』って思ったのに……出た言葉は『うるさい』だった……)
「これ、もしかして……」
その時、クロウの声が響いた。
『これが、心の試練だ』
「クロウさん!?」
『お前の感情は、逆転する』
「感情の逆転!?」
『嬉しいと思えば、悲しい言葉が出る』
『感謝すれば、文句が出る』
『心配すれば、無関心な態度になる』
「そんな……」
『これが、お前の試練だ。乗り越えてみせろ』
クロウの声が消えた。
「おい、待てよ!」
だが、返事はない。
「くそ……」
「アキラ、今のどういうこと?」
リーナが尋ねる。
「えっと……俺の感情が逆転するらしい」
「逆転?」
「ああ。嬉しいと思ったら、悲しい言葉が出るとか……」
「それって……」
リーナが困惑する。
「つまり、俺の言うことが全部逆になるってこと」
「めちゃくちゃじゃない!」
「俺だってそう思うよ!」
その時――
ガルドが背中を叩いてきた。
「まあ、なんとかなるだろ、相棒」
俺は振り返って――
(ガルドさん、ありがとう。励ましてくれて嬉しい)
と思った。
だが、口から出た言葉は――
「別に……どうでもいいし」
しかも、冷たい態度で。
「え……」
ガルドが手を止める。
「……そうか」
ガルドが寂しそうに手を下ろす。
「あ、違う!違うんだ、ガルドさん!」
「いや、いい。お前がそう思ってるなら――」
「違うって!めっちゃ嬉しいのに!」
「嬉しいのに『どうでもいい』か……」
ガルドが苦笑する。
「だから!感情が逆転してるって!」
「ああ、そうだったな」
ガルドが思い出したように頷く。
「忘れないでください!」
「すまんすまん」
「もう……」
俺は頭を抱えた。
「これ、どうすればいいんだよ……」
「とりあえず、戦うしかないんじゃない?」
リーナが提案する。
「そうだな……」
その時――
バシュバシュバシュ!
複数のシャドウウォリアーが出現した。
「うわ、5体!?」
「みんな、行くわよ!」
リーナが魔法を構える。
「【ファイアボール】!」
火の玉がシャドウウォリアーに命中する。
「【ウィンドカッター】!」
エリンの風魔法も続く。
「俺も行くぜ!」
ガルドが剣を振るう。
「俺も――」
俺もシャドウウォリアーに向かった。
「くらえ!」
ドカドカドカ!
連続でパンチを叩き込む。
「よし、倒した!」
【シャドウウォリアー(Cランク)を撃破しました】
【レベルが4下がりました】
【レベル725→721】
「やった!」
だが――
「アキラ!後ろ!」
リーナが叫ぶ。
振り向くと、別のシャドウウォリアーが襲いかかってきた。
「うわっ!」
ドゴッ!
攻撃を受けて吹っ飛ばされる。
「痛ててて……」
「アキラ!」
エリンが駆け寄る。
「アキラさん、大丈夫ですか!?」
俺は立ち上がって――
(エリン、心配してくれてありがとう。優しいな)
と思った。
だが、口から出た言葉は――
「お前の魔法、全然ダメだな」
「え……」
エリンが固まる。
「あ、違う!今のは――」
「私……ダメなんですか……?」
エリンの目に涙が浮かぶ。
「違う!褒めたかったの!心配してくれてありがとうって言いたかったの!」
「でも……『全然ダメ』って……」
「だから逆転してるんだって!」
「逆転……」
エリンが困惑する。
「リーナ、説明して!」
「アキラの感情が逆転してるのよ。だから、本当は褒めたいのに批判する言葉が出ちゃうの」
「そうなんですか……?」
「ああ!本当に褒めたかったんだ!エリン、すごく頑張ってるって思ってる!」
「……ありがとうございます」
エリンが少し笑顔になる。
「よかった……」
俺はホッとした。
だが――
バシュバシュ!
また新たなシャドウウォリアーが現れた。
「まだ来るのかよ!」
「仕方ないわ。戦うしかない!」
リーナが魔法を構える。
「【ファイアランス】!」
「【サンダーボルト】!」
エリンも魔法を放つ。
「よし、俺も――」
その時、リーナがモンスターの攻撃を受けそうになった。
「リーナ!」
俺は慌てて駆け寄った。
(リーナ、大丈夫か!? 怪我してないか!?)
そう思って――
「リーナ、もっと頑張れよ、使えないな」
と言ってしまった。
「はぁ!?」
リーナが怒りの表情を向ける。
「今、何て言った!?」
「あ、違う!今のは心配で――」
「心配!? どこが心配なのよ!」
「だから感情が逆転してるって!」
「それにしても『使えない』はひどいでしょ!」
「ごめん!本当にごめん!」
「謝るくらいなら最初から言わないで!」
リーナが怒って魔法を連発する。
「【ファイアストーム】!」
シャドウウォリアーたちが一気に焼き払われる。
「うわ、怒ってる……」
【シャドウウォリアー(Cランク)を複数撃破しました】
【レベルが16下がりました】
【レベル721→705】
「やった……」
戦いが終わり、俺たちは一息ついた。
「はぁ……疲れた……」
「アキラ、あなた本当に……」
リーナが呆れた顔で言う。
「ごめん……」
「謝ることじゃないわよ。あなたのせいじゃないもの」
「でも……」
「でも、やっぱりムカつくわね」
「それは仕方ない……」
俺は頭を抱えた。
「これ、いつまで続くんだよ……」
「試練が終わるまでじゃないか?」
ガルドが言う。
「マジで……」
「まあ、頑張れ、相棒」
「頑張るしかないか……」
だが、心の中では不安が募っていた。
(このままじゃ、仲間との関係が……)
(本当の気持ちが伝わらない……)
(どうすればいいんだ……)
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その後も、俺たちは遺跡の奥へと進んだ。
だが、アキラの言葉は相変わらず逆転したまま。
「アキラさん、お疲れ様です!」
エリンが笑顔で言う。
俺は――
(エリン、ありがとう。エリンも頑張ってるな)
と思った。
だが、口から出たのは――
「お前、邪魔だから後ろにいろ」
「え……」
エリンがショックを受ける。
「あ、違う!今のは――」
「もういいです……わかってますから……」
エリンが悲しそうに下を向く。
「エリン……」
(くそ……また傷つけた……)
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さらに進むと、また敵が現れた。
「またか!」
「もう慣れたわ。行くわよ!」
リーナが魔法を放つ。
戦いながら、俺は――
(リーナ、すごいな。強くなってる)
と思った。
だが、口から出たのは――
「リーナ、お前まだまだだな」
「うるさい!」
リーナが怒りながら魔法を連発する。
(また怒らせた……)
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戦いが終わり、俺たちは休憩することにした。
「はぁ……」
俺は壁に寄りかかった。
「アキラ、大丈夫か?」
ガルドが声をかける。
「ああ……まあ……」
「無理すんなよ」
「……ありがとう」
(今度は素直に言えた……)
だが――
「別に、お前に心配されても嬉しくない」
と口が勝手に動いた。
「……そうか」
ガルドが寂しそうに笑う。
「あ、違う!今のは――」
「わかってる。気にするな」
「ガルドさん……」
(くそ……なんでこんなことに……)
リーナが近づいてきた。
「アキラ、あなた……」
「……何?」
「本当の気持ち、ちゃんと伝わってるから」
「え?」
「あなたの言葉は逆でも、行動は嘘をつかないわ」
「リーナ……」
「だから、気にしないで」
「……ありがとう」
(今度は素直に言えた)
だが――
「別に、お前の励まし要らないし」
「……はいはい、わかってるわよ」
リーナが苦笑する。
「ごめん……」
「もういいわよ。さあ、先に進みましょ」
「ああ」
俺たちは再び歩き出した。
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だが、俺の心の中では、不安が大きくなっていた。
(本当の気持ちが……伝わらない……)
(このままじゃ……)
(仲間との関係が……壊れてしまうんじゃないか……)
そして――
遺跡の最深部へと、俺たちは向かっていた。
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## アキラの現在ステータス(第42話終了時点)
- **レベル**: 705
- **HP**: 705,000
- **MP**: 705,000
- **攻撃力**: 705,000
- **防御力**: 705,000
- **魔力**: 705,000
- **敏捷性**: 705,000
- **スキル**: 全スキルLvMAX
- **ギルドランク**: Bランク
- **所持金**: 金貨207枚、銀貨20枚
- **所持アイテム**:
- 謎の水晶(逆転者の証)
- セレスティアの祖父の日記(写し)
- 通信石
- 木剣×61本
- 制御の石板
- Bランクギルドカード
- 逆転者の紋章(第一の証)
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## 次回予告
「感情逆転の影響で、アキラと仲間たちの間に深い溝が生まれ始める。『あなた、変わったわね』――リーナの言葉がアキラの心を刺す。エリンは涙し、ガルドは失望の表情を見せる。本当の気持ちが伝わらない苦しみの中、さらなる強敵が現れる!連携が乱れ、仲間が危機に!次回、第43話『誤解と葛藤――伝わらない本当の気持ち』――レベルを下げて、心の叫びを!」




