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『逆転勇者の下剋上!~マイナスレベルから始まる最弱最強冒険譚~』  作者: たくわん。


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42/70

第42話『南の遺跡と第二の試練――心の試練』


前回のあらすじ


東の森でAランクのシャドウドラゴンと激闘を繰り広げたアキラたち。セリアの助けもあり、見事撃破に成功した。そして今回の活躍により、ガルドがAランクに、リーナがBランクに、エリンがCランクへと昇格を果たす。だが、影の組織の暗躍は止まらない。平和な日々も束の間、新たな試練が彼らを待ち受けていた――。


-----


「アキラさん、お手紙ですよ」


宿の朝食を食べていると、主人が手紙を持ってきた。


「手紙?誰から?」


「セレスティア様からだそうです」


「セレスティアさんから?」


俺は手紙を受け取って開いた。


『アキラ様


南の遺跡に、逆転者に関する重要な手がかりがあるという情報を得ました。

ぜひ調査をお願いしたく、正式に依頼としてお受けいただけないでしょうか。

報酬は金貨80枚です。

詳しくはギルドにて。


セレスティア・ローゼンバーグ』


「南の遺跡……」


「どうしたの?」


リーナが尋ねる。


「セレスティアさんから依頼だって。南の遺跡に逆転者の手がかりがあるらしい」


「逆転者の!?」


リーナが驚く。


「ああ。行ってみるか?」


「当然でしょ。それに報酬も良さそうね」


「金貨80枚だって」


「それは良い依頼ね」


リーナが目を輝かせる。


「リーナ、お金に弱いな」


「うるさいわね」


-----


ギルドに着くと、セレスティアが既に待っていた。


「アキラさん、来てくださったのですね」


「はい。手紙を読みました」


「ありがとうございます。では、詳しく説明を」


セレスティアが地図を広げる。


「南の遺跡は、王都から南に丸一日の距離にあります」


「結構遠いんだな」


「ええ。そして、そこには古代の神殿のような建造物があると言われています」


「神殿……」


「最近、その遺跡から奇妙な光が見えるという報告がありました」


「奇妙な光?」


ガルドが尋ねる。


「はい。そして、私の祖父の日記にも、その遺跡について記述がありました」


セレスティアが古い日記を取り出す。


「『南の遺跡には、逆転者の試練が眠る』……と」


「試練!?」


「恐らく、第二の試練かと」


「第二の試練……」


俺は手の甲の紋章を見た。


第一の証が淡く光っている。


「行くしかないな」


「ええ。お願いします」


「わかりました」


-----


準備を整え、俺たちは南へと向かった。


「丸一日か……長いな」


「文句言わないの」


リーナがツッコむ。


「別に文句じゃないよ。ただの感想」


「感想も要らないわよ」


「厳しいな……」


その時、前方に人影が見えた。


「あれは……」


「クロウさん!?」


そこには、クロウが立っていた。


「久しぶりだな、アキラ」


「クロウさん、何でここに?」


「お前を待っていた」


「待ってた?」


「ああ。第二の試練が、お前を待っている」


「やっぱり……」


「南の遺跡が、試練の場だ」


クロウが真剣な表情で言う。


「第二の試練……どんな試練なんですか?」


リーナが尋ねる。


「『心の試練』だ」


「心の……?」


「ああ。お前の心が試される」


クロウが俺を見つめる。


「心か……」


「恐れることはない。お前には、仲間がいる」


「はい」


「では、行け。遺跡で待っている」


そう言って、クロウは消えた。


「相変わらず、急に現れて急に消えるな……」


「でも、やっぱり試練なのね」


リーナが呟く。


「ああ。覚悟決めて行こう」


「おう」


-----


日が傾き始めた頃、南の遺跡が見えてきた。


「あれか……」


巨大な石造りの神殿が、荒野の中に佇んでいる。


「すごい……」


エリンが目を輝かせる。


「古代の建造物ね……」


リーナが感心する。


「行くぞ」


俺たちは神殿に近づいた。


入口には、大きな扉がある。


「開くかな?」


俺が扉を押すと――


ギィィィ……


重々しい音を立てて、扉が開いた。


「開いた」


「じゃあ、入りましょう」


俺たちは神殿の中へと入った。


-----


神殿の内部は薄暗く、ひんやりとしていた。


「暗いな……リーナ」


「わかってるわよ。【ライト】」


リーナの光魔法で周囲が明るくなる。


「おお、見える」


通路の両側には、古代の彫刻が施されている。


「これ、何の彫刻だろ?」


「恐らく、古代の神々か何かでしょうね」


リーナが答える。


「へー、詳しいな」


「一応、勉強してるのよ」


通路を進んでいくと、広い部屋に出た。


「ここは……」


部屋の中央には、大きな魔法陣が描かれている。


「魔法陣ね……」


リーナが警戒する。


「これ、踏んだらどうなるんだ?」


「恐らく、転移か何か……」


その時――


「ようこそ、逆転者よ」


声が響いた。


「クロウさん!?」


魔法陣の上に、クロウが現れた。


「準備はいいか?」


「え、もう始まるんですか?」


「ああ。第二の試練『心の試練』を始める」


クロウが手を上げる。


「ちょ、ちょっと待って!心の準備が――」


「試練に準備は不要だ」


「ひどい!」


クロウが魔法陣に触れる。


すると――


バァァン!


魔法陣が激しく光り始めた。


「うわああ!」


光が俺たちを包む。


「アキラ!」


リーナの声が遠ざかっていく。


そして――


-----


気がつくと、別の空間にいた。


「ここは……」


真っ白な空間。


天井も壁も床も、全てが白い。


「リーナ?ガルドさん?エリン?」


周りを見回すと、みんなもいた。


「大丈夫か?」


「ええ……なんとか」


リーナが答える。


「ここが、試練の空間なのか?」


ガルドが呟く。


その時――


ゴゴゴゴゴ……


空間が揺れ始めた。


「何だ!?」


「来るわよ!」


リーナが魔法を構える。


そして――


バシュッ!


前方に、影のような存在が現れた。


「シャドウウォリアー、Cランク!」


「よし、行くぞ!」


俺は拳を構えた。


「くらえ!」


シャドウウォリアーに向かって突進する。


ドカッ!


拳を叩き込む。


シャドウウォリアーがよろめく。


「よし、効いてる!」


【シャドウウォリアー(Cランク)を撃破しました】

【レベルが4下がりました】

【レベル729→725】


「やった!」


「アキラ、大丈夫?」


リーナが心配そうに近づいてくる。


俺は振り返って――


「ああ、大丈夫――」


と言おうとした瞬間。


口から出た言葉は――


「うるさいな、放っておいてくれよ」


「え……?」


リーナが驚いた顔をする。


「え、今の……俺が言った?」


「言ったわよ!何でそんな言い方するのよ!」


「いや、違う!俺、『大丈夫』って言おうとしたのに!」


「大丈夫って言おうとして『うるさい』って言うの!?」


リーナが怒る。


「待って、何か変だ……」


俺は自分の口を押さえた。


(今、確かに『大丈夫』って思ったのに……出た言葉は『うるさい』だった……)


「これ、もしかして……」


その時、クロウの声が響いた。


『これが、心の試練だ』


「クロウさん!?」


『お前の感情は、逆転する』


「感情の逆転!?」


『嬉しいと思えば、悲しい言葉が出る』


『感謝すれば、文句が出る』


『心配すれば、無関心な態度になる』


「そんな……」


『これが、お前の試練だ。乗り越えてみせろ』


クロウの声が消えた。


「おい、待てよ!」


だが、返事はない。


「くそ……」


「アキラ、今のどういうこと?」


リーナが尋ねる。


「えっと……俺の感情が逆転するらしい」


「逆転?」


「ああ。嬉しいと思ったら、悲しい言葉が出るとか……」


「それって……」


リーナが困惑する。


「つまり、俺の言うことが全部逆になるってこと」


「めちゃくちゃじゃない!」


「俺だってそう思うよ!」


その時――


ガルドが背中を叩いてきた。


「まあ、なんとかなるだろ、相棒」


俺は振り返って――


(ガルドさん、ありがとう。励ましてくれて嬉しい)


と思った。


だが、口から出た言葉は――


「別に……どうでもいいし」


しかも、冷たい態度で。


「え……」


ガルドが手を止める。


「……そうか」


ガルドが寂しそうに手を下ろす。


「あ、違う!違うんだ、ガルドさん!」


「いや、いい。お前がそう思ってるなら――」


「違うって!めっちゃ嬉しいのに!」


「嬉しいのに『どうでもいい』か……」


ガルドが苦笑する。


「だから!感情が逆転してるって!」


「ああ、そうだったな」


ガルドが思い出したように頷く。


「忘れないでください!」


「すまんすまん」


「もう……」


俺は頭を抱えた。


「これ、どうすればいいんだよ……」


「とりあえず、戦うしかないんじゃない?」


リーナが提案する。


「そうだな……」


その時――


バシュバシュバシュ!


複数のシャドウウォリアーが出現した。


「うわ、5体!?」


「みんな、行くわよ!」


リーナが魔法を構える。


「【ファイアボール】!」


火の玉がシャドウウォリアーに命中する。


「【ウィンドカッター】!」


エリンの風魔法も続く。


「俺も行くぜ!」


ガルドが剣を振るう。


「俺も――」


俺もシャドウウォリアーに向かった。


「くらえ!」


ドカドカドカ!


連続でパンチを叩き込む。


「よし、倒した!」


【シャドウウォリアー(Cランク)を撃破しました】

【レベルが4下がりました】

【レベル725→721】


「やった!」


だが――


「アキラ!後ろ!」


リーナが叫ぶ。


振り向くと、別のシャドウウォリアーが襲いかかってきた。


「うわっ!」


ドゴッ!


攻撃を受けて吹っ飛ばされる。


「痛ててて……」


「アキラ!」


エリンが駆け寄る。


「アキラさん、大丈夫ですか!?」


俺は立ち上がって――


(エリン、心配してくれてありがとう。優しいな)


と思った。


だが、口から出た言葉は――


「お前の魔法、全然ダメだな」


「え……」


エリンが固まる。


「あ、違う!今のは――」


「私……ダメなんですか……?」


エリンの目に涙が浮かぶ。


「違う!褒めたかったの!心配してくれてありがとうって言いたかったの!」


「でも……『全然ダメ』って……」


「だから逆転してるんだって!」


「逆転……」


エリンが困惑する。


「リーナ、説明して!」


「アキラの感情が逆転してるのよ。だから、本当は褒めたいのに批判する言葉が出ちゃうの」


「そうなんですか……?」


「ああ!本当に褒めたかったんだ!エリン、すごく頑張ってるって思ってる!」


「……ありがとうございます」


エリンが少し笑顔になる。


「よかった……」


俺はホッとした。


だが――


バシュバシュ!


また新たなシャドウウォリアーが現れた。


「まだ来るのかよ!」


「仕方ないわ。戦うしかない!」


リーナが魔法を構える。


「【ファイアランス】!」


「【サンダーボルト】!」


エリンも魔法を放つ。


「よし、俺も――」


その時、リーナがモンスターの攻撃を受けそうになった。


「リーナ!」


俺は慌てて駆け寄った。


(リーナ、大丈夫か!? 怪我してないか!?)


そう思って――


「リーナ、もっと頑張れよ、使えないな」


と言ってしまった。


「はぁ!?」


リーナが怒りの表情を向ける。


「今、何て言った!?」


「あ、違う!今のは心配で――」


「心配!? どこが心配なのよ!」


「だから感情が逆転してるって!」


「それにしても『使えない』はひどいでしょ!」


「ごめん!本当にごめん!」


「謝るくらいなら最初から言わないで!」


リーナが怒って魔法を連発する。


「【ファイアストーム】!」


シャドウウォリアーたちが一気に焼き払われる。


「うわ、怒ってる……」


【シャドウウォリアー(Cランク)を複数撃破しました】

【レベルが16下がりました】

【レベル721→705】


「やった……」


戦いが終わり、俺たちは一息ついた。


「はぁ……疲れた……」


「アキラ、あなた本当に……」


リーナが呆れた顔で言う。


「ごめん……」


「謝ることじゃないわよ。あなたのせいじゃないもの」


「でも……」


「でも、やっぱりムカつくわね」


「それは仕方ない……」


俺は頭を抱えた。


「これ、いつまで続くんだよ……」


「試練が終わるまでじゃないか?」


ガルドが言う。


「マジで……」


「まあ、頑張れ、相棒」


「頑張るしかないか……」


だが、心の中では不安が募っていた。


(このままじゃ、仲間との関係が……)


(本当の気持ちが伝わらない……)


(どうすればいいんだ……)


-----


その後も、俺たちは遺跡の奥へと進んだ。


だが、アキラの言葉は相変わらず逆転したまま。


「アキラさん、お疲れ様です!」


エリンが笑顔で言う。


俺は――


(エリン、ありがとう。エリンも頑張ってるな)


と思った。


だが、口から出たのは――


「お前、邪魔だから後ろにいろ」


「え……」


エリンがショックを受ける。


「あ、違う!今のは――」


「もういいです……わかってますから……」


エリンが悲しそうに下を向く。


「エリン……」


(くそ……また傷つけた……)


-----


さらに進むと、また敵が現れた。


「またか!」


「もう慣れたわ。行くわよ!」


リーナが魔法を放つ。


戦いながら、俺は――


(リーナ、すごいな。強くなってる)


と思った。


だが、口から出たのは――


「リーナ、お前まだまだだな」


「うるさい!」


リーナが怒りながら魔法を連発する。


(また怒らせた……)


-----


戦いが終わり、俺たちは休憩することにした。


「はぁ……」


俺は壁に寄りかかった。


「アキラ、大丈夫か?」


ガルドが声をかける。


「ああ……まあ……」


「無理すんなよ」


「……ありがとう」


(今度は素直に言えた……)


だが――


「別に、お前に心配されても嬉しくない」


と口が勝手に動いた。


「……そうか」


ガルドが寂しそうに笑う。


「あ、違う!今のは――」


「わかってる。気にするな」


「ガルドさん……」


(くそ……なんでこんなことに……)


リーナが近づいてきた。


「アキラ、あなた……」


「……何?」


「本当の気持ち、ちゃんと伝わってるから」


「え?」


「あなたの言葉は逆でも、行動は嘘をつかないわ」


「リーナ……」


「だから、気にしないで」


「……ありがとう」


(今度は素直に言えた)


だが――


「別に、お前の励まし要らないし」


「……はいはい、わかってるわよ」


リーナが苦笑する。


「ごめん……」


「もういいわよ。さあ、先に進みましょ」


「ああ」


俺たちは再び歩き出した。


-----


だが、俺の心の中では、不安が大きくなっていた。


(本当の気持ちが……伝わらない……)


(このままじゃ……)


(仲間との関係が……壊れてしまうんじゃないか……)


そして――


遺跡の最深部へと、俺たちは向かっていた。


-----


## アキラの現在ステータス(第42話終了時点)


- **レベル**: 705

- **HP**: 705,000

- **MP**: 705,000

- **攻撃力**: 705,000

- **防御力**: 705,000

- **魔力**: 705,000

- **敏捷性**: 705,000

- **スキル**: 全スキルLvMAX

- **ギルドランク**: Bランク

- **所持金**: 金貨207枚、銀貨20枚

- **所持アイテム**:

- 謎の水晶(逆転者の証)

- セレスティアの祖父の日記(写し)

- 通信石

- 木剣×61本

- 制御の石板

- Bランクギルドカード

- 逆転者の紋章(第一の証)


-----


## 次回予告


「感情逆転の影響で、アキラと仲間たちの間に深い溝が生まれ始める。『あなた、変わったわね』――リーナの言葉がアキラの心を刺す。エリンは涙し、ガルドは失望の表情を見せる。本当の気持ちが伝わらない苦しみの中、さらなる強敵が現れる!連携が乱れ、仲間が危機に!次回、第43話『誤解と葛藤――伝わらない本当の気持ち』――レベルを下げて、心の叫びを!」

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