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『逆転勇者の下剋上!~マイナスレベルから始まる最弱最強冒険譚~』  作者: たくわん。


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40/70

第40話『弱さの受容――第一の試練完結』


前回のあらすじ


逆転空間の最深部で、アキラは未来の力の片鱗を体験した。攻撃を受けるほど強くなり、弱い攻撃ほど大ダメージを与える。回復魔法がダメージになり、攻撃魔法が回復になる。混乱しながらも、仲間と協力して大量のシャドウウォリアーを撃破した。そして第一段階をクリアしたアキラたちに、クロウは第二段階の開始を告げる――。


-----


光が収まると、また別の空間にいた。


「ここは……」


今度は真っ暗な空間だ。


足元だけが、淡く光っている。


「暗いな……リーナ、光魔法――」


「もう使ってるわよ」


リーナの【ライト】が発動しているが、周囲の闇は深く、ほとんど照らされていない。


「この闇、普通じゃないわね……」


「魔法が効かない闇か」


ガルドが警戒する。


その時――


ゴゴゴゴゴ……


空間が揺れた。


「また来る……!」


そして――


バシュッ!


前方に、巨大な影が現れた。


「シャドウビースト、Bランク!」


全身が黒い影でできた、獣のような姿。


「Bランクかよ!」


「気をつけて!さっきより強いわ!」


リーナが警告する。


シャドウビーストが咆哮する。


「グオオオオ!!」


その咆哮と共に――


俺の体に、奇妙な感覚が走った。


「うっ……!」


「アキラ!?」


「何か……変だ……」


世界が、歪んで見える。


「これは……」


そして――


シャドウビーストが襲いかかってきた。


「来るぞ!」


ガルドが前に出る。


俺も拳を構えて――


「くらえ!超弱パンチ!」


ポンッ


シャドウビーストを優しく叩く。


すると――


「え?」


シャドウビーストの傷が、治り始めた。


「回復してる!? なんで!?」


「アキラ、攻撃が逆転してるのよ!」


「でもさっきは超弱パンチで大ダメージだったじゃん!」


「今度は違うのよ!攻撃そのものが逆転してる!」


リーナが叫ぶ。


「じゃあ、全力パンチなら――」


俺は全力で殴った。


ドカァン!


シャドウビーストが吹っ飛ぶ。


「効いた!」


「今度は普通に戻ったのね……」


リーナが安堵する。


だが――


その時、シャドウビーストの攻撃が俺に当たった。


ドゴッ!


「痛ッ!」


吹っ飛ばされる。


そして――


【攻撃を受けました】

【パワーアップ:+20%】


「また強くなった!」


だが、さらに――


「あれ?」


周囲の景色が、ぼやけ始めた。


「世界が……歪んでる……?」


「アキラ、どうしたの!?」


リーナが心配そうに声をかける。


「わからない……でも、何か変――」


その瞬間。


時間が、止まった。


「え……?」


周囲の全てが、静止している。


リーナもガルドもエリンも、動かない。


シャドウビーストも、空中で止まっている。


「何だこれ……」


俺だけが、動ける。


「時間が……止まってる……?」


恐怖が込み上げる。


そして――


時間が、逆行し始めた。


「うわああああ!」


周囲の景色が、巻き戻っていく。


シャドウビーストの攻撃が、元に戻っていく。


俺の動きも、逆再生される。


「やめろ!止まれ!」


だが、止まらない。


時間は逆行を続け――


数秒前に戻った。


そして――


時間が、再び動き出した。


「はぁ……はぁ……」


「アキラ!? 大丈夫!?」


リーナが駆け寄る。


「今……時間が……」


「時間が?」


「逆行した……」


「え?」


リーナが困惑する。


「俺だけ……時間が戻った……」


「それって……時間の逆転!?」


「恐らくな」


ガルドが険しい表情を浮かべる。


「これが……マイナスレベルの力……」


俺は震える手を見つめた。


「怖い……この力、怖いよ……」


「アキラ……」


リーナが俺の肩に手を置く。


「大丈夫。私たちがいるから」


「でも……」


その時、シャドウビーストが再び襲いかかってきた。


「くそ、戦闘中だった!」


俺は気を取り直して、シャドウビーストに向かった。


「全力パンチ!」


ドカッ!


シャドウビーストが吹っ飛ぶ。


「よし、効いてる!」


だが――


再び奇妙な感覚が走った。


「また……?」


今度は、距離の感覚が狂い始めた。


「シャドウビーストまで……近い?いや、遠い?」


前に進もうとすると、シャドウビーストが遠ざかる。


後ろに下がると、シャドウビーストが近づいてくる。


「距離が逆転してる!?」


「また逆転!?」


リーナが驚く。


「めちゃくちゃじゃん!」


「落ち着いて!逆算して動いて!」


「逆算って言われても!」


俺は混乱しながら、後ろに下がった。


すると――


シャドウビーストに近づいた。


「よし、これで――」


パンチを放つ。


ドカッ!


「当たった!」


【シャドウビースト(Bランク)にダメージを与えました】


「よし、このまま――」


だが、その時。


シャドウビーストの攻撃が俺に当たった。


ドゴッ!


「痛ッ!」


【攻撃を受けました】

【パワーアップ:+35%】


強くなる感覚と共に――


再び時間が歪んだ。


「またかよ!」


周囲の景色が、スローモーションになる。


リーナの動きが、ゆっくりに見える。


ガルドの剣が、コマ送りのように動く。


「時間が……遅くなってる……」


そして――


俺だけが、普通の速度で動ける。


「これも……時間の逆転……?」


恐怖が増していく。


「こんな力……俺には制御できない……」


その瞬間、時間が元に戻った。


「はぁ……はぁ……」


「アキラ!しっかりして!」


リーナが俺を支える。


「大丈夫……多分……」


「多分じゃないでしょ!」


「でも、本当に大丈夫かわからないし……」


「正直ね……」


リーナが苦笑する。


「みんな、集中攻撃よ!」


リーナの指示で、俺たちは一斉にシャドウビーストに攻撃を仕掛けた。


ガルドの剣、リーナとエリンの魔法、そして俺のパンチ。


連携攻撃で、シャドウビーストを追い詰めていく。


「【ファイアランス】!」


リーナの火魔法が貫く。


「【サンダーストライク】!」


エリンの雷魔法も続く。


「俺も――全力パンチ!」


ドゴォン!


そして――


シャドウビーストが倒れた。


【シャドウビースト(Bランク)を撃破しました】

【レベルが7下がりました】

【レベル748→741】


「やった……!」


俺たちは安堵のため息をついた。


だが――


ゴゴゴゴゴ……


空間が激しく揺れ始めた。


「まだ何かあるの!?」


「もう勘弁してくれ……」


そして――


闇が晴れた。


-----


気がつくと、また別の空間にいた。


今度は、何もない白い空間。


「ここは……」


「第三段階ね……」


リーナが呟く。


その時――


「よく来たな、逆転者よ」


声が響いた。


「誰だ!?」


前方に、人影が現れた。


それは――


「俺……?」


そこにいたのは、俺だった。


いや、正確には俺に似た人物。


だが、その目には光がない。


「これは……幻影か」


ガルドが呟く。


幻影の俺が口を開いた。


「お前は弱い」


「え……?」


「レベルがなければ、何もできない」


「それは……」


「仲間がいなければ、お前は無力だ」


幻影の言葉が、胸に刺さる。


「逆転の力も、お前を苦しめるだけだ」


「そんなこと……」


「お前は――一人では何者でもない」


その言葉に、俺は言葉を失った。


「アキラ……」


リーナが心配そうに見つめる。


幻影が続ける。


「お前は、仲間に守られてばかりだ」


「それは……」


「影の組織の罠にハマり、死にかけた」


「……」


「リーナに泣きついた」


「……」


「ガルドに助けられた」


「……」


「お前は、弱い」


その言葉が、何度も響く。


「弱い、弱い、弱い――」


「やめろ……」


俺は頭を抱えた。


「言うな……」


だが、幻影は止まらない。


「お前には、何もない」


「やめろ……」


「レベルも、力も、全て他者に依存している」


「やめろって……」


「お前は――」


「やめろおおおお!!」


俺は叫んだ。


そして――


膝をついた。


「俺は……弱い……」


涙が溢れる。


「俺は……一人じゃ何もできない……」


第34話の記憶が蘇る。


影の組織の罠にハマって、死にかけた。


リーナに泣きついた。


みんなに助けられた。


「俺は……弱いんだ……」


そう認めた瞬間――


「アキラ」


リーナが俺の前に立った。


「リーナ……」


「弱くたっていいじゃない」


「え……?」


「私たちがいるんだから」


リーナが微笑む。


「弱さを認められることは、強さよ」


「でも、俺は……」


「アキラ」


今度はガルドが声をかける。


「弱さを知ってる奴が、本当に強くなれるんだ」


「ガルド……」


「俺はそう信じてる」


ガルドが肩を叩く。


「アキラさん!」


エリンが駆け寄る。


「アキラさんは、私たちを守ってくれました!」


「エリン……」


「だから今度は、私たちがアキラさんを守ります!」


エリンが笑顔で言う。


「みんな……」


俺は涙を拭った。


「ありがとう……」


そして――


幻影の俺に向き直った。


「お前の言う通りだ。俺は弱い」


幻影が無言で見つめる。


「一人じゃ何もできない」


「……」


「でも――」


俺は拳を握りしめた。


「でも、仲間がいる」


「……」


「みんながいるから、俺は強くなれる」


「……」


「それが……俺の力だ!」


その瞬間――


バァァン!


幻影が光に包まれた。


そして――


消えた。


-----


「やった……?」


「ええ。試練をクリアしたのよ」


リーナが微笑む。


その時――


ゴゴゴゴゴ……


空間全体が光り始めた。


「これは……」


前方に、クロウが現れた。


「よくぞ乗り越えた、逆転者よ」


「クロウ……」


「お前は逆転を理解し、弱さを受け入れた」


クロウが近づいてくる。


「第一の試練『力の試練』――合格だ」


その言葉と共に――


バァァン!


俺の胸から、光が放たれた。


「これは……」


光が形を成し、一つの紋章が現れた。


「逆転者の紋章。第一の証だ」


紋章が俺の手の甲に刻まれる。


「これが……」


「この紋章は、お前が試練を乗り越えた証。そして、逆転の力を制御する助けとなるだろう」


「制御……」


「ああ。まだ完璧ではないが、少しずつ制御できるようになる」


クロウが説明する。


「そして――お前が体験した力。攻撃を受けて強くなる力、時間の逆転、距離の逆転」


「あれは……」


「マイナスレベルになった時、お前が得る力の一部だ」


「マイナスレベル……」


「恐れることはない。お前には、仲間がいる」


クロウが微笑む。


「彼らと共に、お前は必ず乗り越えられる」


「……ああ」


俺は頷いた。


「さあ、元の世界に戻れ。第二の試練は、また別の時に」


「第二の試練……」


「ああ。だが今は、ゆっくり休むがいい」


クロウが手を上げる。


光が俺たちを包む。


「じゃあな、逆転者よ。また会おう」


クロウの声が遠ざかっていく。


そして――


-----


気がつくと、北の塔の部屋にいた。


「戻った……」


「本当に……終わったのね……」


リーナが安堵の表情を浮かべる。


「長い試練だったな」


ガルドが苦笑する。


「はい……でも、やり遂げました!」


エリンが嬉しそうだ。


「ああ。みんなのおかげだ」


俺は笑った。


「よし、じゃあ帰ろう!」


「そうね。今日はゆっくり休みましょう」


「賛成!」


俺たちは北の塔を後にした。


-----


王都への帰り道。


「しかし、マイナスレベルの力か……」


ガルドが呟く。


「あれ、本当にヤバかったな」


「ええ。時間の逆転なんて、想像もしてなかったわ」


リーナが言う。


「攻撃を受けて強くなるのも、すごいですよね」


エリンが目を輝かせる。


「すごいけど、痛いからな……」


「それもそうですね」


俺たちは笑い合った。


「でも、これで少し前進できたな」


「ああ。第一の試練をクリアした」


「次は第二の試練か」


「どんな試練なんだろうな」


「わからないけど、みんなで乗り越えよう」


「おう!」


俺たちは拳を突き合わせた。


-----


王都に着くと、既に夕方だった。


「疲れたー」


「本当にね」


「今日は豪華な飯にしよう!」


「賛成!」


俺たちは街の有名なレストランへと向かった。


食事を楽しみながら、今日の出来事を振り返る。


「逆転空間、めちゃくちゃだったな」


「本当に。アキラだけ逆転してるから、見てる方も混乱したわ」


「だろ?俺なんてもっと混乱してたぞ」


「それはそうでしょうね」


リーナが笑う。


「でも、いい経験になった」


「ええ。マイナスレベルの力を少し理解できたし」


「怖かったけどな」


「怖くて当然よ。あんな力、誰も経験したことないんだから」


「まあ、確かに」


「でも、アキラさんなら大丈夫です!」


エリンが励ます。


「ありがとな、エリン」


「私たちも、全力でサポートするからな」


ガルドが力強く言う。


「ああ。よろしく頼むよ」


俺たちは杯を掲げた。


「これからも、一緒に頑張ろう!」


「おー!」


-----


その夜、宿の部屋で。


俺は手の甲の紋章を見つめていた。


「逆転者の紋章……」


淡く光る紋章。


「第一の証、か」


これから先、どんな試練が待っているのだろう。


どんな力を得ることになるのだろう。


「でも――」


俺は笑った。


「仲間がいるから、大丈夫だ」


リーナ、ガルド、エリン。


みんながいるから、俺は強くなれる。


「よし、明日からも頑張ろう!」


俺はベッドに倒れ込んだ。


疲れが一気に押し寄せてくる。


「おやすみ……」


俺はそのまま眠りについた。


-----


だが、この時の俺は、まだ知らなかった。


第二の試練が、すぐそこまで迫っていることを――


そして、影の組織の本格的な動きが始まろうとしていることを――


-----


翌朝。


「おはよう、アキラ」


リーナが声をかけてきた。


「おう、おはよう」


「よく眠れた?」


「ああ、ぐっすりだ」


「それは良かった。さあ、朝食食べてギルドに行きましょう」


「了解!」


俺たちは朝食を済ませ、ギルドへと向かった。


-----


ギルドに着くと、受付のお姉さんが慌てた様子で近づいてきた。


「アキラさん!大変です!」


「どうしたんですか?」


「緊急の依頼が入りました!」


「緊急の依頼?」


「はい。東の森で、大規模なモンスターの群れが発見されたんです!」


「また!?」


リーナが驚く。


「ええ。しかも、その中にAランクのモンスターが混じっているという情報も……」


「Aランク!?」


「はい。至急、Bランク以上の冒険者に出動を要請しています」


「わかりました。俺たちも行きます」


「お願いします!」


俺たちは急いで準備を整え、東の森へと向かった。


-----


「また大変なことになったな」


ガルドが呟く。


「ええ。影の組織の仕業かしら」


リーナが険しい表情を浮かべる。


「恐らくな。だが、街を守るためには戦うしかない」


「ああ」


俺は拳を握りしめた。


「よし、行くぞ!」


「おう!」


俺たちは走り出した。


新たな戦いが、始まろうとしていた。


-----


## 仲間のレベルアップ


【ガルドのレベルが上がりました】

【レベル85→87】


【リーナのレベルが上がりました】

【レベル52→54】


【エリンのレベルが上がりました】

【レベル16→18】


-----


## アキラの現在ステータス(第40話終了時点)


- **レベル**: 741

- **HP**: 741,000

- **MP**: 741,000

- **攻撃力**: 741,000

- **防御力**: 741,000

- **魔力**: 741,000

- **敏捷性**: 741,000

- **スキル**: 全スキルLvMAX

- **ギルドランク**: Bランク

- **所持金**: 金貨157枚、銀貨20枚

- **所持アイテム**:

- 謎の水晶(逆転者の証)

- セレスティアの祖父の日記(写し)

- 通信石

- 木剣×61本

- 制御の石板

- Bランクギルドカード

- **逆転者の紋章(第一の証)**【NEW】


-----


## 次回予告


「東の森で待ち受けていたのは、Aランクの凶悪なモンスター!さらに影の組織の刺客も現れ、アキラたちは絶体絶命の危機に!だが、第一の試練で得た紋章が、アキラに新たな力をもたらす!制御の力が、少しずつ目覚め始める!次回、第41話『東の森の激闘――Aランクの脅威』――レベルを下げて、新たな力を掴め!」

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