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『逆転勇者の下剋上!~マイナスレベルから始まる最弱最強冒険譚~』  作者: たくわん。


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第38話『北の塔の謎――第一の試練』

前回のあらすじ


街を襲ったモンスターの大群。影の組織の暗躍により、王都は危機に陥ったが、アキラたちとセリアの活躍で街は守られた。しかし影の組織の動きは確実に活発化している。そんな中、アキラは不思議な夢を見る。「逆転者よ、三つの試練が待っている」――老人の言葉が、新たな運命の幕開けを告げていた。


----


「手紙……?」


朝食を食べていると、宿の主人が一通の手紙を持ってきた。


「ああ。お前さん宛だ。朝早くに誰かが置いていったらしい」


「誰から?」


「さあな。差出人の名前はなかったぞ」


俺は手紙を受け取った。


封筒には何も書かれていない。


「怪しいわね……」


リーナが警戒した目で見る。


「まあ、開けてみようぜ」


俺は封を切った。


中には、たった一行だけ書かれた紙が入っていた。


『北の塔で待つ』


「……は?」


「何て書いてあるの?」


リーナが覗き込む。


「『北の塔で待つ』だって」


「それだけ?」


「それだけ」


「完全に怪しいじゃない!」


リーナが叫ぶ。


「でも、気になるよな」


「気になるからって行くの!?前回の教訓はどこ行ったのよ!」


「えー、でも手紙もらったら行きたくなるじゃん」


「ならないわよ普通!」


リーナのツッコミが炸裂する。


「相棒、確かに怪しいな」


ガルドが腕を組む。


「でも、もしかしたら大事な用事かもしれないし」


「大事な用事なら名前くらい書くでしょ!」


リーナが額に手を当てる。


「アキラさん、行くんですか?」


エリンが不安そうに尋ねる。


「うーん……」


その時、俺の脳裏に昨夜の夢が蘇った。


『三つの試練が待っている』


「……もしかして、これって試練のこと?」


「試練?」


「ほら、逆転者の試練って言ってたじゃん。もしかしたらこれ、そのことかも」


「確かに……可能性はあるわね」


リーナが考え込む。


「じゃあ、行くしかないだろ!」


「ちょっと待ちなさい!罠の可能性もあるのよ!」


「大丈夫大丈夫!今回はみんなで行くから!」


「その大丈夫が一番信用できないのよ……」


リーナが深くため息をついた。


-----


結局、俺たちは北の塔へ向かうことになった。


「本当に行くのね……」


「まあ、好奇心には勝てないってやつだ」


ガルドが苦笑する。


「ガルドさんも止めてくださいよ!」


リーナが抗議する。


「いやあ、相棒の好奇心を止めるのは無理だろ」


「諦めないでください!」


「アキラさん、北の塔ってどこにあるんですか?」


エリンが尋ねる。


「えっと……」


俺は周囲を見回した。


「……知らない」


「知らないのかよ!」


リーナのツッコミ。


「だって行ったことないし」


「行ったことないのに行くって言ったの!?」


「まあ、聞けばわかるでしょ」


「その楽観的思考どうにかしなさいよ!」


結局、ギルドで場所を聞くことにした。


-----


「北の塔ですか?」


受付のお姉さんが首を傾げる。


「ええ。王都の北にある塔なんですけど」


リーナが尋ねる。


「ああ、あの古い塔ですね。王都から北に半日ほど歩いた場所にありますよ」


「古い塔?」


「はい。何百年も前に建てられたと言われていますが、今は誰も使っていません。廃墟のようなものです」


「へー、そんな塔があったんだ」


「ただ……」


お姉さんが言葉を濁す。


「ただ?」


「あの塔、時々奇妙な光が見えるって噂があるんです。近づく人も少ないですし、あまりお勧めはしませんが……」


「奇妙な光……」


俺は手紙を思い出した。


「やっぱり、何かあるんだな」


「だから危ないって言ってるでしょ!」


リーナが頭を抱える。


「でも行くんでしょ、相棒?」


「当然!」


「即答!?」


-----


王都を出て、北へ向かう。


景色は徐々に森林地帯へと変わっていく。


「うーん、結構遠いな」


「半日って言ってたでしょ」


リーナが呆れる。


「でも、いい運動になるじゃん」


「前向きね……」


しばらく歩くと、森の奥に高い塔が見えてきた。


「あ、あれだ!」


「本当に塔がある……」


ガルドが驚く。


塔は古びていて、所々崩れかけている。


「うわー、ボロボロだな」


「何百年も放置されてたらそうなるわよ」


塔の前に着くと、大きな扉があった。


「開くかな?」


俺が扉を押すと――


ギィィィ……


重い音を立てて、扉が開いた。


「開いた!」


「本当に開いちゃったわね……」


リーナが不安そうに呟く。


「じゃあ、入ろう!」


「ちょっと、慎重に……って聞いてない!」


俺は塔の中に入った。


-----


塔の内部は薄暗く、ひんやりとしていた。


「暗いな。リーナ、光魔法!」


「はいはい。【ライト】」


リーナの魔法で周囲が明るくなる。


「おお、見えるようになった!」


中は螺旋階段になっていて、上へと続いている。


「上に行けってことか」


「他に道もないしね」


俺たちは階段を登り始めた。


「しかし、本当に誰かいるのか?」


ガルドが周囲を警戒する。


「いるんじゃない?手紙くれたんだし」


「その手紙の主が味方とは限らないけどね」


リーナが鋭く指摘する。


「まあ、その時はその時で!」


「楽観的すぎるわよ……」


階段を登っていくと、途中で広い部屋に出た。


「ここは……」


部屋の中央には、大きな魔法陣のようなものが描かれている。


「魔法陣?」


「ええ。かなり複雑ね……」


リーナが魔法陣を調べる。


その時――


バァァン!


突然、魔法陣が光り始めた。


「うわっ!」


「何!?」


光が部屋全体を包む。


そして――


「ようこそ、逆転者よ」


声が響いた。


「誰だ!?」


魔法陣の中から、一人の人影が現れた。


「クロウ!?」


そこにいたのは、以前会ったクロウだった。


「久しぶりだな、アキラ」


「お前、手紙をくれたのか?」


「その通り。お前を試練へ導くためにな」


「試練……やっぱり!」


俺は拳を握りしめた。


「待ってください。試練って、どういうことですか?」


リーナが問う。


「逆転者には、三つの試練が用意されている。それを乗り越えることで、真の力を得ることができる」


クロウが説明する。


「真の力……」


「そして今日、お前は第一の試練に挑むことになる」


「第一の試練!?」


「その名も『力の試練』。逆転の理解と、弱さの受容が問われる」


「逆転の理解と、弱さの受容……?」


「詳しくは、試練の中で理解するだろう。さあ、準備はいいか?」


クロウが手を上げる。


「ちょ、ちょっと待って!いきなり過ぎない!?」


リーナが慌てる。


「大丈夫だって!やってやるよ!」


「その自信どこから来るのよ!」


「まあまあ、リーナ。相棒を信じようぜ」


ガルドが肩を叩く。


「ガルドさんまで……」


「アキラさん、頑張ってください!」


エリンが応援してくれる。


「よっしゃ!じゃあ、行くぜ!」


「では――試練を始める」


クロウが魔法陣に手をかざす。


魔法陣が激しく光り始め――


バァァァン!


光が弾けた。


-----


気がつくと、全く違う空間にいた。


「ここは……」


真っ白な空間。


天井も壁も床も、全てが白い。


「転移したのか?」


「ええ。恐らく、試練用の特別な空間ね」


リーナが周囲を見回す。


「へー、すごいな」


「感心してる場合?」


その時――


ゴゴゴゴゴ……


空間が揺れ始めた。


「な、何だ!?」


「来るわよ!構えて!」


ガルドとリーナが武器を構える。


そして――


バシュッ!


前方に、影のような存在が現れた。


「シャドウウォリアー、Cランク!」


黒い鎧を纏った戦士の姿をしている。


「よし、行くぜ!」


俺は木剣を抜いた。


「アキラ、慎重に!」


「了解!」


シャドウウォリアーに向かって突進する。


「くらえっ!」


木剣を振り下ろす――


バキッ!


木剣が折れた。


「あ」


「だから言ったでしょ!」


リーナのツッコミ。


「仕方ないじゃん、つい力入っちゃって」


「つい力入っちゃってで済む問題じゃないわよ!」


「まあまあ、素手で行くから大丈夫!」


俺は拳を構えた。


「よっしゃ、パンチだ!」


シャドウウォリアーに拳を叩き込む。


ドカッ!


シャドウウォリアーがよろめく。


「よし、効いてる!」


「アキラ、油断しないで!」


リーナが魔法を放つ。


「【ファイアボール】!」


火の玉がシャドウウォリアーに命中。


「【ウィンドカッター】!」


エリンの風魔法も続く。


「俺も行くぜ!」


ガルドが剣を振るう。


俺たちの連携攻撃で、シャドウウォリアーは倒れた。


【シャドウウォリアー(Cランク)を撃破しました】

【レベルが4下がりました】

【レベル804→800】


「よっしゃ!レベル下がった!」


「その喜び方、いい加減変えたら?」


リーナが呆れる。


「えー、でも強くなってるんだし」


「強くなってないわよ!」


その時――


ゴゴゴゴゴ……


再び空間が揺れた。


「また何か来る!?」


だが、今度は違った。


空間全体が、グニャリと歪み始めた。


「な、何だこれ!?」


「空間が……歪んでる!?」


リーナが驚く。


そして――


バァァン!


眩い光が俺たちを包んだ。


-----


光が収まると、景色が一変していた。


「ここは……」


同じ白い空間だが、何かが違う。


「感覚が……おかしい……」


俺は違和感を覚えた。


「アキラ、大丈夫?」


リーナが心配そうに近づく。


「ああ、大丈夫……多分」


その時、再びシャドウウォリアーが現れた。


「また来た!」


「みんな、行くわよ!」


リーナが魔法を構える。


「アキラ、回復するわよ!【ヒール】!」


リーナの回復魔法が俺に――


「痛ッ!!」


「え!?」


突然、激痛が走った。


「な、何で!? 回復魔法なのに!?」


リーナが驚愕する。


「わ、わからない!でも痛い!やめて!」


「やめてって言われても……」


「これは……」


ガルドが何かに気づいた様子だ。


「まさか、回復魔法が……ダメージになってる!?」


「そんな馬鹿な!」


リーナが信じられないという顔をする。


「でも本当に痛いんだって!」


俺は肩を押さえる。


「じゃあ、攻撃魔法は……【ファイアボール】!」


リーナが俺に向かって火魔法を放つ。


「うわああ!」


俺は慌てて避けようとしたが――


ポワァ……


火の玉が俺に当たった瞬間、体が温かくなった。


「あ、あれ?痛くない……」


「それどころか、傷が治ってる!?」


リーナが驚く。


確かに、さっきの回復魔法のダメージが消えている。


「マジで……攻撃魔法が回復になってる!?」


「逆転してる……!」


ガルドが呟く。


「これが、試練……逆転の理解か」


「うわー、めっちゃ混乱する!」


その時、シャドウウォリアーが襲いかかってきた。


「アキラ、気をつけて!」


「よし、パンチで――」


俺は前に進もうとした。


しかし――


「うわああ!?」


体が後ろに進んだ。


「な、何で!? 前に行こうとしたのに後退してる!」


「前進が後退に!?」


リーナが驚く。


「じゃあ、後ろに……」


俺は後ろに下がろうとした。


すると――


前に進んだ。


「逆だ!全部逆!」


「アキラ、落ち着いて!」


「落ち着けないって!」


俺は混乱しながらシャドウウォリアーに近づいた。


「とりあえず、パンチ!」


右手でパンチ――したつもりが、左手が動いた。


「左右も逆!?」


「めちゃくちゃじゃない!」


そして――


ふわっ


突然、体が浮いた。


「うわああ!浮いた!?」


「重力まで!?」


リーナが叫ぶ。


俺の体は、天井の方へと浮かんでいく。


「やばい、落ちる!いや、上がる!?」


「どっちなのよ!」


天井に足がついた。


俺は天井に立っている。


「うわー、床が上にある……」


「完全に逆転してるわね……」


リーナが呆れる。


「アキラさん、天井歩いてます!?」


エリンが驚いている。


「歩いてるっていうか、立ってるっていうか……」


「これ、どうやって戻るんだよ!」


「わからないわよ!」


その時、シャドウウォリアーが再び襲いかかってきた。


「くそ、戦わないと!」


俺は天井を蹴って――いや、床を蹴るつもりで天井を蹴って、シャドウウォリアーに向かった。


「えーっと、右に避ける!」


左に動いた。


「やっぱり逆!」


「アキラ、ちゃんと逆算して動きなさい!」


「逆算って言われても!」


「右に行きたいなら左に動く!前に行きたいなら後ろに動く!」


「混乱する!」


「頑張りなさい!」


リーナのツッコミが響く。


俺は必死に逆算しながら戦った。


左に行きたいから右に――いや、右に行きたいから左に――


「わけわかんない!」


なんとかシャドウウォリアーに近づき、パンチを――


左手でパンチするつもりで右手を――


「ああもう!」


適当にパンチした。


ドカッ!


偶然当たった。


「当たった!」


「偶然でしょ!」


リーナのツッコミ。


「いいじゃん、当たれば!」


「良くないわよ!」


なんとかシャドウウォリアーを倒した。


【シャドウウォリアー(Cランク)を撃破しました】

【レベルが4下がりました】

【レベル800→796】


「はぁ……疲れた……」


俺は天井に座り込んだ。


いや、床に座るつもりで天井に座った。


「もう何がなんだか……」


「お疲れ様、アキラ」


リーナが苦笑する。


「リーナたちは普通なの?」


「ええ。私たちは何も変わってないわ」


「マジで!?俺だけ!?」


「ええ、あなただけよ」


「嘘だろ……」


俺は頭を抱えた。


いや、抱えるつもりで抱えた。


「これが……逆転者の試練……」


ガルドが呟く。


「アキラさん、大丈夫ですか?」


エリンが心配そうだ。


「大丈夫……多分……」


その時――


ゴゴゴゴゴ……


再び空間が揺れた。


「また何か来るの!?」


「もう勘弁してくれ……」


空間が激しく歪み始める。


そして――


「これは……!?」


俺の体に、奇妙な感覚が走った。


何かが、変わろうとしている。


何かが、目覚めようとしている。


「うわあああ!何だこれ!?」


俺は叫んだ。


そして――


世界が、反転した。


-----


## アキラの現在ステータス(第38話終了時点)


- **レベル**: 796

- **HP**: 796,000

- **MP**: 796,000

- **攻撃力**: 796,000

- **防御力**: 796,000

- **魔力**: 796,000

- **敏捷性**: 796,000

- **スキル**: 全スキルLvMAX

- **ギルドランク**: Bランク

- **所持金**: 金貨157枚、銀貨20枚

- **所持アイテム**:

- 謎の水晶(逆転者の証)

- セレスティアの祖父の日記(写し)

- 通信石

- 木剣×61本(戦闘で1本消費)

- 制御の石板

- Bランクギルドカード


-----


## 次回予告


「逆転空間の最深部で、アキラに異変が起こる!未来の力――マイナスレベルの予兆を体験してしまったアキラ。攻撃すれば敵が回復し、攻撃を受ければ強くなり、時間すら逆行する恐怖の力!制御できない力に怯えるアキラの前に、さらなる試練が待ち受ける!次回、第39話『マイナスレベルの予兆――制御できない力』――レベルを下げて、恐怖を知れ!」

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