第29話「新たな依頼と不穏な影」
前回のあらすじ
深淵の塔でAランクドラゴンを単独撃破したアキラ。仲間と再会し、無事にCランクへ昇格。だが、逆転者の力が目覚め始め、影の組織も動き出す――
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Cランク昇格から三日後。
俺たちはギルドの依頼掲示板の前に立っていた。
「さあ、記念すべきCランク最初の依頼だ!」
俺が張り切って言うと、リーナが冷静に答える。
「アキラ、浮かれすぎよ。Cランクの依頼は今までより危険なんだから」
「大丈夫大丈夫! 俺、Aランクドラゴン倒したし!」
「それ、たまたま生き延びただけでしょ」
「ひどい!」
ガルドが掲示板を見ながら言った。
「どれにする? 遺跡調査、魔物討伐、護衛任務……色々あるな」
「遺跡調査がいい!」
俺が即答すると、リーナが睨んできた。
「また遺跡? 前回、散々大変だったのに」
「でも、遺跡って何かワクワクするじゃん!」
「あなたの『ワクワク』は大体トラブルの前兆よ」
リーナが呆れる。
エリンがクスクス笑っている。
「アキラさんとリーナさん、漫才みたいです」
「漫才じゃないわよ!」
リーナが叫んだ。
「じゃあ、これにするか」
ガルドが一枚の依頼書を取った。
「『北の森の遺跡調査』。依頼主は……セレスティア・ローゼンバーグ?」
「あ、セレスティアさんだ!」
俺が声を上げる。
「また彼女の依頼なのね」
リーナが依頼書を読む。
「報酬は金貨100枚……かなり高額ね」
「おお、これは受けるしかない!」
俺が拳を握る。
「よし、決まりだな」
ガルドが頷いた。
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依頼を受けて、俺たちはセレスティアの屋敷を訪れた。
「ようこそ、アキラさん」
セレスティアが優雅に出迎える。
「Cランク昇格、おめでとうございます」
「ありがとうございます!」
俺が嬉しそうに答えると、セレスティアが微笑んだ。
「今回の依頼ですが……前回とは少し違います」
「違う?」
「ええ。北の森にある遺跡は、古代魔法文明の『封印の遺跡』と呼ばれています」
セレスティアが真剣な表情になる。
「そこには、強力な魔物が封印されているという伝説があります」
「封印……」
リーナが眉をひそめる。
「それ、危険なんじゃ……」
「ええ。ですから、調査は慎重に行ってください」
セレスティアが頷く。
「目的は、遺跡の状態確認と、封印が無事かどうかの確認です」
「了解しました」
ガルドが答えた。
「よし、じゃあ行こうぜ!」
俺が立ち上がると、セレスティアが呼び止めた。
「アキラさん、一つ忠告を」
「はい?」
「その遺跡には……『影の組織』が関心を持っているという情報があります」
「!」
俺たちが顔を見合わせる。
「影の組織……また出てきたのか」
ガルドが歯を食いしばる。
「可能性です。ですが、気をつけてください」
セレスティアが心配そうに言った。
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北の森へ向かう道中。
「影の組織か……」
俺が呟くと、リーナが不安そうに言った。
「また襲撃されるかもしれないわね」
「大丈夫だって! 来たら返り討ちにしてやる!」
「その自信はどこから……」
リーナがため息をつく。
「でも、封印の遺跡って気になるな」
ガルドが前を歩きながら言った。
「何が封印されてるんだろう」
「魔物って言ってたわね」
「魔物か……強いのかな?」
俺がワクワクしていると、リーナが呆れた。
「アキラ、あなた楽しそうね」
「だって、冒険っぽいじゃん!」
「あなたの『冒険っぽい』は大体命懸けなのよ」
エリンがクスクス笑っている。
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数時間歩いて、ようやく北の森に到着した。
「うわ、暗い……」
森の中は、木々が生い茂っていて昼間でも薄暗い。
「気をつけろ。この辺りには凶暴な魔物が多い」
ガルドが剣に手をかける。
「あ、でもさ」
俺が言った。
「この前の木剣、全部折れちゃったんだけど……新しいの買うの忘れた」
「はあ!?」
リーナが叫ぶ。
「あなた、何考えてるの!?」
「いやー、つい……」
「つい、じゃないわよ! 武器なしでどうするの!?」
「素手で……」
「ダメに決まってるでしょ!」
リーナの怒声が森に響く。
ガルドが苦笑しながら言った。
「まあ、アキラは素手でもドラゴン倒せるからな」
「ガルド、フォローになってないわよ!」
「そうか?」
「そうよ!」
エリンがクスクス笑っている。
「アキラさん、面白いです」
「笑わないでエリン……」
俺が肩を落としていると――
ガサガサッ!
茂みから、何かが飛び出してきた。
「おわっ!」
巨大な熊。
いや、熊の二倍はある。
「グルルルル……」
「グレートベア! Cランクモンスターよ!」
リーナが叫ぶ。
「任せろ!」
ガルドが剣を抜いて前に出る。
「待て、俺も――」
「アキラは武器ないんだから下がってなさい!」
リーナに怒られた。
「くっ……」
ガルドがグレートベアに斬りかかる。
だが、熊の爪がガルドの剣を弾く。
「硬い!」
「ガルドさん!」
エリンが魔法を放つ。
「風よ、刃となりて――ウィンドカッター!」
風の刃が熊を切り裂く。
「グオオオ!」
熊が怒って暴れる。
「リーナ、援護を!」
「わかったわ! 氷よ、凍てつく槍となりて――アイスランス!」
リーナの魔法が熊を貫く。
「よし、今だ!」
ガルドが必殺の一撃を放つ。
ズバッ!
「グオオオオ……」
熊が倒れた。
「ふう……なんとかなったな」
ガルドが息をつく。
「アキラ、見た? これがちゃんとした戦い方よ」
リーナが得意げに言う。
「うん、すごかった……」
俺は素直に感心した。
「でも、俺も戦いたかったな……」
「だから武器持ってきなさいって言ったでしょ!」
リーナのツッコミが炸裂する。
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さらに森を進むと、ついに遺跡が見えてきた。
「あれか……」
巨大な石の建造物。
苔むした壁に、古代文字が刻まれている。
「封印の遺跡……」
リーナが緊張した表情で呟く。
「入口はどこだ?」
ガルドが周囲を探す。
「あ、あそこ」
エリンが指さした先に、大きな扉があった。
「よし、行くぞ」
俺たちは扉に近づく。
だが――
「待て」
ガルドが俺を止めた。
「どうした?」
「気配がする……」
その瞬間。
パチパチパチ……
拍手の音。
「よく来たな、逆転者」
闇の中から、黒いローブの男が現れた。
「クロウ!?」
俺が驚く。
「久しぶりだな、アキラ」
クロウがフードを下ろす。
「お前、ここで何を……」
「決まっているだろう。お前を待っていたんだ」
クロウがニヤリと笑った。
「影の組織……やはりお前が!」
ガルドが剣を構える。
「落ち着け。俺は敵じゃない」
クロウが手を上げる。
「だが、影の組織はもうすぐここに来る」
「何!?」
「彼らの目的は、この遺跡に封印されている『古代の魔物』だ」
クロウが真剣な表情で言う。
「封印を解いて、その力を手に入れようとしている」
「そんなこと、させるわけには……」
リーナが魔法を構える。
「止められるか?」
クロウが首を傾げる。
「彼らは、もう動き出している。お前たちが到着する前に、封印を解こうとしているかもしれん」
「くっ……」
「だが、まだ間に合う」
クロウが遺跡の扉を指さす。
「中に入れ。封印を守るんだ」
「なんで、お前がそんなこと……」
俺が問いかけると、クロウが微笑んだ。
「俺の目的は、お前の成長を見届けることだ。そして……この世界を守ること」
「世界を……?」
「詳しくは後で話す。今は、行け」
クロウが通信石を取り出した。
「何か異変があったら、これで連絡しろ」
「……わかった」
俺は頷いた。
「みんな、行くぞ!」
「ええ!」
俺たちは、遺跡の中へ駆け込んだ。
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遺跡の内部。
暗い通路が続いている。
「クロウ、本当に味方なのかしら……」
リーナが不安そうに呟く。
「わからん。だが、今は信じるしかない」
ガルドが答える。
「それより、急ごう。影の組織が先に封印を解いたら……」
「大変なことになるわね」
俺たちは走った。
通路を抜けると、大きな部屋に出た。
中央には、巨大な魔法陣。
そして――
「やはり来たか、逆転者」
黒いローブを着た数人の男たちが、魔法陣の前に立っていた。
「影の組織……!」
ガルドが剣を構える。
「フフフ……お前たちを待っていた」
中央の男が笑う。
「封印を解くには、逆転者の力が必要だと思っていたが……どうやら、お前が来る前に解けそうだ」
魔法陣が、不気味に光り始める。
「させるか!」
俺が駆け出す。
「待て、アキラ!」
リーナの声が響くが、俺は止まらない。
「うおおおお!」
俺は男たちに拳を振るう。
だが――
「遅い」
男が指を鳴らした瞬間。
バリアが俺を弾き飛ばした。
「ぐあっ!」
俺は地面に転がる。
「アキラ!」
エリンが駆け寄る。
「くそ……」
「フフフ、無駄だ。この魔法陣は完成する」
男が高笑いする。
魔法陣の光が、さらに強くなる。
そして――
ゴゴゴゴゴゴ……
地面が揺れ始めた。
「まずい……封印が解ける!」
ガルドが叫ぶ。
次の瞬間。
魔法陣が爆発的に輝き――
巨大な影が、現れた。
「グルルルル……」
それは、漆黒の狼。
いや、狼の姿をした魔物。
体長10メートル、六つの目、三つの尻尾。
「これが……封印されていた魔物……」
リーナが震える。
「フフフ、成功だ! さあ、我らの力となれ!」
男が魔物に命令する。
だが――
「グオオオオオ!」
魔物は、男たちに襲いかかった。
「な、何!?」
「ぎゃああああ!」
男たちが吹き飛ばされる。
「制御できない……だと……!?」
魔物は、誰彼構わず暴れ始めた。
「やべえ……あれ、誰の言うことも聞かないぞ……」
俺が呟く。
魔物が、こちらを向いた。
六つの目が、俺たちを捉える。
「グルルルル……」
「逃げるわよ!」
リーナが叫ぶ。
だが――
魔物が、一瞬で俺たちの前に現れた。
「速っ!」
「アキラ!」
ガルドが俺を庇おうとする。
だが、間に合わない――
その時。
「させるか」
黒い影が、魔物の攻撃を受け止めた。
クロウだ。
「クロウ!」
「お前たちは下がれ。こいつは俺が相手をする」
クロウが魔法を放つ。
「闇よ、縛れ――ダークバインド!」
黒い鎖が魔物を縛る。
「グオオオオ!」
魔物が暴れる。
「今のうちに逃げろ!」
「でも!」
「早く!」
クロウの叫びに、俺たちは走り出した。
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遺跡を出た俺たちは、森の中で息をついた。
「はあ、はあ……」
「あの魔物……強すぎるわ……」
リーナが震えている。
「クロウは……大丈夫なのか……」
ガルドが心配そうに遺跡を見る。
その時。
通信石が光った。
「アキラ、聞こえるか」
クロウの声。
「クロウ! 無事か!?」
「ああ、なんとかな。魔物は一時的に封印し直した」
「よかった……」
「だが、完全じゃない。いずれ、また封印は解ける」
クロウが続ける。
「お前たちは、もっと強くなれ。次に封印が解けたとき……お前たちがあれを倒さなければならない」
「……わかった」
「それと、アキラ」
「何?」
「お前の試練は、もう始まっている。気をつけろ」
通信が切れた。
「試練……」
俺は空を見上げた。
逆転者の試練。
それが何なのか、まだわからない。
でも、確かなことが一つある。
俺は、もっと強くならないといけない。
みんなを守るために。
「帰ろう」
俺が言うと、みんなが頷いた。
「ええ」
俺たちは、王都への帰路についた――
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**次回予告**
封印の遺跡で、古代の魔物と遭遇したアキラたち。クロウの助けで何とか逃げ延びたが、試練はすでに始まっていた。そして、新たな依頼が舞い込む。それは――
次回、第30話「休息と再出発」
お楽しみに!
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**現在のアキラのステータス**
- **レベル:832**
- **HP/MP/攻撃力/防御力/魔力/敏捷性:832,000**
- **ギルドランク:Cランク**
- **所持金:金貨82枚、銀貨30枚**




