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第18話「エリンの成長と新たな依頼」

前回のあらすじ

遺跡調査の報酬として金貨50枚を受け取ったアキラたち。逆転者としての運命を受け入れ、新たな決意を固める。仲間と共に過ごす穏やかな時間。だが、冒険者としての日々は続いていく――

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## 本編

「はあ…はあ…」

エリンの息が上がっている。

遺跡調査から三日後。俺たちは再び訓練場にいた。

「よし、エリン！もう一回！」

「も、もう無理です…」

エリンがその場に座り込む。

「まだ30分しか経ってないぞ？」

「30分も…ですか…」

エリンが泣きそうな顔をしている。

「アキラ、少し休憩させてあげなさいよ」

リーナが呆れた声で言う。

「でも、これくらいやらないと強くなれないだろ？」

「あなたの基準が異常なのよ。普通の12歳の子には、あなたの訓練は厳し過ぎるの」

リーナが腕を組む。

「そうか？俺が12歳の頃は、もっと厳しい訓練してたけどな」

「あなたは異世界から来た特殊な存在でしょ！一緒にしないで！」

リーナが叫ぶ。

まあ、確かにそうかもしれない。

「わかった。じゃあ、10分休憩！」

「はい…ありがとうございます…」

エリンがぐったりとベンチに座る。

俺は彼女に水筒を手渡した。

「ほら、水飲んで」

「ありがとうございます…」

エリンがゴクゴクと水を飲む。

「それにしても、エリン頑張ってるよな」

「そうね。この三日間、毎日訓練してるもの」

リーナが感心したように言う。

確かに、エリンは文句も言わずによく頑張っている。

最初はまともに剣も振れなかったのに、今では基本的な動きができるようになってきた。

「エリン、どうして冒険者になりたいの？」

俺は何気なく聞いてみた。

エリンは少し考えてから、口を開いた。

「私の村は…小さくて貧しい村なんです」

「うん」

「毎年、モンスターに襲われて、作物を荒らされて…村のみんなは、いつも困っていました」

エリンの表情が暗くなる。

「でも、冒険者を雇うお金もなくて…だから、私が強くなって、村を守ろうと思ったんです」

「そうだったのか…」

俺は初めて知った。

エリンには、そんな理由があったんだ。

「でも…私、弱くて…何もできなくて…」

エリンの目に涙が浮かぶ。

「村を出る時、みんなが『頑張ってね』って言ってくれました。期待してくれたんです。でも、私…こんなに弱くて…」

「エリン…」

「アキラさんたちは、すごく強くて…私なんて、足を引っ張ってばかりで…ごめんなさい…」

エリンが泣き出した。

小さな肩が震えている。

「いやいやいや、エリンは十分頑張ってるって！」

俺は慌てて言う。

「でも…」

「最初は剣も持てなかったのに、今じゃちゃんと戦えるようになってるじゃん！それってすごいことだよ！」

「本当…ですか…？」

エリンが涙目で俺を見上げる。

「本当だよ！な、リーナ？」

「ええ。エリンは本当によく頑張ってるわ。三日間でここまで成長するなんて、才能があると思うわよ」

リーナも優しく言った。

「それに、まだ始めたばかりなんだ。焦る必要はない」

ガルドも珍しく優しい声で言う。

「みんな…」

エリンの涙がポロポロと流れる。

「ありがとうございます…私、もっと頑張ります！」

エリンが涙を拭って、笑顔を見せた。

その笑顔を見て、俺は思った。

この子は、絶対に強くなれる。

諦めない心がある限り、必ず強くなれる。

「よし！じゃあ、休憩終わり！次は実戦形式の訓練だ！」

「え、もう！？」

エリンが驚く。

「大丈夫！今度は俺が相手になってやるから！」

「それ、大丈夫じゃないですよ！？」

エリンが叫ぶ。

「安心しろ、手加減するから！」

「アキラの手加減ほど信用できないものはないわよ…」

リーナがため息をついた。

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訓練を終えて、俺たちはギルドに戻った。

「今日もいい訓練だったな！」

「もうヘトヘトです…」

エリンがフラフラしている。

「お疲れ様。あ、依頼を確認しなきゃ」

リーナが掲示板を見に行く。

「何か良い依頼あるかな？」

俺も掲示板を覗き込んだ。

そこには、いくつかの依頼が貼られていた。

**【Eランク】森の魔獣討伐**

報酬：銀貨30枚

内容：森に出現したケイブベアを討伐せよ

**【Eランク】薬草採取**

報酬：銀貨20枚

内容：治癒薬の材料となる薬草を10本採取せよ

**【Dランク】盗賊団討伐**

報酬：金貨5枚

内容：街道で悪事を働く盗賊団を討伐せよ

**【Dランク】ワイバーン討伐**

報酬：金貨8枚

内容：山に出現したワイバーンを討伐せよ

「どれにする？」

リーナが聞いてくる。

「うーん…エリンの訓練も兼ねて、ケイブベア討伐がいいんじゃないか？」

「そうね。Eランクだし、ちょうどいいかも」

「私、頑張ります！」

エリンが気合を入れる。

「よし！じゃあ、これにしよう！」

俺は依頼書を受付に持って行った。

「この依頼、受けます！」

「はい、かしこまりました」

マリアさんが依頼を受理してくれる。

「ケイブベアは森の奥に出現しているようです。気をつけてくださいね」

「はい！任せてください！」

俺は元気よく答えた。

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森に到着したのは、昼過ぎだった。

「それじゃあ、ケイブベアを探そう」

俺たちは森の中を進んでいく。

「アキラさん、ケイブベアって強いんですか？」

エリンが不安そうに聞いてくる。

「まあ、それなりに強いけど、俺たちなら余裕だよ！」

「それ、フラグじゃない？」

リーナがツッコむ。

「大丈夫大丈夫！」

そう言った瞬間、茂みがガサリと揺れた。

「！」

ガルドが剣を構える。

茂みから現れたのは、巨大な熊だった。

全身が茶色い毛で覆われ、鋭い爪と牙を持っている。

**【ケイブベア】**

危険度：Dランク相当

特徴：怪力と厚い毛皮を持つ魔獣

「出たな！」

俺は剣を構えた。

ケイブベアが咆哮を上げる。

「ガルドさん、正面から！リーナは魔法で援護！エリンは後ろで待機！」

「了解！」

俺たちは一斉に動き出した。

ガルドが正面から斬りかかる。

剣がケイブベアの毛皮を切り裂いた。

「グオオオ！」

ケイブベアが怒り狂って、ガルドに襲いかかる。

「ファイアボール！」

リーナの魔法がケイブベアを直撃する。

「よし！俺も行くぞ！」

俺は剣を振りかざして飛び込んだ。

ケイブベアの脇腹に剣を叩き込む。

「グガアアア！」

ケイブベアが苦しそうに叫ぶ。

だが、その瞬間。

ケイブベアの爪が俺の腕を掠めた。

「っ！」

鋭い痛みが走る。

「アキラ！」

リーナが叫ぶ。

「大丈夫！かすり傷だ！」

俺は気にせず戦い続けた。

ガルドと俺で連携攻撃を仕掛ける。

剣がケイブベアの急所を捉えた。

「グ…ガ…」

ケイブベアが倒れる。

「やった！」

エリンが嬉しそうに叫んだ。

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**【経験値を獲得しました】**

**レベル893→890**

また下がった。

でも、気にしない。

「よし！依頼完了だな！」

俺は笑顔で言った。

「ちょっと、腕を見せて」

リーナが心配そうに俺の腕を見る。

「ああ、これくらい大丈夫だって」

「大丈夫じゃないわよ！ちゃんと治療しないと」

リーナが回復魔法をかけてくれる。

傷がみるみる癒えていく。

「ありがとな」

「まったく…もっと慎重に戦いなさいよ」

リーナがため息をつく。

「エリン、どうだった？初めての実戦は」

俺はエリンに聞いた。

「すごかったです…みんな、本当に強くて…」

エリンが憧れの目で俺たちを見る。

「私も、いつかあんな風に戦えるようになりたいです」

「大丈夫、なれるよ。エリンにはそれだけの才能がある」

俺は彼女の頭を撫でた。

「本当ですか？」

「本当だよ。だから、これからも一緒に頑張ろうな」

「はい！」

エリンが満面の笑みを浮かべた。

その笑顔を見て、俺は思った。

この子を守りたい。

そして、強くしてあげたい。

「よし！ギルドに戻って、報酬をもらおう！」

「はい！」

俺たちは森を後にした。

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ギルドに戻ると、マリアさんが笑顔で迎えてくれた。

「お帰りなさい。ケイブベア討伐、完了ですね」

「はい！無事に倒しました！」

「お疲れ様でした。報酬の銀貨30枚です」

マリアさんが銀貨を手渡してくれる。

「ありがとうございます！」

俺は銀貨を受け取った。

「それじゃあ、今日はここまでにしようか」

「そうね。エリンも疲れてるみたいだし」

リーナがエリンを見る。

確かに、エリンは疲れた顔をしていた。

「ごめんなさい…足を引っ張って…」

「いやいや、そんなことないって！エリンはよく頑張ったよ！」

俺は笑顔で言った。

「本当…ですか？」

「本当だよ。な、ガルド？」

「ああ。お前は確実に成長している。自信を持て」

ガルドが頷く。

「みんな…ありがとうございます…」

エリンの目に、また涙が浮かんだ。

「私…こんなに優しくしてもらったこと、初めてで…」

「エリン…」

「村では、いつも一人で…誰も私を頼りにしてくれなくて…でも、みんなは…私のことを、仲間だと思ってくれて…」

エリンが泣き出した。

「嬉しいんです…本当に、嬉しいんです…」

「エリン…」

リーナがエリンを抱きしめる。

「私たちは仲間よ。だから、一緒に頑張りましょう」

「はい…！」

エリンが嗚咽しながら頷く。

俺はその光景を見て、胸が熱くなった。

仲間っていいな。

こうやって、支え合って、一緒に成長していく。

それが、冒険者の醍醐味なんだ。

「よし！今日は打ち上げだ！美味いもの食いに行こうぜ！」

「賛成です！」

エリンが涙を拭いて笑顔を見せた。

「じゃあ、行きましょうか」

リーナも笑う。

「ああ、たまには息抜きも必要だ」

ガルドも同意した。

俺たちはギルドの食堂へと向かった。

仲間と過ごす、かけがえのない時間。

これからも、ずっと一緒にいたい。

そう思った。

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## ステータス

**桜井アキラ**

- レベル：890（893→890、3減少）

- HP：890,000

- MP：890,000

- 攻撃力：890,000

- 防御力：890,000

- 魔力：890,000

- 敏捷性：890,000

- スキル：全スキルLvMAX

- 所持金：金貨12枚、銀貨30枚

**ギルドカード討伐記録更新**

- ケイブベア討伐：1体

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## 次回予告

エリンの成長を見守りながら、着実に経験を積むアキラたち。

だが、レベルは確実に下がり続けている。

そんな中、ギルドに緊急の依頼が舞い込む――

次回、第19話「緊急依頼！街を襲う影」

仲間の絆が、新たな力を生む！