第9話:離れる心
東亜 涙香: 師葉 勇武:師葉 美月
前回、勇武がやらかしてしまい気まずい雰囲気が。
波香が美月に連れられやってきたところとは...
私は美月さんの車に乗せられていた。
「...あ、あのぉ」
「ん?」
「勇武さんの所って...」
「大丈夫大丈夫、ただ仕事してるのを覗き、ゴホンゴホン...見学するだけだから」
そう美月さんは言っていたが、今勇武さんと会うのは気が引ける。あんな事があった建前、同棲生活も、終わった方がいい気がする。やはり...私は...
「はい、着いたよー」
「...あ、ありがとうございます」
そう言えば、勇武さんの仕事をよく知らなかった。
「ほらもっと気合い入れろ!」
「押忍!」
そこには、自分より若い人に稽古を付ける勇武さんの姿があった。
「...」
「...どう?案外悪くないだろ?」
「え?は、はい...」
私は思わず見いいってしまった。
いつもとは違う。
普段よりよずっとカッコよくて。
真剣になっている。
「ん?波香?」
勇武さんがこちらに気づくやいなや、驚いた顔付きで美月さんに
「なんで波香を連れてきたんだ」
「聞いたよ、あんたら喧嘩したんだって?」
「してねぇわ!」
「でも、今微妙な感じなんでしょ?」
「それは...」
恐らく、昨夜のことで負い目を感じているんだろう。
「勇武さん...ごめんなさい。私、帰ります」
「あ、ちょっと!波香ちゃん!?」
「波香!」
2人とも私を呼び止めてくれたが、私は足を止めなかった。
「まったく、勇武!」
「なんだよ」
「...このままで良いの?」
「...」
いいわけが無い。少なくとも、無関係のお嬢さんにはストレスになってるはずだ。
「連れ戻してくる」
「...ふ、いい顔してる」
美月が何か言った気がしたが、俺は波香を追った。
賑わう街。
煌びやかな人たち。
そんな世界で、私は1人で、ただ歩き続けるだけ。今更戻れない。
「...やっぱり、一緒に居ない方が」
そんな時だった。
「なぁなぁ、そこのお嬢さん」
見てみると、大学生くらいの男二人が話しかけてきていた。
今回はご愛読ありがとうございました!
これからも、書き続けていきますので
よろしくお願いします('ω')ノ