第7話:同棲とハプニング
東亜 涙香: 師葉 勇武
前回、成瀬に事情を話し、勇武と美月が現れ、ついに同棲する家に到着。そこはまさかのタワーマンションの最上階!?
「お、お邪魔します」
私は、恐る恐る部屋に入った。
「...す、凄い」
中は凄く豪華で、でもどこか落ち着きがあるスタイリッシュな部屋だった。
「...一応、ここが俺たちの部屋だ」「えっとぉ、涙香さんの部屋はそっちだ」
「はい、わかりました」
私は自分の部屋に入って行った。そこは、だいたい8畳ぐらいの部屋で、自室としては申し分なかった。
「どうですか?狭くないですか?」
「いえ、十分です」「ありがとうございます」
私は勇武さんとそんな会話を
「それじゃー、夜ご飯作りますね」
「え?」
「あ、嫌...でしょうか?」
「いやいや、そういう訳では」
「じゃー、作りますね」
私はそう言うと、2人分の夜ご飯を作った。その間勇武さんは、最初の方は不思議そうにこちらを見ていたが、途中からは自分の仕事をしていた。
(勇武視点)
なぜだろう、なんでこいつは、すんなりと同棲を認めたのか。俺には分からなかった。普通なら、こんなヤクザと同性なんて、嫌がるものだ。だが、こいつは違った。
(涙香視点)
「い、勇武さん」「ご飯、出来ました」
私はそう言うと、勇武さんはこちらを向いて、
「あぁ、分かった」
そう言うと、食卓に腰掛けた。
「...いただきます」
「...ど、どう、ですか?」
「美味い...!」「こんな美味いの、初めて食った!」
そう言い、勇武さんはペロッと、食事をたいらげた。後で聞いたら、勇武さんは今まで外食や、お弁当がほとんどで、誰かの手料理は子供の時以来らしい。
「ご馳走でした」
「お口にあって良かったです」
この時の勇武さんは...
少し...笑ってる...気がした。
「...」
「...」
晩御飯を食べてから小一時間ほど経ち、21時を回ろうとしていた。
「...」
「...」
なぜさっきから、黙っているかと言うと。
お風呂に入りずらい...
自分から先に入りに行くのは、申し訳ないし、かと言って、先に入ってきて下さいと言ってしまっても、嫌な聞こえ方をするかもしれない。
とは言っても、このまま入らない訳にもいかないし。私たちは黙ったままだった。
そんな時だった。
「...先...入ってもらって...構いま...せん...よ」
少し恥ずかしそうに、勇武さんが言ってくれた。
「い...勇武...さん...は...いいんです...か?」
「自分は後でで...大丈夫です...」
どこか焦り気味だった。
「そ...それじゃー」「お先に...失礼..します」
そうして、私はお風呂に向かった。
(勇武視点)
「...」
「...」
「やべぇぇぇぇぇ!めっちゃ風呂入っとるぅぅぅ!」
よくよく考えて見れば、1つ屋根の下に男女が2人...
落ち着け、落ち着け勇武。なにも取り乱すことじゃねぇだろ。平常心...平常心...
「...はぁ、何考えてんだ...俺」
そんなことを考えていると、
「...あ、あのぉ...勇武さーん...」
浴室から、声が聞こえてきた。
「あ、上がりました?」
「...そ...その...」
その声は、どこか困ったような声だった。
「どうか...しましたか?」
「...た...タオルを...忘れて...しまいまして...」
「...」
「...」
「!!!!!」
「そ...そのぉ...取ってくれないでしょう...か...」
今回はご愛読ありがとうございました!
これからも、書き続けていきますので
よろしくお願いします('ω')ノ