第6話: リスとオオカミとハブとマングース
東亜 涙香: 師葉 勇武:花蓮 成瀬:師葉 美月
前回、突如として始まった涙香と勇武の同棲生活。これから一体、どうなってしまうのか...
「えぇ!!」「じゃ、じゃー、あの後勇武やら言う人に連れられて、助けてくれたお礼に、同棲を認められたってこと!?」
「ま、まぁ、そんな感じ、です」
私は、昨日あったことを成瀬先輩に全て話した。
「そやけど、いけるん?その、勇武って言う人」「なんかあったら、すぐうちに相談するんやで」
「大丈夫です、勇武さんもいい人だし、それに、昨日は普通に帰りましたし」
そう、あれから昨日は家から荷物を持って、置いてきただけで、自分の家で寝たのだ。とは言っても、荷物は勇武さんたちに預けただけなので、実際に家を見ては居ない。
「そやけど、ほんまに気ぃつけてな」「なんかされたら、直ぐにうちに言うんやで」
美月さんと言い、成瀬先輩と言い、なんで私を心配してくれるのだろう?
「はい、何も無いとは思いますが、その時はよろしくお願いします」
そんな話をしていると、
「涙香ちゃーん!」
「え?」「え?」
そこには、美月さんと勇武さんがいた。私を見つけるや否や、美月さんは私に駆け寄り、
「大丈夫か?」「あのアホになんかされてへんか?」
「だから、昨日はそもそも一緒にいねぇって」
どうやら、心配で迎えに来てくれたらしい。
「涙香ちゃん、この人たちは?」
「あ、えっとぉ、さっき話してた」
「まいど、初めまして、わては師葉美月」「こっちは、涙香ちゃんと同棲することになった弟のアホ」
「勇武だ!」
やっぱり、楽しそうだ。
「それで、あんたは?」
「初めまして、涙香ちゃんの親友の、花蓮成瀬どす」
「ほう、京都の人か」
「そちらこそ、大阪のひとですか」
なぜかは分からないが、私には、睨み合うハブとマングースに見える。
「おい、美月、何ガン飛ばしてんねん」
「いや、飛ばしてへんよ、ただ向かい合ってるだけや」
「そうそう、ただ見てるだけ」
やっぱり、ハブとマングースだ。
「け、喧嘩は、やめてくだ、さい...」
「あぁ、喧嘩じゃないよ!」
「そうそう、何もしてないよ!」
私がそう言うと、2人はすぐに睨み合うのをやめ、焦りなが言ってきた。
「それより、なんでお2人がここに?」
「いやぁ、こいつに何かされてないか心配でな」
「だから美月を連れて迎えにきたんだ」
本当に心配してたから来たんだ。
「だ、大丈夫ですよ」「本当になにもされてませんから」
「ならいいわ」「勇武、さっさと行ってこい」
「はいよ、涙香さん、行きましょう」
そう言って、私と勇武さんは車に乗り、家に帰った。
「着いたぞ」
私は車を降りた。新しい家と言われたところには、
「え?」「あ、あのぉ、勇武さん?」
「...まぁ、言いたいことは分かる」
「なんで」「なぜに」
「タワマンなんですか?」「タワマンなんや」
そう、私たちの目の前にあるのは、タワーマンション。それも、最近作られたものだ。
「...と、とりあえず、部屋に行きましょうか」
私は恐る恐る歩き出した。
「えっとぉ、お部屋って何階ですか?」
「...」
「...へ?」
勇武さんが押した階は、
「...最上階や」
「...そ、そうですか」
なんと、私たちの住む場所は、最近できたばかりの、タワマンの最上階だった。
今回はご愛読ありがとうございました!
これからも、書き続けていきますので
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