第2話:不思議な大阪弁
東亜 涙香:師葉 勇武
花蓮 成瀬
前回、帰宅途中の涙香は、道端で倒れている人を発見!手当をしてあげて、救急車も呼んだ。そしてその後、まさか...
次の日、私は昨日あった事を、成瀬先輩に話した。
「えぇ!つまり、昨日お腹を刺されとった男の人を、涙香ちゃんが手当して、救急車まで呼んで助けたって事!?」
「えぇ、はい、まぁ」
「凄いわぁ!ただでさえいつもビビりで優柔不断で怖いことあると直ぐに泣いてまう涙香ちゃんが、まさか人を助けるなんて!」
少しだけ心に来たが、自分でもよくやった方だと思う。
「まぁ、お母さんから、怪我をしてる人は、誰であっても助けろって言われてますし」
「世間には、見て見ーひんふりをする人かておるし、涙香ちゃんは、ほんまに凄いわぁ」
私は、少し嬉しかった。もちろん褒められたこともそうだが、自分で救えたことが、何よりも嬉しかった。
「よし!今日はうちの奢りで、お昼ご飯行こう!」
そう、息巻いていたその時、
(涙香たちの目の前に"黒塗りの高級車"が止まる)
「え?」
「え?」
私たちの前にいかにもな車が止まった。そして、ドアが開かれた。
「よう!お嬢さん」
「え、誰この人?涙香ちゃんの知り合いの人?」
「あ、いや、き、昨日、助けた、人です」
私は突然の事で、驚いてしまった。その男の人は続けて、私に言った。
「それより、悪いけど、一緒に着いてきてくれへんかい?」
「え!?」
私はさらに驚いた。
「ちょい!そもそもあんた誰なんどすか?」「突然目の前に現れては、急に一緒に来いなんて、少し横暴すぎちゃいますか?」
成瀬先輩は、少し怒ったような表情をした。そんな感情を察したのか、男の人は、
「あぁ、悪い悪い、自己紹介がまだやったな」
「俺の名前は、師葉 勇武て言う者や」「要件は、昨日そこの嬢ちゃんに助けて貰って、帰ったら親父にどつかれて、連れてこい言われたからや」
「これでもまだ文句あるか?」
「...ふーん」
説明を聞いても私はよく分からなかった。少し間が空いて、
「あんた、どこの者や」
「...自分こそ、ただの一般人ちゃうやろ」
数分、瞬き一切せず、2人は見つめあった。
「...ま、涙香ちゃんに危害を加えへんならええわぁ」
「当たり前や、ただのお嬢ちゃん怪我させるわけあらへんやろ」
「え?いやまだ私行くなんて!」
「ほら、ちゃっちゃと行くねん、予定よりだいぶ時間すぎてるんやから」
私の意見は聞いて貰えず、半ば強引に連れてかれた。まぁ、意見を聞かれてもどうせ答えられないからだろうけど。
(移動中...)
車の中ではほとんど何も話さなかった。話した内容と言えば、タバコ吸うから窓開けると言われたぐらいだ。
そんな事を考えていると。
「ほら、着いたで」
そう言われ、窓の外を見てみると。
「...え?」
そこには、いかにもな黒服を着た人が、道を挟んで1列に並んでいた。私と勇武さんが外に出て、道に立つや否や、
「坊ちゃん、お勤めご苦労様です」
「ご苦労様、頭はどこに?」
「はい、大広間にいらっしゃるかと」
一体、なんなんだろう、この人達...
今回はご愛読ありがとうございました!
これからも、書き続けていきますので
よろしくお願いします('ω')ノ