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第4話 いざ上陸そして冒険の始まり

いよいよファンタジー要素が強くなります!

大変お待たせしました!

そして艦内時間翌朝10時。俺たち4名は、あの惑星の探査のために艦内ドックに集まっていた。



「よし、全員集まったな。これよりあの星の探索を行う。」


「少佐、一つ聞いてもよろしいですか?」


「どうした。コルント少尉。」


「なぜこのメンバーなのでしょうか?」


「まず、カーライム中尉は陸軍出身で元々調査の護衛部隊の隊長だ。それに前は一緒に働いていたからな。能力は俺もよく知っている。それに彼の両親は外交官だ。その影響かこいつは見た目のわりに交渉術がうまい。」


「『見た目のわりに』は余計だ。まっ、まかせな。しっかり守ってやるよ。」



カーライムは誇らしげに言っている。ちょっと照れてるなこいつ。



「そしてハリアー中尉は射撃のプロだ。空から害敵が襲ってきたり、もし弓などで攻撃されても問題ないだろう。」


「当たり前です。」



淡々と言ってるけど顔が照れてるんだよな。こいつら褒め言葉に弱いのか。



「2人はよくわかりますけど・・・。何故私も?」


「お前の索敵能力は非常に高い。俺らでも気付かないところにもお前なら気付けるだろう。それに・・・」


「それに?」


「お前は昔流行していた異世界転移系の物語が大好きだろ。もしあの星が魔法の世界とかであれば、お前の物語で蓄えた知識が役立つだろう。」


「あの星が魔法の世界だと少佐は思うのですか?」



あ、また目が輝いてる。



「まあ思ってるだけだ。俺も異世界転移とか転生とかの物語を読んだことがあるが、あれが目の前で現実であればいいなと思っている。…っと、昔の童心に戻ってたな。」



我ながらだいぶ子供っぽかったな。反省だな。少し。



「では出発する。全員乗り込め。」


「「「了解」」」



ドックにある内科艇に乗り込み、近くに配置している調査船に向かった。



「調査船に接近。ハッチをオープンさせます。」


調査船のハッチが空き、そのまま艦内に進入。内科艇を降り、探査船があるドックまで向かった。


そして目的の場所まで到着した。



「これが今回乗り込む調査艇か?」


「あぁ。『25型探査用試作艇』だ。今まではできなかった惑星上陸に必要なデータ収集をこれ一隻でこなせるようにした船だ。試作とあるが、まもなく正式に採用される予定らしい。」


「なるほどな。」


「それじゃあ、乗り込むぞ。」



全員が探査艇『25型探査用試作艇』に乗り込み、出発準備を整えていた。



「こちら25型探査用試作艇、これよりコードネームを[隼]とする。こちらの出発準備完了。クルート、射出準備はできたか?」


『こちらクルート。こちらの準備も完了しています。少佐、そちらのタイミングで射出します。カウントダウンをよろしくお願いします。』


「了解。感謝する。射出カウントダウン!3、2、1、今!!」




ドゴォォォォォン!!!!




一気にカタパルトから射出された。体にかなりのGがかかる。やっぱり慣れないな、この感覚。



「こちら隼、本機に異常なし。これより星に降下する。定期連絡は1週間間隔で行う。」


『了解。ご武運を、少佐方』



さて、いよいよあの星に上陸だ。今のところ海で浮いていただけだしな。それに文明はどのようなものなのか。一体どのような生活をしているのか。楽しみだ。



「これより大気圏に突入する。対G防御、衝撃に備えろ。」



ゴォォォォォォォォォ!!!!!ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ!!!!!!!!!!!



一気に大気圏に突入した。今この船の速度はマッハ20以上、船の表面温度は数千度。今この中は完全に密閉されているからいいが、もし少しでもどこか空いていたら一瞬で空中分解だな。

何でこんな冷静に恐ろしいこと考えているんだ。



「現在熱圏を通過!中間圏に突入!」


「速度そのまま!姿勢制御は?」


「問題なし!」


「中間圏突破!成層圏に入ります!」


「主翼展開!位置情報をチェック!!」


「主翼展開!本機の現在位置を確認します!」



よし、最大の難関個所は突破だな。試作艇だから少し不安だったが、特にこれといったトラブルがなくてよかった。



「現在位置特定!東経146度、北緯31度、高度38,000フィート、相対速度1,450km/h」



地図によると・・・、ちょうど一番大きな大陸の中心にある大森林の真上か。あの森の中なら、住居などは存在しないだろう。



「マップによるとちょうどこの真下は大森林だ。そこに着陸しろ。森の中であればばれることはあるまい。」


「了解。」



探査艇は徐々に高度とスピードを下げ、雲から出た。



「うぉぉ・・・。」


「これは・・・。」


「美しい。」



そこに広がっていたのは、豊かな緑、青い空、きれいな川、大きな湖、大自然が広がっていた。コロニーでは見ることはできない自然の光景だ。


そして目の前に見える超大型の木…いや、世界樹といった方がいいかもな。推定全高1km以上ある巨木がある。そして世界樹の中心は青く輝いている。きれいだな...


挿絵(By みてみん)



「おそらくこの大森林は手付かずなんだろう。だからこそここまできれいな光景が広がっているのだろう。コロニーでは絶対に観られないな。今のうちに心と目に焼き付けておけ。」


「もちろんです。」


「当たり前よう。」


「そうします。」



それにしても本当にすごいな。地球も、このような緑豊かな星だったのだろう。



「速度、200km/h。ホバリングモードに入ります。高度2,500フィート」


「そのまま森の中に着陸。」


「了解。」



機体はゆっくりと降下し、森のちょうど機体がギリギリ入る隙間に着陸した。



「着陸完了。」


「よし、武器を持って降りるぞ。」


「「「了解。」」」



機体の扉が開き、最初に俺が下りた。下はとてもやわらかい土で、見渡すところに木、花が咲いていた。



「大気成分確認、有害物質なし。気温21℃、防護服はいらないようです。」


「そうか。」



ヘルメットを外し、空気を思いっきり吸うと、程よく冷たく、何よりとてもおいしい。コロニーや軍艦の中、先ほど乗っていた機体の空気よりも何百倍以上もよい。

機械によって浄化された空気ではなく、自然、植物によって浄化された空気だ。

ここまでおいしい空気は初めてだ。



「この星は空気がうまいな。」


「機械ではなく自然で浄化されますからね。そりゃそうですよ。」


「この空気おいしいです!」



みんな同じような感想だな。何か・・・、戻りたくねえな。ずっとこの星にいたくなる。



「機体の遮蔽機能をONにしておけ。ばれないようにな。」


「了解。」



この機体に搭載されている新装備[遮蔽機能]、まだまだ技術試験中らしいが、完璧だな。見事に同化してやがる。



「位置情報は各端末に入っているな。」


「はい。あります。」


「よし。大丈夫だな。」



これで迷うことはないだろう。



「みなさん!少しよろしいですか!」



コルント少尉が俺たちを呼んだ。



「どうした。コルント少尉。」


「いえ、この星の文明と交流するので、あらかた初期設定は決めたほうがよろしいでしょう?」

「まあ、そうだな。」



確かにある程度決めとかないと、後々辻褄が合わなくて困ることになるからな。



「それで、どのような設定にするのだ?」


「はい!僕たちは遠方の名前がないほどの小規模の村から来たことにします。少佐と、カーライム中尉、ハリアー中尉は村の中の幼馴染、私は年齢的にも少佐の妹、という設定にしましょう。」


「なるほど。」


「そして、絶対に家名は言わないでください。」


「なぜだ?」


「大抵こういう世界は、家名は貴族の証ですからね。家名まで行ってしまうと後々大変なことになりますからね。だから自分の名字だけを言うのです。」


「なるほどな。よくわかった。」


「そして最後に、階級や敬語で話すのはやめましょう。」


「何故だ?」


「そりゃあ、村の幼馴染という設定なんだろ。敬語で話してたらおかしいだろ。」


「あぁ、確かに、そりゃそうか。陸軍で一緒にいた時みたくでいいよな。」


「あぁ。俺もそうすることにしよう。カーライムはカーライムさん。ハリアー中尉は、ハリアーさん。コルント少尉は、コルントと呼ぼう。」


「なあバルナ。コルントはわかるのだが、なぜ俺たちはさん付けなのだ?」


「そりゃ、年齢は2人の方が上だからな。」


「そういえばそうか。」



こんな感じで階級関係なしでしゃべるというのは違和感あるな。カーライムはいいが、ほかの二人には早めに慣れてもらわないとな。



「さて、3人とも武器は持っているな。」


「当たり前よ。」


「もちろん。」


「大丈夫です!」


「では、探索という名の冒険の始まりだ!!」


「「おーー!!」」


「冒険って言いやがったなお前。」



カーライムは何か言っているが、いざっ!出発!

「なあ、そういえばやけに早く設定を考えていたけど…。まさか昔考えていたのか?」

「(ギクッ)」

「…………お前、バルナの妹になりたかったのか…」

コルント…妹は顔を真っ赤にしていた。

…何も聞かなかったことにしよう。


本話の機体解説

挿絵(By みてみん)



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