第3話 惑星調査報告そして方針決定
今回もSFメインです…
もう少しでファンタジー要素出てきますのでもう少々お待ちを!!
そして更にあれから約2時間ほどが経った。各探査用ドローンから情報が送られてきた俺たちは今、乗艦でもあり、この艦隊の旗艦でもある[ハルントテーゼ]の中央作戦会議室にいた。
「さて、君たち5名に集まってもらったのは言うまでもない。今後の我らの行動についてだ。」
今回集まってもらったやつらを紹介しよう。
〇ミライ・アリム大尉(副司令):21歳、女性軍人だ。詳しい説明は『プロローグ①』で解説しているのでそっちを読んでくれ。
〇クルート・ベッケン中尉:28歳、男性だ。連邦の化学班にいる科学軍人だ。彼の両親はどちらも化学班に所属していて、連邦軍発展の立役者になっている。
彼は主に地質学などの惑星探査方面の知識に優れており、本艦隊が第8星系に調査を行うため同行してもらっている。
なお趣味はDIYであり、手先が器用な奴だ。
実は士官学校時代の同期であり、気の知れた仲でもある。
〇カーライム・サイソウ中尉(連邦陸軍所属):31歳、男性だ。彼はこの艦隊所属ではなく、連邦陸軍から派遣された部隊の隊長だ。普段は調査船に乗っており、連絡を円滑に進めるため隊長だけは本艦に乗艦してもらっていたのだが、調査船乗員全消失事件もあり、現状彼が唯一の陸軍の生き残りだ。
なお彼は俺が陸軍に所属していた時の同僚であり、一緒に血反吐を吐きながら共に行動した、気を許せる奴だ。
あと筋肉質で、下手に喧嘩は売らないことをおすすめする。50倍ぐらいに返されるから。
〇ハリアー・モンド中尉(航海班班長):29歳、男性だ。ほかのメンツと違って、親が何か重役とかについているというわけでもなく、俺のように一兵卒から這い上がってきたやつだ。銃の腕前は主力第8艦隊でもトップに位置し、連邦軍内射撃大会では優勝するほどの腕前だ。
そんな彼がなぜ航海班の班長かというと、射撃の腕もさることながら操艦がとてもうまいのだ。器用な奴さ。
〇コルント・ボーロンズ少尉(レーダー班班長):19歳、女性だ。この艦隊で唯一の未成年だが、彼女の索敵能力は正直驚いている。彼の父親が連邦主力第2艦隊の総司令官で、悪く言えば親の権力でここまで来ている。しかし能力はあるため、乗組員達は彼女を認めている。後昔流行していた異世界ラノベが大好きだ。
そして、俺ことバルナ・ゴード少佐、計6名がこの部屋に集まっている。
「とはいっても、この星からは抜けられない。ましてや正確な位置もわからない。どうやってこれからを決めるつもりだ?」
カーライムは俺に疑問をぶつけてきた。まあそこなんだよな。
「まあ落ち着け。何もせずにボーとしているよりも、何かした方がいい。場合によっては、この星から抜け出せる方法が見つかるかもしれない。」
「ですが、今から何をするのですか?」
ミライ中尉は首を傾けながら俺に聞いてきた。
「まずはあの星の調査結果だ。現状分かっているのは、あの星は生物が生息できる環境ということだが、この船に搭載されている探査用ドローンでさらに詳しい情報が分かったようだ。クルート中尉、説明してくれ。」
「はい。わかりました。」
俺らの足元にある画面が起動すると、この星の世界地図が表示された。
「お~~。」
「これが・・・」
「あの星の地形。」
「島が多いな。」
「はい。この星は、四つの大陸と数多くの島で構成されているようです。一番大きい中央の大陸の49%が森におおわれています。北の大陸の半分は砂漠、東の大陸は山脈が、そして西の大陸は平野が広がっているようです。」
「中央大陸の北側の一部分は?何故この部分は表示されていない?」
「このエリアは、恐ろしいほど天候が悪く、ドローンが一切近づけなかったのです。空から観察しようにも、強大で厚い雲に覆われていて観測不能でした。」
「なるほど、そういうことか。」
この地図を見てよくわかるのは、自然が豊富だな。
「さらに、この星には生物が確認されました。」
「まあこの環境だ。生物がいない方がおかしいだろう。」
ハリアー中尉は世界地図から目を離さず淡々と言った。まあそれは俺も同感だ。この環境で生物がいない方がおかしいだろう。
「それで、どんな生物が住んでいるのですか?牛とか馬みたいな?それともドラゴン!?」
「ドラゴンって…」
コルント少尉はクルート少尉を見ながら言った。気のせいかな?目が光っている気がする。
あ・・・。みんな俺と同じ目で見ている。どうやら気のせいではなかったらしい。
カーライムもなんか呆れて言ってるし…
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
クルート中尉は何も言わない。すごく目が迷っている。なんだ?どうしたんだ?
「どうしたクルート中尉?なぜ何も言わない。」
カーライム顔を不機嫌にしながら言った。
「・・・・・・・・・・・・・げんです。」
「あ?何も聞こえねぇぞ?もっとはっきり言え!!」
「人間がいるんです!!!しかも立派な文明を築いています!!昔・・・西暦時代の歴史書でいうところの中世から近世あたりまでのです!!!」
「・・・は?人間?」
おいおい、まて。人類種?しかも文明築いているほどの?
「我々以外にも・・・。人間がいるのか。」
「よくよく考えたら俺らしか人類がいないことはあり得ないだろうが・・・。実際目にしないと信じきれないな。こりゃあ。」
「私だって最初は信じきれませんでしたよ。でも各地に派遣したドローンが人や村、ましてや城をふくんだ大都市などの画像を送ってきたら信じるしかありませんよ。」
この星で築かれている文明。気になるといえば気になってしまう。それにこの星から抜け出すことはできない。となればやることは一つだな。
「クルート中尉。確か調査船に積んでいた探査艇。あれは動かせるのか?」
「え?あ、はい。調査船のシステムはすべて無事ですので燃料を積めば動かせますが・・・。まさか、あの星に上陸するのですか!?」
「今できることといえばそれしかない。それに、あの星と文明と交流ができれば、良いものだろう。」
「でも言語は通じるのですか?」
「その時はその時で何とかする。」
「なぜそこで適当になるのです・・・。」
こういうときの俺は大雑把なのだ。え?指揮官として失格?うるせぇ!いいじゃないか!
「探索チームは・・・。カーライム中尉、ハリアー中尉、コルント少尉、そして俺、この四名でいいだろう。」
「え?少佐も行かれるのですか?」
「あぁ。この目で確認したい。安心しろ、これでも最初のころは連邦陸軍にいたのでな。サバイバルには慣れている。」
「はぁ・・・。わかりましたよ。ただし危険なことはしないでくださいね。」
「もちろん承知の上だ。その間の船と艦隊の指揮はミライ中尉、頼むぞ。」
「はい!お任せください!」
「では艦内時間10:00、ドックに集合だ。それまでに準備を整えておけ。」
「「「了解」」」
「クルート中尉は、船から我々を支援してくれ。」
「了解しました。」
「よし、では解散。」
未知の星、未知の文明。いったいどのような体験をすることができるのか。童心に戻ったようにワクワクするな。
彼らの行動が、この世界を大きく動かすことになる。でもそれは、今は誰にもわからない。