プロローグ③ 一人の少女そして決意
プロローグは本話で終了です。次回から本編に入ります!
私の名前は、ミルダ・カームハイツ。16歳
私のお母さん、マリア・カームハイツは、モルド王国の筆頭宮廷魔術師で、貴族ではないけど家名を名乗るのが許されている。
私の夢は、そんなお母さんを超える大魔術師になること。そのために私は毎日、魔法の鍛錬を行っている。
でも・・・。どうしてもお母さんのようにうまく魔法を扱えない。
12歳の時、私は魔力判定を受けた。結果は、お母さんと同じ、[火][水][光]だった。「珍しい。」「親子そろってすごい。」と、たくさんの人に褒められた。でも魔力量は、お母さんには全然届かなかった。
だから私は、魔力制御を毎日練習している。量が駄目なら、質でお母さんを超えようと思った。でも、それでもお母さんには届かない。
「ミルダ!ご飯できたよ。」
「はーい!」
悩んでも仕方ないや。今はとにかく頑張るしかない。
「「「いただきまーす!」」」
「どうだ、魔力の練習の方は?」
「順調だよ。父さん」
私の父さん、ダガン・カームハイツはS級冒険者で、お母さんとは王国との合同調査の時に知り合ったらしい。魔法はほとんどできないのだけど、剣の腕前は冒険者内でもトップに君臨するらしく、時々剣の指南役として王国に呼ばれたりしている。
「そうだミルダ。モースト魔法学院の受験枠、取れたわよ。」
「え?うそっ。とれたの!?」
「一般枠だけど、ちょうど一枠空いたのよ。ギリギリだったけど取れたわ。」
「ありがとう!!お母さん!」
モースト魔法学院とは、16歳から入れる王立の学院で、一般人から貴族、王族、他国の人まで様々な人たちが入ってくる、世界に存在する魔法学院の中で最も優れた場所。毎年たくさんの応募があるため、10年前から受験枠は350人の定員の5倍までと決められている。
いつも応募を初めてすぐに終了することで、「応募って実はないんじゃないの?」と巷でうわさされている。
でも、まさか受験枠だけど取れると思わなかった!これで魔法をさらに鍛えられる!
「よかったじゃないか。ミルダ。」
「うん!まさか取れると思ってもみなかった。」
「せっかく受験枠をとれたんだ。無理しない程度にがんばりなさい。」
「はい!」
そう言うとお父さんは立ち上がり、
「それじゃあ行ってくる」
「あら?今日もお仕事?」
「あぁ。今日はA級の昇格試験があってな。試験官役として呼ばれたんだよ。」
「そういえば今日だったわね。行ってらっしゃい。」
「行ってくる。これが終わったらしばらくすることもないから、また3人でどこかに行こう。」
「いいわね。考えとくわ。」
「それじゃあ、行ってくる」
「「行ってらっしゃい。」」
私もご飯を少し早く食べた後、
「私も行ってくる。」
「今日も魔法の練習?」
「うん。毎日欠かさずやらなくちゃ。それに、魔法学院の受験の練習もしないといけないし。」
「無理しないでね。座学は、夜お母さんが教えるから。」
「ありがとうお母さん。それじゃあ行ってきます。」
夢のために、私は頑張り続ける。
この小説を読んでくださり、ありがとうございます!
よろしければ、評価、ブクマの方お願いします<m(__)m>