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ラフネの造花  作者: 面映唯
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7

 しばらく通路を歩くと、進行方向の先に光が見えてきた。どうやら出口があるようだった。光に導かれるようにたどり着くと、そこから見えたのは海だった。遠くにはいくつもの水門が見える。しかし、そこに水のようなものはない。


 雲だった。


 雲海だ。


 どうやらこの遺跡は思った以上に高い位置にあるようだった。テレビで紹介されていた竹田城跡とは比べ物にならない高さだった。和風のマチュピチュ――ラピュタに自分が立っていたなど想像もつかなかった。想像したら感激したが、どうやってここまで来たのかが不思議だ。


 見れば、いくつもの雲門(うんもん)を通るように階段の道が続いている。万里の長城や山の壁面を沿うようにできた道なら、中国かどこかにあったのを知っているが――雲海のせいでその階段の道は宙に浮いているように見えた。宙に浮かんだ階段、道。大きく下り、大きく上る階段。その先に見えるのは塔だった。


 摩天楼。初めて見た気がした。いや、初めて目の当たりにした。現実にあったのだ。


「あそこ、行ってみたいな」


 摩天楼へと行くため、階段を下り始めた。




 未だ、ここにたどり着いた理由、どうやって来たのか、その類の理由については不明だった。


 摩天楼への階段は、緩やかに下り、そして上るように続いている。階段の幅は二メートル弱。馬鹿でかいパイプを二メートル弱に輪切りして、半分に切ったらこんな感じになるんじゃなかろうか。


 踏み外せば当然死が待っている。それは否応にわかっている。バンジージャンプ、スカイダイビングの類と同じ感覚を手にすることだろう。違うのは、助からないということだけ。


 どれだけ進んだだろうか。そう思い、ふと振り返る。自分の歩いてきた軌跡のように階段が続いていた。その先に見えたのは、黒い点。


 追手が追い付いてきたようだ。しかしまだ黒い点。


 ゆっくりと、そしてリズムよく階段を下って行った。



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