僕の趣味は放火です
宜しくお願いします。
これはフィクションです
僕の趣味は、放火です。深夜に僕の住んでいるアパートをふらりと出て、どの家を燃やそうか、散歩の様にターゲットを探す。金持ちの家を燃やすも良し、貧乏人の家を燃やすも良し、公共の施設を燃やすも良し、僕には選択肢がたくさんある。僕には、一つの夢がある。それは日本武道館のような巨大な施設を僕の力で全焼させてやることだ。今日のところはこの町の一般市民の家で我慢しよう。
家の裏にゴミなんか出してるところがいい。そのゴミにガソリンを撒いて、ジッポーライターで火を点ける。まずターゲットを決めると僕はガソリンを取りにアパートに戻る。そして、ガソリンを2リットルのペットボトルに入れる。僕はそのガソリンを持ってターゲットの家に戻る。今日のターゲットはおそらく中流家庭と思われる一軒家だ。
裏には雑誌や家電製品がゴミとして出されてある。僕はそれらにまんべんなくガソリンを撒いた。このあたりから僕の体内にはアドレナリンが分泌され始める。そして、ジッポーライターを取り出した。僕はタバコは吸わないので、この放火のために雑誌の通信販売でジッポーライターを購入した。ジッポーライターに描かれているデザインはここで言ったところで意味がないので伏せておこう。
とにかく僕はある中流家庭と思われる一軒家の裏に出されてあるゴミにガソリンを撒いた。そして、火を点けた。
一瞬でゴミ達が一つの巨大な火の塊と化した。僕はつい、ほっほっほっほほーっなんて動物の鳴き声みたいな声を出してしまった。火だ。火だ。火だ。僕はしばらくうっとりと火を眺めていた。火が炎へと変化して、だんだんと大きくなっていく。僕は心の中で、どうかこの火が大きく育つまで誰にも見つかりませんように、と子供のようにお祈りをする。
火は僕の希望どうりどんどん大きくなる。もうここまで大きくなってしまったらどうしようもないという大きさになったら僕はにんまりとする。この先に起こるかもしれない惨劇を思い笑みがこぼれる。
巨大な炎が一軒家をすっぽりと包もうとしている。ひゃーひゃひゃひゃひゃひゃひゃー。僕は歓喜の声を上げた。これでもう大丈夫だと確信した僕は走りだした。興奮してじっとしていられない。あれは僕がやったんだ。そう思うと嬉しくてたまらない。おそらくもう消防車が呼ばれている頃だろう。僕は走りまわり興奮を鎮めてからアパートへ戻った。布団にもぐったがまた興奮してきた。ギャヒーッと声を上げて布団を蹴り上げた。ここで冷静になり、これは病気だろう、と思ったが、もう時すでに遅しである。僕はガタガタと震えながら眠りに着いた。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
FIN
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