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幸運値に極振りしてしまった俺がくしゃみをしたら魔王を倒していた件  作者: 雪下月華
第十四章

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竜の刀剣ー26





 「――きゃっ!」


 頭を強く打ち付け倒れ込んだアゲハとコチョウだったが、ふらつく身体に鞭を打つと何かに怯える様にすぐさま起き上がった。



 「……ア、アゲハ」


 脳震盪で頭を押さえるアゲハを気遣う様子もなくコチョウは彼女の肩を強く揺さぶる。


 自分たちの身に何が起こったのか全く理解していない二人だったが舞台を見上げた次の瞬間、彼女たちは何故か全身を震わせていた。



 「――奇妙な魔力を感じたから来てみたけど、やっぱり侵入者か」



 突然、舞台上に現れた少女はいとも簡単に黒い影を追い払うとそのまま足元の二人に目をやる。

 

 「エ、エントマ様」


 少女と目が合った瞬間、アゲハとコチョウは躊躇う事無く地面にひれ伏した。


 彼女を前に一向に震えが止まらぬ二人。


 毛穴という毛穴から汗が滲み出、血色の良かった二人の唇は青を通り越し黒く変色していた。



 「エ、エントマ様、ど、どうしてこちらに?」


 「どうして?」



 二人の質問が不快だったのか、少女は目を剥き、眉を顰める。



 「どうしてって侵入者はやっぱり殺さないとね。それがボクのお仕事だから。あっ、でもその前にもう一つお仕事あるんだ」



 そう言って少女が舞台を飛び降りるとエントマはひれ伏す二人の頭を優しく撫でる。


 「二人共、今までご苦労様。今日までよく頑張りました」


 「そ、そんな! エ、エントマ様! わ、私たち! 私たちまだまだお役に立てます!」


 「そ、そうです! どんな命令でもお申し付けください。必ずやエントマ様のご期待に沿ってみせます! で、ですから、い、命だけは!」


 慌てふためく二人に少女は笑顔で答える。


 「そんな事言われても君たちあの侵入者に正体知られちゃったでしょ? それってまずいよね。だとしたらどうするのがいいと思う? うん、そうだね。殺すしかないよね?」


 「そ、そこを何とか!」


 「お願いします、エントマ様! 私たち何でもします! 何でもしますっ! ですから! ですから私たちにチャンスを! チャンスをっ!」


 

 たかが少女相手に必死に命乞いをする二人。

 


 「えー、でも君たち何が出来るの? 二人の代わりなんて正直いくらでもいるんだよね」


 「つ、次のオークションでは今までの倍、いや、3倍のの金額をか、稼いでみせます!」


 「そんなのボクにとってはどうでもいい事なんだよね。何か他に無いの?」


 「ほ、他に……」


 「ないならもういいよね」


 「エ、エントマ様! エントマ様は私どもに命令したいことはございませんか?」


 「命令?」


 「はい、どのようなご命令でも!」


 「うーん、そうだね」



 エントマは顎に手を当て、主人の命令を待つ忠犬のような二人の前をくるっと回ってみせる。


 「そうだ! これなんていいんじゃない? ねぇねぇ、二人共そう言えばこの子たち食事がまだなんだよね。だからこの子たちの晩ごはんになってよ」



 少女が指を鳴らすと、彼女の髪の中から小さな昆虫の群れが這い出てくる。


 「さっ、みんな晩御飯だよ。しっかり残さずお食べ」


 「エ、エントマ様!」


 二人の命乞いも虚しく少女がゆっくり目を細めると、お腹を空かした子供たちは彼女たちの血の一滴、髪の毛一本すらも残さず全てを喰らい尽くしてしまった。



 「さて後片付けはおっしまいっと。美味しかった? うん、それは良かった。それじゃ今度は侵入者を片付けようか」



 エントマが手を叩くと地面を覆い尽くしていた虫たちが一斉に彼女の体内に戻っていく。



 再び舞台に上がった少女は暗がりから現れた黒猫と対峙していた。







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