忌まわしき赤竜の姫ー81
「――その知恵とやらがあれば魔王に勝てるんじゃな?」
未だ意識のないヴェルの額に触れたフレデリカが少年をねめつけると巨大な赤竜は僅かに牙を剥いた。
「それは君たち次第さ。僕が授けたのは一助に過ぎない。弱者がいくら牙を得ようが刃を手にしただけでは到底強者には敵わない。せめて魔王の配下たる魔族どもを倒せるくらいには強くないとね」
確かに今の俺たちでは上級魔族に勝てるかどうかも疑わしい
第六天魔のメフィスト、そしてロアの身体を奪って姿を消したアザトース。
他にも魔王軍にはまだ見ぬ強敵が数多くいるに違いない。
「混沌の魔王と戦った君たちならわかると思うけど魔王は一筋縄では倒せない。破壊神カオスの残魂である魔王を倒すには奴の魂を砕かなければならないんだ」
「……魂を砕く。そんな事が私たちに可能なのですか?」
「君たち程度の力では無理だろうね」
少年は当然と言わんばかりに首を横に振った。
「ならどうすれば――」
「だから僕は神魂をも砕く一振りの刃を彼等に授けた。牙から削り出し作り上げた竜の刀剣をね」
竜の刀剣。
それはかつて赤竜帝が自らの牙で作った神魂砕き。
「そして彼等は多くの犠牲を払いながらもその竜の刀剣をもって見事魔王を討ち果たした」
「多くの犠牲、か」
「それでその竜の刀剣とやらは今どこにあるんですの?」
メリダが刀剣の在処を尋ねると赤髪の少年は何故か笑みを浮かべた
「それが分からないんだ」
「……へ? わからないってどういうことですの?」
「魔王討伐で力を使い果たした刀剣は己の魔素を回復させるために深い眠りについたはずなんだけどそれからどうにも行方が分からないんだ。盗賊に盗まれたのか武器商人が二束三文で売り飛ばしたのか、はたまた地面深くに埋もれているのか」
「それじゃわたくしたちどうすれば――」
「まっ、探し出すほかないね」
「この世のどこにあるとも知れぬ刀剣を? 冗談じゃないわ!」
「けど、魔王を倒すにはそれしか方法はない」
「……もう一度同じものは作れませんの?」
「残念だけどそれは無理だ。あの刀剣を作るには竜の牙とカオスの指輪が必要なんだけど、あの指輪はもう二度と手に入らない」
「つまり何が何でも竜の刀剣を探し出さないければなりませんのね
メリダはまるで他人事のような少年の態度に思わず天を仰いだ。
「その刀剣、なにか目印や特徴みたいなものはないのですか?」
「特徴かぁ。これと言って飾り気のない剣だしあれは持ち主によって姿形を変えることもあるからね」
「それではまるで探しようがないではないか」
「そんなこと無いさ。竜の刀剣は眠っていても僅かながら竜族の力の波動を発している。だから刀剣に近づきさえすればきっと君達でも波動を感じ取れる」
「簡単に言ってくれるの」
「魔王を討伐してから幾百年。竜の刀剣もきっと本来の力を取り戻し目覚めの時を待っているはずさ」
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