ダンタリオン地下迷宮ー9
今回ちょっとエッチな展開になっています。
苦手な方はブラバお願いしますm(__)m
ストーリーには影響しません
なんなんだ、この状況は……。
薄暗いテントの中、背中開きの薄手の衣服に着替えたフレデリカが目の前にひかれたシートの上にうつ伏せで横たわり、俺の手にはどこから持ってきたのか甘い香りのするアロマオイルが握られていた。
「早く始めてくれんかの。わらわはもうクタクタじゃ」
そう言うとフレデリカは何の恥じらいもなく背中で止めてあった紐を自ら解き、下着以外一糸まとわぬ姿になった。
ごくりっ。
俺は思わず生唾を飲み込んでしまった。
いかん、いかん。
これはあくまでマッサージだ。
そうだ。ドワ娘の疲れを取るための医療行為だ。
集中、集中。
アロマオイルを掌に付けゆっくり馴染ませてから、彼女の背中に震える両手を乗せる。
「あん♪」
「へ、変な声を出すんじゃない!」
「変とは失礼じゃな。オイルが冷たくて思わず声が出てしまっただけじゃ」
「そ、そうか。そりゃ悪かったな」
俺の震える手、そして動揺している声が可笑しかったのか、ドワ娘はずっとニヤニヤ笑っている。
「ほれ、手が止まっておるぞ。早く続きを頼むぞ」
「わ、わかってるって」
こんな所をラフィテアに見られたらと思うと気が気でないが、丁度タイミングよくと言うべきか彼女はラトゥを連れて出かけていた。
ラトゥ曰く、ダンタリオン地下迷宮で唯一植物生い茂るこの階層には俺達でも食せる果実が至る所になっているらしい。
食料が不足しているという事はないのだが、現地調達出来るものがあるならそれに活用するに越したことはない。
という訳で、彼の案内の元ラフィテアは果実の採取に向かったのである。
ちなみにそこら辺に生えているヒカリゴケも食べることが出来るらしいが、未だ俺の口には入っていない。
ともかくだ。
ラフィテア達が帰ってくる前にマッサージを終わらさなければならない。
背中に当てた手をゆっくりゆっくりと上部に動かしてく。
手に塗ったオイルが揮発してこの空間に香り、心なしか頭がボーっとしてくる。
さらにオイルを追加し今度は首から肩にかけて念入りに揉み込んでいく。
「あっ、あんっ♪ あっ、そこ、あぁ、いぃ♪」
「お前、わざとそんな声出してるだろ!」
「そんな事はないぞ。おぬしの手つきが心地よいのじゃ。どうやらこっちの才能もあるようじゃな」
嬉しいんだか嬉しくないんだか全く分からない。
しかし、こうして本格的にマッサージをするのは初めてなのだが、こいつの肌なんて柔らかいんだ。
男のごつごつした体とは違う、女性独特の質感。ドワーフ族だからか多少筋肉質ではあるがすべすべして実に気持ちいい。
「どうだ、疲れは取れそうか?」
「あん♪ あっ、あっ、あぁん♪ そ、そうじゃな。なかなかいい感じじゃ」
「そりゃ良かった」
「良い感じではあるんじゃが、おぬしなぜ先程から上半身しかマッサージをしてくれんのじゃ?」
「そ、そんな事は、な、ないぞ」
「そうか?」
「そ、そうだ。これから足もマッサージするところだったんだ」
「うむ。それは良かった。足は特に疲れておるから念入りに頼んだぞ」
「お、おう。任せてくれ」
実は意識的に下半身のマッサージは避けていたのだ。
このままやらずに済めばと思っていたがやはりそうはいかなかった。
だっていくらなんでもまずいだろ。
下着姿で、言ってみればほぼ全裸に近いんだぞ。
刺激が強すぎるってもんだ。
しかし、このままやらずにはどうも終わらなそうな雰囲気なのも確かだ。
ここは意を決して飛び込むしかない。
オイルを塗りたくると足先からふくらはぎ、太もも、お尻へと順番にマッサージしていく。
落ち着け、落ち着くんだ俺。
なに、興奮してるんだ。
いや、この状況で興奮しない方が無理ってもんだろ!
もうこうなったら目を瞑って手の感覚だけでやるしかない。
一番疲れが溜まっているであろうふくらはぎをゆっくり優しく揉み解していく。
「あん♪ あぁ、いいぃっ♪ あっ、そ、そこが気持ちいいの」
俺の興奮に火と付けようとドワ娘はわざと色っぽい喘ぎ声を発し誘惑している。
目を瞑っているせいか、耳と手の感覚が一層研ぎ澄まされ、余計な妄想がどんどん膨らんできてしまう。
まずい、そろそろやめないと理性が持たない。
「ドワ娘、そ、そろそろ疲れも取れたんじゃないか?」
「何を言っておる本番はまだまだこれからじゃぞ。ほらここもまだじゃろ」
そう言うと彼女は大胆にも大きく足を広げてみせた。
「ほれ、太ももの付け根も疲れが溜まっておる。ここも念入りに頼むぞ」
「おい、そ、そこはいくらなでもまずいだろ」
「なにを言っておる。ただのマッサージじゃ。セレナも言っておったじゃろ。念入りにやらねば怪我をするかもしれんと」
「わ、わかったよ」
徐々に付け根に向かって手を伸ばしてくと、ドワ娘もわざとらしくそれに合わせ声を上げていく。
「あっ、あっ、ああぁっぁ、き、気持ちいいっ、そこ、そこじゃ」
ドワ娘は俺の動き合わせ腰をくねらせると、突然手を取りその動きを止めた。
「……のぅ、下着が邪魔ならとってもいいんじゃぞ」
「な、なにを言っているんだ! お、俺だって男なんだぞ。いい加減我慢にも限度があるってんだよ」
「わかっておる。だからこうして誘っておるのじゃ」
そう言ってドワ娘は俺の手を放し仰向けになると、アロマオイルでべとべとになった衣服を全て脱ぎ去り、本当に一糸まとわぬ姿になっていた。
「おい、フレデリカ」
「ずっと手を出してこないおぬしが悪いんじゃぞ」
フレデリカは俺の手首をつかむと、可愛らしく膨らんだ胸へと誘っていった。
「ほれ、ここもマッサージしておくれ」
この感触、なんと表現したらいいのだろうか。
もう、ここまで来たら後戻りはできない。
今まで抑えていた理性を捨て去り、欲望に身を任せようとしたその瞬間――
「ラック様。ただいま戻りました」
大きな荷物を背負ったラトゥとラフィテアは無事果実の採取を終え、拠点へを戻ってきたのである。
一瞬で現実へと引き戻された俺は一線を越えることなく、二人の秘密のマッサージは終了したのである。
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