負けは勝利への近道
心を楽にして読んでね
「では、参りましょうか。」
「そうだな、もうすぐ入学式始まるだろ。」
仁とエリカは入学式会場へ行く。入学式会場はまるで音楽会のように大きくて思わず仁は息を飲んでしまった。
「おお、スゲー大きいな」
エリカは、やはりという顔をして
「人間の方々はみんなそう言いますね。」
仁は顔を斜めに傾け
「魔族は違うの?」
「まぁ別に、さして大きいわけでもありませんし普通位ですよ。」
エリカが人差し指を立て俺は「これが普通かー」と関心して
「でも、音楽会とかスピーチなどにも使われますしこれくらいは、必要ではないですか?」
仁は納得したような顔で
「ああ、ならまぁそうか。」
と言いながら会場へと入る。二人は会場の前の方に座った。ちょうどライトが消され、壇上だけが明るく照らされた。するとさっきテーラと呼ばれた少女が壇上に立ち
「新入生、もとい編入生の皆さん戦術学校トライデントへのご入学おめでとうございます。つきましてはこの学校を簡単にご説明致します。」
壇上のバックモニターが写し出される。主に写真や校内の施設を写している。
「この戦術学校トライデントは主に、魔術や自分の技術を磨いていきたいという者達が通う学校です。この学校は、特に魔族や神族、人間でも自由に入る事の出来ます。」
テーラは、その後様々な事を言っていたらしいが特に重要な話はなかった。俺は深い眠気に誘われ寝てしまった
「これで、戦術学校トライデントの簡単な説明を終わりにします。」
俺は深い眠気から覚め周囲を見渡した。テーラは壇上の奥へ行き、代わりに違う女性が出てきた。エリカと同じ黒髪を伸ばし、顔立ちもエリカと少しにている気がする。
「えー私がこの学校のナンバーズのトップの ノエルだ。ちなみにさっきのは、テーラだ。」
仁は、いずれ戦うのかな?何か強そうなオーラを感じるがどのくらい強いのかな。と考えつつノエルの言葉に、耳を傾けている。
「大体私の言うことは、テーラが言ってくれたが私からは、この言葉を君たちに授けよう。」
「負けは勝利への近道だ!」
ノエルは会場のど真ん中を指しながら、言った。それからは、特に聞く必要の無い先生の話くらいで何もなかった。
それからは、自分のクラスが発表され「各自自分のクラスへ、行くように」という指示が出た。
エリカは、自分と仁のクラスを見てすごく上機嫌になった様子で
「ふふっ、私と仁様は一緒のクラスですね。」
仁は、ホッとして胸を撫で下ろし
「良かった、知っている人と同じクラスで」
「本当にそうですわね。」
仁とエリカは、2ーCの教室へ向かう。
「うーん。切りのいい4月からの編入だが、少し緊張するなー。」
「大丈夫ですよノルアとあんなに、張り合ったのですから。」
この学校だとナンバーズと一分も戦えたなら一週間くらいは、英雄的な存在になれるらしい。二人は、長い廊下をのろのろと歩く。仁が緊張しているからだ。二人は、ようやく2-cの教室へ着く。扉を開ければもう、二人以外の生徒は椅子にすわっていた。二人は、他の生徒にジロジロみられながら空いている席に座る
「よし、これで全員そろったな。では、ホームルームを始める」
何かの名簿を、パタパタさせながら担任の先生と思わしき人物はその名簿を開き一人一人の名前を呼ぼうとする。
「おおっと、私の自己紹介がまだだったな。わたしは、 エクス・ルーだ。」
茶色の髪を頭で束ね顔は、優しそうだ。若い頃は結構モテていたのだろう。ルーは、その後生徒達の名前を呼んでいる。
「白川仁」
「はい」
途端に他の生徒達がざわつき始める。「あれが?」「ナンバーズとやりあったのか?」仁は、気にしない気にしないと自分を落ち着かせる。
「はいはい、ざわつくな静かに」
早速、ルーが止めに掛かる。エリカは、微笑を浮かべながら仁を見て
「いいですわね、仁様がこんなにも有名になりだして」
仁は、「えー、そんな有名になりたくないよ」と下を向いている
「具体的な事は、次の時間説明する。各自終了」
休み時間になった仁は、トイレにでも行こうかと思っていた矢先。不意に肩を叩かれ
「お前、一体何者だよ!」
いつの間にか俺の周りは、かなりの人が集まっていた。別にそこまで本気で相手をしていた分けでもないから、いやいやたまたまだよ とでも言おうとした。そしたら急に
「ふっ、そんなナンバーズも本気でもないのに褒め称えるのは止しません事?」
そんな嫌みのこもった声が教室に届いた。さすがに俺は、本当に本気ではなかったが少しイラついた。そんな思いをエリカは、分ったのかすぐに立ち上がり
「へぇー、本気では無いにしろナンバーズとやりあえたなら英雄者ではないですか?」
「ふーんあなたは、そんなにもこの人の事を思ってるのでしょうが私から言わせればそんな事、普通ですけどね。」
普通?まぁあれくらい日常だが。しかし何かこう棘のある言い方だな。そして俺に指を指し
「そこのあなた。私と決闘でも如何です?」
自信たっぷりの笑みで問いかけて来た。俺はそのイラつきを解消させるため
「もちろん、喜んで」
俺もたっぷりの笑みを、見せた
少し気の強い女子が決闘を申し込むなんて、王道だなー