第1章 異世界召喚@緑のむきむき
・作中のキャラクター、場所などは全て現実とは無関 係でありフィクションです。
第1章
異世界召喚@緑のむきむき
「…」
「どこだよ…ココ…」
「何だよ…コレ…」
崖の下を見下ろすと、鎧をまとった剣士や、弓士、槍士などたくさんの人間が何やら、黄緑の筋肉むきむきな個体と斬り合っている。
人間の剣士の後方には、何やら、怪しい言葉を唱えつつ、時折、炎や氷を飛ばしている者、傷ついた者の手当をしている者も見受けられた。
何が何だかわからない…
今まで、至って平凡な高校生だったはずなのに、どう
してこんなとこにいるのだろう…
朝は普通に起き、行きたくもない高校へ行き、かえっ
てきてから、は夜までゲームをやって、夜になってか
ら、近所のスーパーへ晩飯の素材を買いに行った帰り
道、橋で突然光る球体を見つけた…最初は鬼火かと
思ったが違った。その球体は空中で浮遊しながら、
ぼんやりと光っていたのだ。訳が分からず、眺めてい
ると、突然球体の輝きがまし、気づいたらここにいた
と、その時、俺は後ろに気配を感じた。だが気配は…人ではない…
振り向くと、さっき崖の下で人間の戦士と戦っていた
緑のむきむきがいた…
全身緑色の逞しい筋肉で覆われていて…ゴツい…俺の第一印象はそれだった…。確かにに理想の筋肉像だが…ゴツすぎるのだ。まるでプロのボクサーをさらにボッコボコにしたような、そんな筋肉だった。
…何処の世界に、駆け出しのヒヨッコプレイヤーにむきむきの塊を倒させるチュートリアルがあるだろうか。
俺は、そう考えつつ、後ずさりしながら逃走準備を始めた。
が、同時に、緑のむきむきは、持っていた棍棒を握りしめ雄叫びを上げながら、振り回してきた。
「グウオオオオオオオオオオ!」
「オイ…冗談だろ…俺は何も持ってないか弱い人間な
んだぞ…流石にこれは横暴じゃないですかーーー
ーーー!!!!」
俺はそう言うと、一目散に近くの林に飛び込んだ。