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オリハルコンギア  作者: 月影暗奈
6/22

妖精の導きと噛み合わない二人

先ほど大木を消し飛ばし、仲間と合流するためにキルディアは森の中を歩いていた

「はぁ、結構遠くまで来ていたんだな。ここがどこか全くわからねぇ」

あれから数分歩いているがどっちに拠点があるのかさえわからん

ガサガサ

「誰だ!」

俺の索敵で気づけなかった何かが茂みの中から出てきた

「あらら、見つかっちゃった♪ごめんねお兄ちゃん、脅かそうとかそんな気はなかったの、ただちょっとお兄ちゃんの事見てただけで、でも気配を隠してた事は謝るし、それに私も出て行ったら何されるかわからなかったし、正直怖かったから、だから許して?」

出てきたと思えば早口でしゃべりだすこの緑色の髪の少女に俺はただ彼女をじっと見つめる事しか出来なかった

「お兄ちゃん?おーい、あんまり見つめられると、何か、恥ずかしいよ」

緑色の髪の少女は頬を赤くして上目遣いで俺を見ている

「あ、すまん、正直どうすればいいかわからなかっただけだ。君は見たところ自然系の属性を持ったフェアリーの様だが、少し頼まれてくれないか?」

少女はこちらに向き直り頷いてくれた

「いいよ、私はリーフ、リーフ・ライアンだよ、よろしくね、お兄ちゃん♪」

「よろしくリーフ、俺はキルディア・マズナだ、キルディアって呼んでくれ、呼び方が妹と被るからな」

お互いの自己紹介を終えると共にリーフは歩き出した

「キル、こっち」

小さな腕を伸ばして小さな指で方角を指すリーフと一緒に森の中を進んで行く

「はい、三人ともお疲れさん」

私達アーリア、カリア、リリィの三人は訓練を終え、宿舎に戻る準備中だ

「あれ、訓練用のナイフ無くしたかも」

「え!あれがないと怖い教官に怒られるよ、カリア、どうするの?」

カリアとリリィが辺りを見回しても見つからずなぜかリリィが涙目になっている

「カリア~、私に渡したままのナイフならここにあるけど?」

「あ、ほんとだ」「はぁ、よかったぁ~」

「ははっ、君たち本当におもしろいね。さ、探し物も見つかったし戻ろうか」

準備を終えた私達に若教官はコインを投げ渡してきた

「それは訓練を終えた兵士達の癒しのひとつ飯を食うために必要なコインだ、それがないと食堂の人は飯を出してくれないから、渡されたら無くさないように気をつけろよ」

若教官は笑顔で帰って行った

「あれ、じゃあ教官が言ってたあれは?」

「多分、私達を試したとかじゃない?可愛い女の子三人が『おなかすいちゃったからぁ何かたべたいなぁ』とか言ってもあの若教官がこれ出さなかったら何も食べられないし」

「可愛い女の子って私も入ってるの?」

カリアの問に私とリリィは当たり前の様に頷く

「とにかく、ごはん食べに行こ?私おなかすいちゃった」

「うん」「だな」

この後の食堂にて、調理師の人が取っておいてくれたごはんを食べ、これからはサボらない事を誓うのだった

その頃、カーディア教官は道中出会ったフェアリーと共にキルディアを探し森の中を歩いている

「おっちゃん、ほらあっこ、あっこにバカがいるよ」

桃色の髪のフェアリーが指を指す方向にキルディアと緑色の髪の少女がいた

「礼を言うぞリン、礼といってはあれだが、これをやろう」

少女の小さな手には5枚の金貨が乗せられていた

「返品は無しだ」

カーディアはそう言い残しキルディアの元へ走って行く

何かを感じ取ったキルディアはその場にしゃがみこむ、刹那キルディアの頭上を何者かが通りすぎる

「き、教官!何してるんだ、危ないだろ!」

「何だ、せっかく迎えに来てやったと言うのに」

俺の声に反応したのか前を歩いていたリーフが立ち止まって振り返る

「あれ、このおっちゃん誰?キルのお友達?」

「まあ、そんなとこ。な、おっちゃ―イテッ、」

「次は手加減せんぞ」

ちょっと冗談言っただけで殴られた、しかも結構痛かったぞ?本気だしたら頭飛ぶんじゃないかってくらい痛かったぞ?

そんなことを思いながら頭を擦り、すみませんと謝罪する

「キル、大丈夫?」

「あぁ、大丈夫だ、早く帰って飯食って寝る」

心配そうに見てくるリーフが可愛いので頭を撫でてみた

「ふぁ~、何だかとってもほわほわする」

あぁ、こいつすごく

「可愛いな」

「え、私!?」

ん?何が?

「キルディア、心の声が口から出てきてたぞ」

「マジで!・・・まぁ、とりあえず暗くなる前に帰ろうか」

「あ、うん、そだね」

しばらくは少し距離感があったが時間が経つにつれて距離感も無くなっていった

あれから俺達三人は十数分で拠点に帰ってきた

「それじゃ、キル達とはここでお別れだね、また会えるといいね」

「あぁまたな、ありがとなリーフ、それじゃぁまた」

互いに手を振り別れる

「キルディア」

振り返ると共に飛んできた物を反射的に掴む、手の中にあった物は1枚のコインだ両面にネクストの象徴である交差する聖剣と魔剣、表裏で上に重なる剣が違い聖剣が上にある方が表とされているようだ

「これは、ネクスト内での通貨ですか?」

「いや、それは食堂で使われる飯を食うために払う代価だ」

なるほど、ちゃんと訓練を受けない奴は飯を食う事ができないと

「今回は特別任務を達成した報酬としてくれてやるが今度また途中でどこかに行ったらその時は飯抜きだ、もちろん他人から貰うのも無しだ、もし貴様が同期の奴から貰っているのを見聞きした場合貴様と貴様に恵んだ奴を厳罰に処す、いいな!」

「はい!」

ごはんを食べ終え、割り当てられた寮の部屋でアーリアはお風呂の準備をしていた

「はぁ、お兄ちゃんまだかなぁ、眼の力を使えばすぐにわかるけど、千里眼も予知も使う時のあのほんの一瞬の高い所から高速で落下する感覚あまり好きじゃないんだよね」

突然ドアをノックする音がして体が跳ねる

「私、リリィだけどアーリアのお兄ちゃん帰ってきたよ、今食堂でごはん食べてるとこ見てきたよ」

「ほんと?わかったいまいく」

浴槽を洗う手を止め、手を洗ってドアを開ける

「キルディアくんは下の食堂にいるよ」

「教えてくれてありがとう、リリィも一緒に行こ」

「え!?私は別に、あぁ!」

私はリリィの手を引いて食堂へ向かった

「お兄ちゃんいる?」

私は食堂のドアを開けて中を見渡す

「アーリアちゃん、階段で引っ張ったら危ないよ、怖かったよぉ」

私に連れてこられたリリィは胸に手を当て涙目で深い呼吸している

「お、アーリア、とリリィちゃんだっけ?二人ともまだ風呂に入ってないのか?」

そこには丁度ごはんを食べ終えたお兄ちゃんの姿があった

「お兄ちゃーん!」

「おわっ!どうした、いきなり抱きついて来るなんて」

俺は一瞬避けてやろうかと思ったが体がアーリアを受け止める事を選んでいたのでこいつを受け止めた後に頭を撫でてやっただが妙な違和感を感じよく見てみると

「うきゅ~」

アーリアと俺の間にリリィが挟まっていた

「あぁ!リリィごめんね、ずっとリリィの手、握ったままだったよ」

「大丈夫か、リリィちゃん?おーい」

「う、うぅ~」

アーリアの方にリリィちゃんの顔があったけど、不幸な事にこいつの胸はSクラスの愛らしいペッタンコだからクッションがなかったんだな、完全に気絶してる

「とりあえず、リリィを部屋まで運ぼ」

「あ、あぁ、俺がリリィちゃんを運ぶからお前はこの娘の部屋まで案内してくれ」

俺が見た目以上に軽いリリィちゃんを抱き上げてアーリアに指示する

「わかった。でも、もしリリィに変なことしたらいくらお兄ちゃんでも許さないからね!」

「わかったから、早く部屋まで案内しろ」

アーリアは『むぅ』と言って階段を昇って行く、リリィちゃんに嫉妬してるのか、ほんと可愛い奴

そういやリリィちゃん、まだお風呂に入ってなかったよな、起こした方がいいかな?それにアーリアの奴いつの間にか居なくなってるし、とりあえず鼻血だけでも拭いてやるか

「あ、アーちゃんのお兄さん、リリィを抱いて何してるの?しかも寝てる小さい女の子をこんな暗い部屋でベッドの近くで、説明、してくれるんだよね?」

片手に缶ジュースを持ったカリアがドアの開いたままの部屋の前から睨んできている、彼女はなぜ怒っているのだろうか、風呂から上がってあまり経ってないのだろう髪はまだ少し濡れているし首にピンク色のタオルをかけている

「あぁ、ちょっと下で色々あって気絶しちゃったんだ、丁度よかったリリィちゃんまだお風呂に入ってないらしいから、君はカリアだったよね、リリィちゃんをお風呂に入れてあげてくれないかな?後、何でそんなに怒ってるの?」

「下で色々?リリィが気絶するほど激しかったの?それに丁度よかったとか言って本当は残念がってるんじゃないの?私が怒ってる理由?それはね、大切な友達がよく知らない男に抱かれてるからだよ!」

なぜか怒り狂ったカリアが襲いかかってきた

「おっと、お前危ないだろうが!リリィちゃんに当たったらどうすんだっ!」

「うっせぇ!黙って殴られろ!」

しかもこいついつの間にか拳に鉄付けてやがる当たったら痛いだろうな~

「こんの、リリィを抱きながらちょこまかと、リリィを離せ!じゃねぇと本気出せねぇだろうが!」

「わかったからちょっとだけ攻撃を止めてくれ、それにここはリリィちゃんの部屋だから外でやろう」

リリィちゃんをベッドに下ろして寮の外へ向かう

「この辺なら大丈夫だろ、さぁ、掛かってこいよ、何でお前がそんなに怒ってるのかその拳に聞いてやる」

「調子に乗るなよ、アーちゃんの兄貴だろうが関係ねぇ、ボコボコにしてやる」

どこから噂が流れたのか、俺達の周りに同期の訓練兵が野次馬の様に群がっている。

なぜカリアが怒ってるのかはわからないが、彼女と一戦交えれば何かわかるかもしれないと思ったからこうして決闘沙汰を起こしてしまったがわからなければ直接彼女に聞くまでだ!


久しぶりの投稿です、もしも私の知らない所でこれを見ている人がいると願いつつ、自分の趣味やチャレンジを盛り込んで書いて参ります。

(^-^ゞ

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