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オリハルコンギア  作者: 月影暗奈
19/22

大切なもの

目の前に迫る光の槍、ガイルは目を閉じて地面に身を投げ出す

「・・・・・」

ガイルはゆっくり目を開けていくと目の前には光の粒がたくさん飛び交っている、そして、彼の前に小さな人の影が立っている

「っ!お前はキルディアの」

「大丈夫?盗賊のお兄さん」

もう、お兄ちゃんってば久しぶりに限界突破使って暴走しちゃうなんて、本当に情けないなぁ

「とりあえず、お兄さんはそこにいててね?後で治してあげるから」

「あ、あぁ」

お兄ちゃんの頭の上の輪っかが邪魔だなぁ

アーリアは手に持った短剣を投げる

バリィィィン!

キルディアの頭の上にあった光の輪は甲高い音をたてて砕け散る

「グオォアァァ!」

「お兄ちゃん、戻ってきて!」

アーリアの左目が光輝くと、キルディアのギアから放たれる赤い光が燃え盛る炎の様に激しく揺らぐ

「ヴガアァァ!」

「お兄ちゃん、動かないでね、痛くしないから」

アーリアは一瞬でキルディアの背後を取り、両肩にナイフを突き刺すと

「おねがい、お兄ちゃんから怒りを吸い取って」

キルディアに刺さったナイフは、アーリアの言葉に呼応するように光輝く

「汝の怒りは汝の意に背き怒りのままに破壊、喰らい、汝の愛する者までも葬るだろう。汝の怒りは我が悲しみ、怒りを鎮め、我の言を聞け!」

アーリアは儀礼用の短剣を抜き、自分の指先を切る

アーリアの血は地面に落ち、そこから大小様々な魔方陣が現れる

「な、なんだ、これは」

「これより、汝の怒りを汝の負の感情と共に冥界ヘルヘイムに流す!」

アーリアは短剣を自分の立つ魔方陣の中心部に突き立てると、キルディアに刺さっているナイフが赤黒く染まり、それの正体が魔方陣の中へと吸い込まれてゆく

ほんの数秒の出来事、ナイフはキルディアから抜け落ち、彼はひざから崩れるように倒れていく

アーリアはすぐにキルディアの元へと駆け寄り、キルディアの上半身を抱え上げる

「お兄ちゃん、大丈夫?」

「ん、あぁ。アーリアか、あいつは、ガイルはどうなった」

「残念、俺はまだ生きてるよ」

ガイルは傷だらけの体でなんとか二人のいる場所まで来た

「ははっ、タフだなぁお前」

「はっ、駒を使うプレイヤーが弱いと使われる駒が言うこと聞かねぇからな」

「駒って、僕達がやっつけたあいつらの事?」

ニールが剣を向けた先には人の山があった

「わぁっ!ニールちゃん、いつの間に後ろに!?」

「ニヒヒッ、アーリアちゃんがキルディアを抱え上げた時かな?」

ニールちゃん、なんか、イラッとする

「あぁ、あれが駒だ、ずいぶんな数を殺してくれたな」

「駒って言う割にはずいぶん愛着があるようだが?」

あ、この人今、お兄ちゃんを鼻で笑った

「そうだな、どうでもいいオモチャでも、長いこと使っていると無くしたときに感じる寂しさだろう。まぁいい、替えならいくらでもある」

バキッ!!

キルディアの拳が、ガイルの頬を殴る

「痛ぇな、何すんだよ」

「俺も人の事言えねぇ、それでも言わせてもらうが、人間や生き物を物みてぇに言うんじゃねぇ!」

ゴスッ!

「うるせぇ!使えねぇゴミを使ってやって、そのうえ飯食わしてやってんだ!それなのになぜ俺が恨まれなきゃならねぇんだよ!」

「・・・なるほどな、ははっ、ガイル、お前、俺に比べりゃその程度まだ序の口だ、まだ間に合う内に考え直せ」

ガイルは一瞬戸惑った、キルディアの目の中に、無数の絶望と悲しみに蝕まれた人々がこちらに助けを求めているようすが見えたからだ

「お前、今までどれだけの罪を―」

「ガイル、それ以上言うと、お前もこいつらと同じ運命を辿る事になるぞ?」

ガイルは、少し考える素振りをみせ、ふっ、と笑ってその場に座りこんだ

「そうか、お前も、荷を背負っているのか」

「まぁお前ほど数は多くねぇよ」

ガイルは俺の言葉の意味がわかったのか、少し不満そうな顔をしている

「なぁ、お前は俺の罪を知っているのか?」

「まぁな、いつの間にかアーリアとニールもいないし、少しならいいかな?・・・俺は、他人の罪を眼を見るだけでわかるんだ」

しばらくの沈黙が続き

「・・・プッ、アハハハハ!、お前、何でそれをあいつらに隠してんだよ。それくらい話してもどうってことねぇだろ!」

「いや、知らないのはアーリアだけだ。ニールも俺ほどじゃないが同じ力を持ってる」

「じゃあ、なんで俺やニールってやつみたいな他人に言えることを、自分の妹に言えない」

ガイルはいきなり真剣な顔になる

「それは・・・あいつは俺達と産まれた世界も、生きた時間も全く違うから、だから何も知らない方が―」

ゴツッ!

ガイルは急に立ち上がり、俺の頬に拳を打ち込む

「いきなり何しやがる!」

「うるせぇ!お前はアーリアの事を考えるばかりにそいつの自由を奪ってる!テメェみたいな奴には何も守れねぇ!・・・・俺も、何も守れなかった。大切な人の自由を、愛を縛って。だから俺は、もう二度と大切なものを作らないと決めたんだ」

その言葉の意味を知るため、キルディアはガイルの目から記憶を読みとる

えっと、かなり遅くなってすみません

まぁ、ガイルくんは生きてますね、良かった良かった

ちょっと?ダラダラしすぎてしまったのが遅れた原因です

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