光撃と攻撃
もうすぐ、もうすぐで奴の所に着く
キルディアは魔物とネクストの戦いの中を走り目標の魔物の元へ行く
「あぁもう、何であんなに遠いとこで寝てんだよあいつは!」
十分近く走ってやっと目標の姿がはっきり見えてきた
「あと500くらいか、面倒だな、変えるか」
キルディアは1度止まり走り直す
「ギアチェンジ、タイプ1から4へ」
キルディアの声で彼の手足が淡い光を放つ
「よし、これで」
突如キルディアの姿が消える
『キエェェ!』
巨大な魔物が目を覚ますその顔面にキルディアが蹴りを食らわしていた
「お目覚めのとこ悪いがもう1回眠ってもらうぞ」
地面に降り立ち目標の姿を確認する
「へ~、魔物にもカッコいい姿をした奴がいるんだな、寝てるからよくわからなかったよ」
目の前の魔物はまるで魔物が現れるより、人間が生まれるよりも昔に存在したといわれる巨大なトカゲの姿をしていた
『オォォォ!』
魔物が咆哮し大地が揺れる
「ちっ、叫ぶな、うぜぇよ」
魔物は太く大きな尾で凪ぎ払うがキルディアは魔物の足元へ移動していた
「防げぬ無数の刃となりて我が敵を打ち砕け!」
キルディアの手に光の粒が集まる
「星屑しの聖剣!」
キルディアが詠唱を終えたと共に手に集まっていた光の粒が二本の剣を型どる
後方から何かが遅い来る気配を感じ、キルディアは振り向くと同時に剣を振る
「ふんっ、雑魚が」
後ろの魔物に剣を向けると、光の剣は分散し小さな針の様になる
「雑魚が邪魔すんじゃねぇよ、消えろ」
刹那、光の針は魔物の全身に突き刺さり、全ての心臓を負傷した魔物は断末魔をあげ燃えていく
『オォォォ!』
大きな衝撃を受けたキルディアの体は真横に飛び、木にぶつかる
「かはっ、くっ!注意を怠った」
光の剣を再構築し、巨大な魔物へ走る
「お前と俺の力の差を見せてやるよ!」
魔物は大きく口を開け魔炎を吐く、がキルディアは防ぐ事なく炎に突っ込む
足の筋を切り、くずおれる魔物の下敷きにならないようその場を離れ、首筋に刃をあて切りつけ首の骨を外し、もう一方の剣を薙ぐと血を飛ばし魔物の首が落とされた
「これで終わりだ」
キルディアが投げ放つ二本の剣は魔物の心臓を貫き、体内で弾け飛ぶ
巨大な魔物は声をあげる事なく炎となって燃えていく
「うぐっ!はぁ、はぁ、くそ、奴の炎、思ったよりダメージがヤバイな」
顔の左半分を手でおさえ詠唱を始める
「光よ、我を癒し、たまえ」
キルディアの手が淡い光を放ちおさえていた顔の火傷を癒していく
「はぁ、痛みは無くなったが傷跡が残っちまったな」
離れていく手の奥には眉の端から頬までの傷跡が残っていた
「アーリアが待ってるだろうし、さっさと帰るか」
◇
キルディアが行ってからどれくらい経ったのだろう、突然静かになった門の前でアーリアは心配と寂しさで泣いていた
「お兄ちゃん、早く、帰ってきて」
「大丈夫、アーちゃんの兄貴は強いから、待っていたら絶対帰ってくるよ」
アーリアは優しく包み込まれる様な感覚に身を委ねる
「カリア、もうちょっとだけ強く抱きしめて」
カリアは少し力を入れて抱きしめるがそれでも優しく暖かい腕の中でアーリアは眠っていた
「ほんとにアーちゃんはキルのことが好きなんだな、それにあいつはアーちゃん以外の女の子にはあまり興味がないらしいからな。それにしてもアーちゃんはもう13か、一年間ずっとキルの前では特に小さい子どもみたいだったな」
門の外から声が聞こえるどうやら魔物を討伐できたみたいだ
「アーちゃんは今は疲れているだろうし眠らしておこう。起きた時にでも報告してあげようかな」
今回で戦闘は休息です
次回は休息タイムで主人公達を休ませてあげます
見てくれている方はこれからもよろしくお願いいたします