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第15話 異世界"商"女の狙いかた

 ちゅん、ちゅんと、鳥の鳴き声が聞こえてくる。

 まだ暗闇の中にあった意識はだんだんと晴れて、ぼやけながらも視界に光が満ちていった。


「ん……ふぁ~」


 目をこすって、体を起こしたら大あくびをひとつ。まだ眠気でぼーっとしている頭を、頬を軽く張って叩き起こす。これが俺の朝の基本ルーチン……なんだけど。


「……ここ、どこだ?」


 見たことのない大きなベッドに、見たことのない木枠の窓。

 そして、俺の家にある部屋の、その倍はある広さの客間。


「あー……そっか」


 自分が着ているシンプルな服を見て、ようやく昨日のことに思い至る。


 ピピナのお姉さん・リリナさんにレンディアールへ連行されて、石の牢屋に閉じ込められたりルティのお姉さん・フィルミアさんに助けられたり、ルティが実は王女様だったりと、本当にいろんなことがありすぎた。その前にはルティとピピナと公園でミニFMの送信実験をしていたし、夜はフィルミアさんの案内でヴィエルの屋台街に連れられてごはんを食べまくったし……ホント、濃密にも程がある。


 ベッドのそばにある木枠造りの窓を跳ね上げて、枠に仕込んであるつっかえ棒で固定すれば窓が半開きに。フィルミアさんから教えてもらったとおりにすれば、ここから窓の外の景色が見えるわけだけど、


「本当に、異世界に来てるんだな……」


 その外にはただただ青い空と、市役所の屋根の向こう側にヴィエルの街並みが広がっていた。2階建てより上の建物はほとんどないし、電柱や電線も全くない。そのおかげで、広がる空や街並みと、石畳の大通りを行き来する人たちの姿がはっきりと見える。

 日本では、まずありえない光景。異世界・レンディアールの都市・ヴィエルでの滞在生活2日目にして、俺は早くもそれを目の当たりにしていた。


「ほらっ、朝採れのクレティアだよ! 安くするからどうだい?」

「今日はいいのが揃ってるね。よし、これをもらおうか」


 耳をすませば、少し距離があるはずの市場からそんな声が聴こえてくる。車やバイクからのモーター音もないおかげか、人々の話し声がよく聴こえるみたいだ。


「ん?」


 そんな中で、にぎやかな子供たちの歌声がピアノの伴奏にのって聴こえてきた。歌詞は明らかな日本語で、しかも聴き覚えがある……というか、日本人にとって馴染み深いにも程がある曲じゃないか。

 少し身を乗り出して下を見ると、ポニーテールの女の子と長い銀色の髪の女の子――たぶん有楽とルティが、昨日ラジオを発信した中庭にいた。


「何やってんだ、あいつら」


 急いでふたりのところに行く……と、その前にスニーカーをはいてからベッドを降りて、大鏡で服装と寝癖を確認。上は襟元の緩さを紐で調節するシャツのような白い服で、下は黒い膝丈の紐締めズボン。格好は問題ないだろうし、寝癖も特にはなさそうからこのまま行っちまうか。

 客間のドアから廊下へ出ると、少し進んだところに上下の階へ続く階段がある。レンガ造りの少しいかつい外装とは違って、白い壁紙や紅いじゅうたんでシンプルに飾られた内装は落ち着ける造りになっていた。

 そのままじゅうたん敷きの階段を降りて、5階から1階へ。玄関ホールのドアを開けて外へ出ると、中庭で壁を背にしている有楽と向かい合っているルティ、そしてそのそばでふわふわ飛んでいるピピナの姿があった。


「おはよーさん」

「おはよう、サスケ」

「おはよーですよー」

「おはようございます、松浜せんぱい」


 近づいてあいさつすると、3人とも笑顔であいさつを返してくれた。ルティは白のブラウスと黒のスラックス姿で、ピピナはいつもの緑色のドレス。有楽は少しすその長いシャツのような服と草色のズボンを身に付けていた。昨日、市場の服屋でピピナが選んだ身軽そうな服装だ。


「で、なんでこんなところでコレを流してるんだ?」

「朝といったら、ラジオ体操に決まってるじゃないですか!」


 力説する有楽の後ろ、市役所側の壁に立てかけられたスマートフォンから流れていたのは、日本人ならお馴染みの「ラジオ体操の歌」だった。


「よくスマホに入れてたな、それ」

「体を鍛え始めた第一歩がこれで、今も毎朝やってるんです。事務所でも、レッスンの前に必ずやってて」

「毎日の習慣ってやつか」

「はいっ。で、こっちでもやろうと思ったら、起きてきたルティちゃんもやってみたいって」

「ほー」


 当のルティはというと、ブラウスの袖をまくって準備万端らしい。


「〈らじお〉を使った体操と聞いて、実に面白そうだと思ってな」

「そっか。んじゃ、俺もやるとするかな」

「ぜひぜひ!」

「うむ、いっしょにやろう」

「やるですよー!」


 有楽が教える係みたいだから、俺はルティの左横につくことにした。ちょうど動きやすい服装だし、ラジオ体操を教えるのもよさそうだ。


「それにしても、これは佳き歌だ。曲がとても明るく、また歌詞も希望に満ちている」

「久しぶりに聴いたけど、言われてみれば確かにそうだな。前は考えもしなかった」

「そうなのか?」

「夏休みになると、毎朝これが町内で流れて小学生……えっと、7歳から12歳の子供たちがみんなで集まって体操するんだよ。で、毎日休まずにやればお菓子の詰め合わせがもらえて、そのために出てたってわけ」

「いいなー。あたしのところなんて鉛筆セットでしたよ」

「物で釣って体操しても、あまり意味はなかろう」

「まあ、本来の目的は『夏休みでもちゃんと早寝早起きしろ!』ってとこだな」

「それならわかりやすい」


 俺の身も蓋もない説明に、ルティがくすりと笑う。小学生の頃は夏休みになると、必ず朝の6時に叩き起こされてたもんな。ラジオの夜ワイドとか深夜番組を聴いた次の日でも絶対だったから、眠かったのなんの。


「さあ、そろそろ始まりますよ」

「おう」


 ラジオ体操の歌が終わると、続いて指導員さんの元気な声といっしょに軽快なピアノの伴奏で「ラジオ体操第一」が流れてきた。これも、聴くのは中学の自然教室以来だ。


「ルティちゃん、聴きながら見て真似してみてね」

「わかった」

「あ、力は入れなくていいよ。これはのびのびーってやる体操だから」

「ん? そ、そうなのか」


 真剣に返事したルティの力を解こうとしたのか、有楽がお気楽そうに声を掛ける。確かに、これは力を抜いてやるものだからな。


 まずは背伸びの運動から、腕を振ったり回したりする運動へ。有楽はさすがに毎日やってるだけあってとても滑らかな動きで、横目で見るルティはやっぱり見よう見まねだからか、ぎこちない動きではあるけど懸命に腕を振っていた。ピピナは……空を飛んだまま体操してるし。

 俺はといえば、やっぱり小学生のときに体と頭に染みついているからか、メロディと指導員さんのかけ声でどんな動作かが思い出せてきた。寝起きで体を覆っていたけだるさも、動かしていくたびに少しずつ飛んでいく。


「わっとっとっ」


 体を反らす運動に入ったところで、思いっきり仰け反ったルティがバランスを崩して後ずさった。


「大丈夫か?」

「う、うむ。勢いをつけすぎ……た……」

「ん?」


 苦笑したと思った次の瞬間、目を見開いてそのまま固まる。


「だいじょーぶー? んしょっ、んしょっ」


 その視線の先にいる有楽は、声をかけながらそのまま体操を続けていて、


「……すごい」

「……すげえな」


 体を反らすたびに、容赦なくそれなりにある胸を揺らしていた。


「んしょっ、んしょ」


 そして、ルティの向こうにいるピピナも、小さい身体のわりに大きめな胸を揺らしながら反らしていた。


「持つ者と持たざる者には、このような差が……」

「あー、気にするな気にするな」


 自分の胸に手を当てて悔しがるルティの肩をぽんと叩いて、体操へと戻る。ふたりとも厚手の生地でゆったりとした服だから体のラインは出ていないけど、それでも自己主張していて……まあ、それ以上はノーコメントだ。

 続くねじりの運動からはルティも気を取り直した……と思ったら、体を反らしたりジャンプする運動のたびに横から「くっ……」「すさまじい……」なんてつぶやきが聞こえてくるあたり、意識しまくっているっぽい。


「いち、にー、さん、し、ごー、ろく……しち……はちっと。はい、これでラジオ体操第一はおしまい。って、どうしたの? ルティちゃん」

「いや、すごい体操だなと思ってな……」

「そう? お手軽らくらくな体操だと思うんだけど」


 熱中していて様子までは見ていなかったのか、有楽はルティにとっては的外れな言葉を返した。まあ、本人には気にならないんだろう。たぶん。


「で、『それ』以外はどうだったよ」

「う、うむ。こう、本格的に体を動かす前になじませるための体操といえばいいのだろうか。なんだか、体の節々の動きが滑らかになったような気がする」


 俺が声を掛けたらようやく気を取り直したようで、ルティはよいしょ、よいしょという感じで腕を動かしたり、軽くジャンプしたりして身体の動きを確認しだした。


「そんな感じそんな感じ。眠ってた体を覚ますには、とってもぴったりな体操なんだ」

「なるほど。〈らじお〉ができたら、街へこの体操を流してもいいかもしれぬな」

「でも、その時には誰かがお手本をやらないとわからないよ?」

「確かに。まずは市役所や警備隊の皆にもやってもらって、それから広めたほうがいいだろうな……その時は、カナに手本を頼むとするか」

「えっ!? あ、あたしが!?」


 ふふんと笑うルティに、有楽がうろたえる。おお、これは初めてのパターンだ。


「一番知っているのはカナであろう。願えないだろうか、カナ先生」

「かなせんせー、おしえてですー」

「神奈せんせー、おしえてー」

「いや、ちょっ、ルティちゃんとピピナちゃんはいいけど、せんぱいはダメです! 全然似合ってない!」

「ひどっ!」


 ピピナを真似てみたら、手ひどく一蹴されちまった。また慣れてるけど!


「別にいいけど、いちばんのお手本はルティちゃんになるんじゃないかなぁ」

「もちろん、我もカナに習って皆に見せるぞ。その上で、カナに先生になってほしいのだ」

「えー……」

「ここで有楽が先生になれば、異世界にラジオ体操を広める第一人者になるんじゃね?」

「っ! いいですねそれ! ルティちゃん、あたしやるよっ! ラジオ体操の先生、引き受けるっ!」

「おおっ、やってくれるか!」


 ボソッと口にした俺の言葉が届いたのか、有楽はルティの両手をがしっと握ると目を輝かせながらそう申し出た。ルティもうれしそうだし、ふたりにとってそれが幸せだろう。


「さすけ、うまくよけましたねー」

「はて、なんのことやら」


 ちょこんと俺の肩に乗ったピピナが、こそっとささやいてくる。自分まで巻き込まれたくなかったなんて、そんなことを思ったことはないですよ。ああ、一切ない。


「なにをはしゃいでるんですか、あなたたちは」


 呆れたような声がして振り向くと、そこには黒い執事服姿のリリナさんがげんなりとした表情で立っていた。


「おはよう、リリナ。今朝はカナから体操を習っていたのだ」

「体操ですか。体を動かすということはよきことでございます」


 と思ったら、ルティが声を掛けたとたんににこやかにあいさつをして、


「おはよー、リリナちゃん!」

「おはようございます、リリナさん」

「おはようございます」


 俺と有楽には、ルティに見えないようにして無表情であいさつしてきた。まあ、あいさつしてくれるだけマシ……か?


「フィルミア様とルイコ様より、朝食の準備ができたので伝えるようにとのことです」

「ありがとう。サスケ、カナ、ピピナ、食堂へ行こう」

「わかった」

「はーいっ。あっさごーはん、あっさごはんー♪」

「はいですっ!」


 リリナさんの報告を受けたルティが、玄関へと歩き出す。そして、有楽がスキップしながらスマホを回収してくるのを待って俺も歩き出した、その瞬間、


「…………」

「ひっ」


 昨日以上に冷たいリリナさんの視線が、また俺に突き刺さった。


「ふんっ」


 そして、鋭くにらみつけてから前を向いて勢いよく去って行く。あー、こりゃあ本格的に嫌われてんな。


「おーこわ……」

「なんか、いつもいじょーにこわかったですー……」


 俺に続いて、ピピナも怯えたように声をもらす。これでいつも以上なのか。


「せんぱい」


 と、スマホを取ってきたのか、横に並んだ有楽が俺たちをのぞき込んできた。


「死に水は、あたしが取りましょうか?」

「勝手に死ぬ前提で言うな! つーか人ごとか!」


 可愛らしく小首を傾げて言うことじゃねーだろそれ!


「まあ、ちゃんと話せば大丈夫だと思いますよ。あたしたちのこと、まだ話してないんでしょう?」

「聞く耳すら持ってもらえないのにどうする」

「あたしもなんですよねー」

「お前は原因を自覚しろ」


 捕食者のような行動をしてたら、そりゃ避けられるっての。


「はなし……かぁ」


 そんなバカなやりとりをしている最中に、ピピナの小さなため息が聞こえてきた。俺には兄弟がいないからよくわからないけど、仲がこじれている姉妹っていうのは見ていて歯がゆい。

 ほんのちょっぴり悲しそうなピピナの声に、おぼろげにだけどそう思えた。


 *  *  *


 ヴィエルの市役所は、重厚なレンガで造られている。

 この間ピピナに連れて来られたときにもそれは実感していたけど、改めてそのまわりを歩いてみるとレンガ造りで3階建ての建物っていうのは圧迫感すら感じるたたずまいだ。


「うーん」


 俺の手にあるダイヤル式のポケットラジオからは、ただ耳障りなノイズが流れてくるだけ。


「うちのマンションと同じなのかな」


 隣にいる赤坂先輩がポケットラジオをのぞき込むけど、周波数は合っているはずなのに受信中を示すはずのランプはまったく点灯していなかった。


「どういうことです?」

「コンクリートって、電波を通しにくいの。リビングのコンポは共用のアンテナに繋げないとダメだし、わたしの部屋でもこういうラジオは窓際じゃないとほとんど聴こえなくてね。だから、もしかしたらレンガもそうじゃないかって」

「あー」

「あのミニFMの機械って、100メートルぐらいは飛ぶんだよね」

「父さんが言うには。ルティと試したときは50メートルぐらいでしたけど、はっきりと聴こえました」

「となると、やっぱりここが障害になってるのかも」

「マジですか……」


 ふたりしてため息をついて、高くそびえ立つ市役所を見上げる。


 フィルミアさんと赤坂先輩お手製の朝飯を食べ終わった俺は、中庭で発信したラジオの電波がどこまで届くのかを測るために先輩と市役所のまわりを歩いていた。

 昨日ルティとやってみたときは結構遠くまで届いたから行けると思ったんだけど……まさか、初っぱなから文字通りの壁にぶつかるなんて。


「ピピナ、何か聴こえるか?」

「ん~……かすか~にきこえますけど、ちっさすぎてよくわからないです」


 先輩の肩の上にいるピピナが、長い耳をぴこぴこさせながら困ったように答える。ピピナでもあまり聴こえないのなら、やっぱりレンガに遮られてるんだろう。


「しやくしょのかべがじゃまなら、ピピナがそーしんきをそらにうかべてみるですよ?」

「いいのか?」

「もちろんっ。そんなにぱわーもつかわないですし、ピピナができることならやるです!」

「なら、お願いしましょうか」

「はいですっ! かなにもいってくるですねー!」


 そして、先輩に頬ずりしてからぱたぱたと市役所の上へ飛び去っていった。さっきよりも元気になったみたいだし、連れ出して正解だったみたいだ。


「ねえ、松浜くん。広場のほうで待ってみない?」

「広場でですか」

「うん」


 ピピナを見送ってからもレンガの壁を見上げていた先輩が、俺のほうを向いて小さくうなずく。


「ピピナさんが送信機を持って飛んでも、ここだとどうしても建物の影になっちゃうから」

「ラジオの電波って、どこでも通ると思ったら結構シビアなんですね」

「他のコミュニティFM局の話だけど、まわりに高層ビルがいっぱい建ったことで電波が届かなくなったスポンサーさんがたくさん降りて、廃局に追い込まれたところもあったりするぐらいシビアかな」

「うわー……」


『廃局』なんて恐ろしい単語に、思わず身が震える。言われてみれば、聴こえなくなってからもスポンサーしたってほとんど意味はないし、それで降りられたらお金も来なくなるから最後には廃局するしかないわけだ。


「これ、あとで街を歩き回って調べておきましょうか」

「レンガ造りのお店とかも結構あるから、将来的にはしておいたほうがいいかも」

「わかりました、覚えておきます」


 頭の中で山積みになってる懸案事項の、真ん中あたりに押し込めておく。あとで、全部まとめてノートにでも書き出しておこう。


「とりあえず、時計塔の時計が見えるあたりにでも行きましょうか」

「ええ」


 ふたりしてうなずき合って、市役所前から歩き出す。市役所のまわりは大きな円形の広場になっていて、そこから東西南北に大通りが十字のように伸びている。その円の端にある商店街の近くまで行けば、ちょうど時計塔のてっぺんあたりが見えてくる格好だ。


「このあたりでいいかな」

「了解っす。さて、ピピナのほうはっと……おっ、あれかな?」


 振り返って時計塔を見上げると、時計の前あたりでシャボン玉みたいな透き通った球体がぷかぷか浮かんでいた。よく目を凝らして見てみると中に何かが入っているらしく、その下でピピナらしい小さな人影が手をかざしている。


「松浜くん、ラジオの電源を入れてみて」

「はいっ。……おー、聴こえます聴こえます!」


 ポケットラジオのボリュームを上げて電源を入れると、受信を表すランプがうっすらと点灯してほんの少し雑音混じりな弦楽器と金管楽器の音がスピーカーから流れだした。受信中のランプも、ちゃんと赤く点灯していてバッチリだ。


「今流れてるのは『くじゃくの主題による変奏曲』か……うん、ちゃんと聴こえてるね」

「ただ、少しノイズが入りますね」

「少し遠くなっちゃったから、仕方ないかな。テストにしては上々だよ」

「聴こえるだけでまずはよし、ってことですか」

「そうそう」


 笑い混じりの俺の言葉に、先輩も笑い混じりで応じる。


「でも、こんなファンタジーな世界でラジオが聴けるなんて不思議だよね」

「ですね。こうして街並みを見ながらだと、特に」


 俺と先輩がいる市役所入口前の広場からは、イロウナとの国境方面へ向かう北の大通りが伸びている。道は全面石造りで、歩道や車道なんてないただただ広い道。その両端に広がるお店や市場は午前中から人混みの活気で溢れていて、俺たちが着ているレンディアールのシンプルな服装の人もいれば、ドレスのようなイロウナの民族衣装を着ている人たちもいた。

 自動車の影も形もないし、少し見上げてみれば電線が横切ることのない空が広がっている。そんな中で地球生まれのラジオを手にして音楽を聴いているんだから、ミスマッチにも程がある。


「それ、なんだい?」

「うわっ!?」


 とか思っていたら、フードがついたクリーム色のドレスを着た女の子が、横からラジオをのぞき込んできた。


「へえ、音が聴こえる……不思議な箱だね」

「あ、あのー」

「あははっ、ちゃんと聞いてるよ」


 顔を上げた女の子は、フードからこぼれる長い黒髪をかきあげながらにかっと笑ってみせた。って、この子……


「ごめんな。仕事柄、こういうのには目がなくてね」


 もしかして、この間ルティに連れてこられた時に見た……


「いえ、いいんですよ」

「よかったら、もうちょっと聴かせてくれるかい?」

「もちろん」


 先輩と気軽にしゃべる女の子は、確かにあの時の勝ち気な女の子だった。


「複数の音が重なって聴こえるけど、これって自鳴琴みたいに中で音を鳴らしてるのかな」

「ジメイキン?」

「ほら、箱みたいのをパカッと開けたらキンキラキンって音が鳴る」


 ああ、オルゴールのことかな?


「いえ。それとは違って、遠くで鳴らしてる音をこの箱みたいので受け取って鳴らしてるんです」

「遠くで鳴らしてる音を? 受け取る? どうやってさ」

「そういう風に鳴らす機械があるんですよ」

「機械……」


 俺がそう言ったとたん、女の子が俺をじろりと睨んでくる。


「アンタたち、フィンダリゼの人なの?」

「いえ。俺たちは日本って国から来ました」

「ニホンか。聞いたことはないけど、フィンダリゼの他にも機械が作れる国があるんだな」


 面白いと言いながら、女の子がニヤリと笑った。睨んでるときとあまり変わらない目つきを見ると、元々つり目っぽいからそう見えるみたいだ。


「ねえ。この箱、売ってもらえないかな」

「えっ!? あ、いや、その」

「ダメかい?」

「すいません。この機械はまだ実験中で、売り物にはなってないんです」

「そっか。実験中じゃあ売るわけにも買うわけにもいかないね」


 突然の申し出で戸惑う俺に、先輩が助け船を出してくれた。物珍しいのはわかるけど、いきなり売れって言われても確かに困る。


「でも、面白そうな機械だ。いくつもの音が重なって聴こえる箱なんて聞いたことがないよ」

「とはいっても、あまり広い範囲には聴こえないんです。ちょっと歩いてみましょうか」

「うん」


 先輩といっしょに、素直に応じた女の子を連れて大通りを歩く。すると、スピーカーから流れてくるオーケストラの音に雑音が混じり始めて、


「ありゃ。なんだよ、このザーッて音は」


 4つ目の区画に差し掛かった頃にはノイズだけが流れていた。


「今は時計塔のところから音を流してて、そのまわりでしか聴けないんですよ」

「もっと広く聴けたりしないの?

「ちょうど、その実験中みたいなもので」

「なるほどねぇ……んじゃ、戻ろっか」

「えっ?」

「もうちょっと、さっきみたいに聴いてみたい」

「あははっ、わかりました」


 ニンマリと笑う女の子につられて笑いながら、今来た道を戻る。スピーカーのノイズはまた音楽混じりになって、広場へ戻る頃にははっきりと聴こえてきた。今度は、弦楽器やハープの伴奏にのせてフルートの音が響いている。


「不思議なもんだ。こんなにいろんな音が鳴るなんて」

「実験用の機械ですから、まあ、いろいろと」


 さっきの食いつきの良さを見ると、これで音を保存する機械まであるとか言ったら離してはくれないだろう。この子は商人だとか前にピピナが言ってたから、そこまでに留めておいたほうがよさそうだ。


「なあ、これは出来上がったら売る予定とかあるのか?」

「へ? さあ、どうなんでしょう。ルティに……あ、いや、エルティシア様に聞いてみないことには」

「えっ!」


 ルティの名前を出したとたん、女の子の笑顔が驚きへと変わった。


「アンタたち、あのエルティシア王女の知り合いなのかい!?」

「いや、なんというか、友達ですけれども」


 昨日屋台街に行ったときも、フィルミアさんやルティがお店の人たちにそう俺たちを紹介してたから大丈夫だろう。たぶん。


「じゃあ、アンタらが今朝市場で話題になってたレンディアールの賓客か!」

「はい!?」

「ずいぶん評判だよ。あんなにおとなしかったエルティシア王女が、さらわれたと思ったら御友人を連れて堂々と戻ってきたって。屋台街でもずいぶんはしゃぎ回ってたそうじゃないか」

「お、おとなしかった? ルティさんが?」

「ああ。アタシも一度お目にかかったことがあるけど、きれいで物静かだった」

「はあ」


 先輩の問いに、女の子がきっぱりと答える。凛としてたり可愛らしいルティは知ってるけど、物静かだなんて……


『言われてみれば、これといって何がしたいというのはなかったのだ』

『みんなと親しくなっていくうちに、もし明かしてしまえば関係が変わってしまうと思って……』


 ふと、ルティが落ち込んだときの姿が頭をよぎる。もしかして、こっちでのルティは時々見せるあのルティだったとでもいうのか?


「まあ、いい機会だ。実験とかでなにか入り用になったら、西の大通りにあるイロウナの商業会館に来てアタシを呼びな。『アヴィエラ・ミルヴェーダ』に会いに来たって言えば、ヴィエルにいるときゃできるだけ駆けつけるからさ」

「あのー、商売相手になりそうだとか思ってません?」

「当然!」


 恐る恐る聞いてみれば、返ってきたのはきっぱりとした答え。


「王女様の御友人なら尚更だし、なんてったってアンタらは面白そうなものを持ってるじゃないか。この機会を逃してたまるかってんだ」

「なるほど。じゃあ、まずはルティに相談して、その時になったらお願いしますということで」

「その時が来ることを祈ってるよ。で、アンタらの名前は?」

「俺は松浜佐助です。佐助って呼んで下さい」

「赤坂瑠依子です。わたしは、瑠依子と呼んで下さい」

「サスケとルイコだね。アタシのことは、アヴィエラって呼んでくれればいいよ」

「わかりました、アヴィエラさん」

「うん、いい感じだ」


 満足そうにうなずいて、アヴィエラさんがにっこりと笑う。ルティに相談する必要はあるけど、何かあったときに協力してもらえる人がいるのならそれにこしたことはない。それに、アヴィエラさんにみたいにラジオへ興味を持ってくれる人がいたのはやっぱりうれしかった。


「おっと」


 と、時計塔のほうから鐘の音が聞こえてきたところでアヴィエラさんがつぶやいた。時計の針は10時ちょうどを指していて、教会の鐘というよりもハンドベルのような高く、澄み渡った音が広場に響いていく。


「そろそろ商業会館の朝礼だ。また、アンタらを見かけたら声をかけるよ」

「はいっ、また会いましょう」

「ああ。サスケも、またな!」

「はいっ、また!」


 先輩と俺があいさつを返すと、軽く手を振ったアヴィエラさんは長いドレスのすそを翻して西の大通りへと去って行った。


「なんだか、風みたいな人だったね」

「ええ。どっちかというと暴風っぽかったですけど」


 くすりと笑う先輩に、ちょっと疲れた笑顔で返す。有楽とはまた別なベクトルで、とてもパワフルな人だ。


「さて。いい結果も出たから、そろそろ戻りましょうか」

「そうですね」


 まだ曲は途中だけど、ピピナをずっと飛ばせっぱなしってわけにもいかないからそろそろ戻るとするか。

 ポケットラジオの電源を切った俺たちは、市役所の正面玄関へ向かって大きな扉を開けた。出迎えてくれた案内係さんへ会釈をしたあとは、そのまま市役所の西側にある警備隊のオフィスへ。


「おう、おかえり。戻るのかい」

「はい。なんか、行ったり来たりですいません」

「いいっていいって。姫さんたちの友人なら大歓迎だし、ピピナ嬢の恩人もいるんだからね」

「そ、そんなのじゃありませんよっ」


 声を掛けてきた受付担当のリシルドさんが、にかっと笑ってオフィスへのドアを開けてくれる。どうやら、先輩と有楽はピピナを助けた恩人ってことになっているらしい。


「隊長は巡回中だから、そのまま入りな。あとで報告しとくよ」

「ありがとうございます」

「お世話になります」


 先輩といっしょにリシルドさんへ礼を言って、オフィスの奥へ進む。雑然としたオフィスの端にある重厚な鉄扉を開ければ、時計塔に繋がる中庭へ。


「あっ、せんぱい、どうでした?」


 すると、壁際にレジャーシートを敷いて座っていた有楽が俺たちに声を掛けてきた。


「ピピナのおかげで、送信機を空に飛ばした状態なら広場のまわりまでは聴こえたよ」

「この状態ならって、地面に置いたままじゃダメなんですか」

「赤坂先輩が言うには、レンガ造りの壁が障害になってるんじゃないかってさ」

「レンガ造りって、時計塔もですよね? でも、昨日は届いてたはずじゃ」

「窓が大きめなのと、送受信が近かったから入ったんじゃないかな。分厚いレンガの壁が2つあると厳しいみたい」

「最初から、文字通りでっかい壁ですね……」


 ウマいこと言いやがって。しかし、こいつはなんとかしたいところだけど……どうしたものか。


「ところで、フィルミアさんは……ああ、いたいた」


 少し見回すと、時計塔の壁際で長椅子へ腰掛けているフィルミアさんの姿があった。


「はぁ~……」

「使い方を教えてあげたら、ずーっとあんな感じで」

「なるほどな」


 跳ね気味の銀髪がかかる両耳からはイヤホンのコードが伸びていて、その手元にはルティにあげたデジタル式のポケットラジオが。そして、フィルミアさん本人はまわりに花が咲きそうなくらい幸せそうな笑顔を浮かべていた。


「この分だと、ちゃんと聴こえてるみたいですね」

「そうだね」


 見上げてみれば、空を飛んでいるピピナが両手をかざして送信キットと先輩のスマートフォンが入った球体を浮かせ続けている。フィルミアさんが幸せそうだってことは、きっと真下のここでもちゃんと受信できてるってことなんだろう。


「あら~……終わってしまいました~」


 うっとりとしたような、残念そうな声がしたほうを見てみると、フィルミアさんが名残惜しそうにイヤホンを外していた。


「どうでした? ちゃんと聴こえましたか?」

「はい~。なんだかとっても華やかで、きらびやかな音楽でした~」

「それならなによりです」

「皆さんが住んでいる世界の楽器を使った音楽は、とっても厚いんですね~」

「アンサンブルという少人数で演奏するものもありますし、オーケストラやウインドシンフォニーという100人ぐらいの規模で演奏する音楽もあるんです」

「なるほど~」


 興味津々といった感じで聞いてくるフィルミアさんに、先輩もうれしそうに応えていた。


「それとそれと~、昨日聴かせてくださったルティの歌みたいに、わたしの歌も聴くことはできるんですか~?」

「はいっ。わたしが持ってるICレコーダーっていう機械があれば声や音を保存出来ますから、それを使えばフィルミアさんの歌声も保存出来ますよ」

「そうなんですか~! ぜひぜひ、おねがいします~!」

「ちょっと待って下さいね。部屋から持って来ます」

「ありがとうございます~!」


 両手をぽんと合わせたフィルミアさんが、さっき以上の笑顔で赤坂先輩に向けている。何かを通して自分の声を聴くことなんてほとんどないだろうから、楽しみなんだろう。


「せんぱい、一旦ピピナちゃんに降りてもらってもよさそうですね」

「そうだな。ピピナ、ありがとなー! 一回下に降りてきていいぞー!」

「はーいですーっ!」


 ピピナが俺の呼びかけに返事をした、その時だった。


「エルティシア様が学習中だぞ! 静かにしろ!」

「ご、ごめんなさいですっ!」


 3階の窓が勢いよく開いて、中からリリナさんの怒鳴り声が聞こえた次の瞬間。


「あっ」


 ぱちんと、スマホと送信キットを包んでいた球体がはじけて、


「ああっ!?」


 支えを失ったように、中にあったものが落下を始める。


「だ、だめっ、とまってですーっ!」


 急いで追いかけたピピナがスマホのストラップをつかんだけど、自分よりも大きく重いからかただ引っ張られるだけ。


「くそっ!」


 落下点の近くにいた俺は、両手を伸ばしてそれを受け止めようとしたけど、


「ぐぁっ!」


 目測を誤って、スマホの角が右手首へモロに直撃して――


「せんぱいっ!」


 地面すれすれのところで、俺が弾いたスマホと送信キットを有楽がかろうじて受け止めてくれて、


「ピピナっ!」

「あわっ!?」


 俺が飛びついて広げた左手に、弾いた勢いで飛ばされたピピナがぽすんと収まった。


「いっつぅ……ぴ、ピピナ、大丈夫か?」

「は、はいっ。それよりもさすけ、さすけはだいじょーぶですか!?」

「ああ、ちょっとぶつけただけだ」


 スマホの角が当たったからか、右手首を中心に指先から肘まで痛みと痺れが鋭く走る。それでも、今にも泣きそうなピピナを見ていたらやせ我慢するしかなかった。


「ごめんなさい。ピピナがおとしたせいで……」

「気にすんな」


 強引に笑顔を作ろうとするけど、ちゃんと笑えてるのかどうかはよくわからない。しっかりしてくれよ、俺の表情筋。


「大丈夫ですかっ!?」


 どうにか痛みに耐えてる最中に、上から心配そうな声が降ってくる。顔を上げてみると、3階の窓から飛び降りたらしいリリナさんが透明の羽を広げてふわりと中庭へと降り立っていた。


「へ、へえ……そのサイズでも空、飛べるんですね」

「えっ? う、うるさいですよっ! その口ぶりなら、全くもって平気そうですね!」


 俺の軽口で呆気にとられたのか、リリナさんが一瞬呆然としてから吐き捨てるように言った。まあ、全然平気じゃないんだけどな。


「ピピナもピピナだ! 私が怒鳴ったぐらいで力を緩めるとは、軟弱にも程がある!」

「でも、でもっ!」

「そもそも、お前とマツハマ・サスケがここではしゃいでいたからそうなったのだ。これを教訓にだな――」

「そんないいかた、あんまりですっ!」


 辛辣な言葉を並べるリリナさんへ、俺の手のひらにいたピピナが顔を上げて言い返す。


「ピピナがうるさかったことはあやまるです。でも、いまさすけはけがをしてるんですよ! おこるよりもまえに、することがあるはずですっ!」

「それはお前たちの自業自得だろう。私には関係ない」

「だったら、ピピナだけができることをするですよ」


 そう言って、ピピナは俺の左手からぴょんと降りて右手のほうへ駆け寄ると、


「んっ」


 スマホをぶつけた手首へ、そっと口づけをした。


「あっ」


 口づけをされたところがぽかぽかと温かくなって、少しずつ全身へと広がっていく。その温もりが行き渡ったかと思うと体からすうっと消えて、


「嘘だろ……?」


 手を握ったり開いたりしても、ついさっきまでの鋭い痛みや痺れが走ることは全くなくなった。


「どーですか? さすけ」

「すっげえ痛かったのが、全部なくなってる……ありがとな、ピピナ。この間は嫌だって言ってたのに」

「いまはいやじゃないですよ。さすけはともだちなんですから」


 にぱっと笑うピピナの頭をなでてやると、うれしそうに頬ずりをしてくる。俺も、ピピナに信頼してもらえるようになったってことなのかな。


「本当に大丈夫なんですか、せんぱい」

「おう、ピピナのおかげでな。有楽も、キャッチしてくれてありがとう」

「いえいえ。でもびっくりしましたよ、ほんと」


 呆れたように笑う有楽から、送信キットを受け取る。こっちは無傷だし、先輩へ渡ったスマホも特に問題はないみたいだ。


「そんな……」


 ほっと胸をなで下ろしたところで、背後のリリナさんから小さなつぶやきが聞こえた。


「エルティシア様やフィルミア様だけでなく、ピピナまで取られるなんて……」

「はい?」


 今、なんか穏やかじゃないことを言った……よな?


「うそだ……ぜったい、うそだ……」


 何度も否定するたびに、リリナさんの目の端へ涙が溜まっていく。


「あの、リリナさ――」

「お前さえ……」

「へ?」


 なだめようと近寄った瞬間、朝以上の憎悪に満ちた瞳でにらみ付けられて、


「お前さえいなければぁっ!!」

「おわぁっ!?」


 真正面から抱きつき……じゃねえ、抱え上げられたと思ったら、


「さすけっ!?」

「サスケさん!?」

「せんぱいっ!」

「松浜くん!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 物凄い勢いでみんなが遠ざかっていくんですけど! っていうか、飛んでるんですけどぉっ!?


「あのっ、リリナさん!? リリナさぁん!?」

「お前なんか、お前なんかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「ちょ、待ってくださいって!!」


 俺の叫びは、リリナさんの長い耳に届くことはなく。


「こえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 後ろ向きで、しかも下を向いて空を飛ぶとかめちゃくちゃ怖いんですけど!?

 そんな恐怖で怯えてる俺をよそに、先輩たちがいる地上はどんどん遠ざかっていった……

夏休みのラジオ体操は涼しくて楽しかったのですが、そのせいで夜ワイドのラジオを聴く頃には眠くなっていたのが難点でした。


某QRで「キッチュ!夜マゲドンの奇蹟」が流れていたころの、そんな思い出。

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