AreYouNormal?
I'm Home!
なんて、帰ってきた。
長い長い、滑走路の上。
蜃気楼がもやつく、今日も太陽は暑い。
夏の、日。
飛び降りた足元に、ペタペタと、真っ赤な子供たちが、
手を、
目だけが、白い。
目がやけに、白い。
血の気が、ない。
ただ、ぎょろっとして。
じっと、見上げて、こっちを見て、それでも、手は、休まず、
ペタペタ。
見れば、滑走路のアスファルトは、殆ど溶けきっていて、そこに、降りたばっかりの、車輪。
ぐにっと、めり込んで、もう飛び立てないよ、なんて、自己主張。
地面はどんどん、もう逃がさないよ、なんて、
草ぼうぼうのフェンスが、それでもかろうじて、世界に敷居を作っている。
外の空気は、その敷居を跨げない。
渦巻いているのは、腐った、溶けきったアスファルトの、油の匂い。
肉の焦げるにおい。
そんなものを嗅いでも、それでも。
AreYouNormal?
初めから、ゲームじゃなかったから、勝ちも、負けも、無いし、逃げも、できなかったでしょ。