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炎中の王女  作者: へたれ
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2.女王様と謁見する中流貴族(ニート)な僕

ヘタレ大好き。

 こんにちは皆さん。物語の進行役、自称詩を吟う人です。

早速ですが僕は今、王宮にいます。 

謁見の広場まで歩いてゆく。刺を放つ視線。・・・おお怖い。

上流貴族様の視線が痛いよう(涙)。僕は中流貴族の次男坊。一家のパラサイト的ポジション。

面倒なことは全て上の兄に任せ僕は趣味の詩作にふけっていればいいだけのお気楽人間だから、王宮に来る機会あんまりなかったんだよね・・・。もう慣れた筈!とかさっき言ったけど、前言撤回しようかな

・・・今受けている視線は


 殺人的だ。


ああ・・・毛色の違うネズミが真っ白なネズミの中で浮くように僕たち、今とっても浮いているのかな・・・??

いや、避けられるから浮くのか・・・。


「これが・・・あの成り上がりの。」


「我々と肩を並べるなどただの商人のくせして生意気な。」


「金の臭い匂いがプンプンするわ。

商人は商人らしく金勘定でもしていれば良いものを。」


・・・金の何が悪いんだよ!!お金はいいものですよ??領地持ってても物は買えないだろ??

お金は人間にとって命も同然ではありませんか??(ブラック発言)

あーむかつく。でも僕の家確かに成り上がりだからね。既存のシステムに入り込むのはなかなか難しいよね。


 ところで、パラサイト次男坊、僕はどうして王宮に呼び出されたのか、それを言っていなかったね。

なんとなんと女王様自らのご指名である(えっへん(`・ω・´))・・・だが理由は嬉しくない・・・あんまり。

女王様は父と商売の要件で話している時、父に僕のことを訪ねたというのだ。


「中々に見目麗しく、黙っていればモテそうなものを、なんでも残念な詩を作って女達をがっくりさせる

ことで有名な息子がいるそうではないか?」


僕、これを聞いたときマジでショックだったよ。僕の力作がそんな風に思われているだなんて・・・。

女性に詩を求められたときは神話の女神になぞらえて彼女たちを称えてやったのに

何が不満だと言うんだ彼女たちは。女性の心理がわからない。

女王様曰く

「評判の息子殿の歌を聴きたいものだ。是非とも連れて参れ」

・・・とのこと。

僕の詩の評価は散々だ。僕には才能がないと周りは思っている。僕は自分の思うがままに感情を歌い上げているだけなんだけどね。僕には才能があるはずなんだ。ちょっと足りない何かがあるにせよ・・・。

・・・兎に角、僕は自分に才能があることを信じたい。プライドを砕かれたくない。


今日の謁見行きたくなかったもうひとつの理由。

それは僕の詩が廷臣たちの物笑いの種になるかもしれないということ。

僕の詩の評価はそのまま僕の父の評価になるだろう。

「さすがは成金よのう。詩の風情を介さぬ野蛮人。」

「詩の風情も最悪だが、演奏も宜しくないのぉ。」

「親の金と顔だけで暮らしている能なしじゃ。」

先程から脳内でエコーする声、声、声。


正直に言おう。僕はヘタレだ。足がだんだん震えてきた。

家かえってポチ(猫)と猫じゃらしで遊びたいよお。

ミケ(犬)のお腹にダイブしたい。











ヘタレな僕の独白。女王様はいつ登場するのか・・・。

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