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第三章 埋めた夢
夏休みが終わり…季節は秋だった…。
毎日勉強で忙しい…そんな中、北村発案で、少しばかりの気分転換を行う事になった。
神社の裏手だった。
人の手があまり入らない場所で、木々の影が地面に濃く落ちている。土は柔らかく、踏むたびに少しだけ沈む。
北村がスコップを持っている。
いつの間に持ってきたのかは分からない。
何人か、見覚えのある顔がいる。何故か名前を思い出せない…。
誰かが土を掘っている。
その音だけが、妙にくっきりと響いている。
北村が膝まで浸かるくらいに土を掘り起こせば全員の顔を伺う。
「ここでいいか?」
誰かが頷く。
それで決まったようだった。
缶のようなものが地面に置かれている。
中身を確かめる者はいない。何を入れたのかも、よく覚えていない。ただ、それが大事なものだということだけは、なぜか分かる。
埋めるぞ、と誰かが言う。
土がかぶせられていく。
少しだけ、場所をずらした気がした。
理由は分からない。
最初から、何かがそこにあったような気がした。
それでも、誰も気にしないまま、作業は終わる。
土の上を軽く踏み固める。
「これでいいか」
北村が言う。
誰も答えない。
それで十分だった。




