キャベツ
僕は、母が元気だった頃よくホームセンターに連れていかれた。ホームセンターに行くと僕は水槽の小さなフグを見ていた。母は1周見終わると、僕を連れて園芸コーナーへ行った。
母は僕に必ず「どれか1鉢買ってやるから選べ。」と言うのだった。僕は花を選ぶのは恥ずかしいと当時思っていたので、観葉植物やサボテンを選んでいた。育てるのが徐々に上手くなってくると、サボテンも観葉植物も花をつけるようになっていた。母が亡くなった後も僕は植物を育てていた。
ある日僕は、このリビングに丸いキャベツがあったら楽しいだろうな。と思いネットでキャベツの種を買った。僕はリビングのインテリアなら鉢植えだろう。無理かも知れないけど。と鉢でキャベツを育て始めた。
キャベツは日光が少ないせいか、栄養が足りないせいかなかなか大きくならなかった。キャベツが大きくなり始めたのは秋になってからだった。「丸くならなくてもいい。花が見れるかもしれない。」と僕は食べるのはほとんど諦めていた。冬になり植えてから1年が過ぎるとキャベツはまあるくなっていった。
ある朝リビングに行くと。リビングに小さな女の子が座っていた。「びっくりした。どなたですか?」と僕が恐恐聞いてみると女の子は「私はキャベツです。ここまで育ててくれてありがとう。今地球は気候変動で植物達が絶滅の危機にある。」と言い続けて「私は人間達に復讐する為に生まれてきたんです。私と戦って下さい。」と言った。僕は1年一生懸命育てたキャベツの言うことだから友達だ、と思って一緒に戦うことにした。
僕達は大統領のSNSに質問を送ることにした。「狂い始めた地球の自然と自然の一部である人間についてどうお考えですか?それでもガソリンを燃やし続ける気ですか?」大統領はネット電話をかけてきて怒鳴っていた。キャベツは大統領に「明日からお前の食べるバーガーにレタスとピクルスは無い。」と言った。大統領は怒り狂い僕達の住む街を無人爆撃機で爆破した。消えていく意識の中で僕はキャベツの手を握った。
数日後。キャベツの妖精によって地球の全ての植物は枯れ落ち、やがて全ての生物が死に絶えた。
(僕)「終わったね。」
(キャベツ)「終わったね。」
(僕)「でも何も無くなったね。」
(キャベツ)「大丈夫。」「土の中に種があるよ。」
おしまい




