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6『俺は失敗作』
6『俺は失敗作』
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俺は至って、失敗作なんだ。何がかって、聞かれても、上手くは答えられないけれど、とにかく人間と関係を維持するのが非常に下手なんだ。そういう訳で、曇りのち晴れ、という言葉は相応しくない、曇りのち曇り、と言えば適切なのか、そんな感じだ。
雲の大群が、空を覆って居る。戦争中は、爆弾を積んだ飛行機が飛ぶ。俺は想像にも耐えられない。そうして、ロシアの戦争も止められない、失敗作なんだ。山が多いこの日本は、何故、失敗作の俺を地上に落としたんだろうか。