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まちまちの手遊び  作者: 佐智 こさじ
2024
8/90

えー、研修ですけれども、えー、…

社会人になって苦手になったこと。

それは研修である。


----------

えー、研修ですけれども、えー、…

----------


学生の頃は毎日7時間ほど授業が

あってもへっちゃらだった。

学ぶことの集大成である授業に対して、

集中力がめちゃくちゃあったのだ。


だけど今は違う。

なんと10分の講話でも辛い。

もはや副交感神経を神様が支配して、

清らかな眠りの泉へと誘っているかの如く。


要するにすぐ寝るのである。


これは目覚めると地獄絵図である。


目をぱっちりさせた瞬間に講師と目が合うし、

特に私は白目を剥いてやじろべえの如き

頭部運動を繰り広げるので、目立つのである。


もう寝ているの丸わかりである。


とみに集中力がなくなったなーと思うのが

グループワークの時。


ともすれば

すぐに自分の中の思考にとどまってしまい

話し合いをすることをすっかり忘れている。

(とても、いけない)


なので、最近は別のことを一生懸命

考えるようになった。


…いや、主題からそれた妄想に全力疾走

するのではなく、

「いかに他人に『発言してもらうか』」

について、思考・行動する。


これがまた、難しいのだ!


たとえばグループワークで司会をする。


個人に対等に意見を述べてもらう機会

を作る。


ここでも、人によってはそれが負担に

感じて意見が出にくくなる人もいるから、

その時はメインテーマに外れないように

雑談の雰囲気を目指す。


…とにかく、意見を言ったら自分が

輝ける!と思える場を作り出したいのだ。


勝手な個人的見解だが、研修の醍醐味は

いろんな観点を知り、自分の狭量に気づく

ことだと思う。


そのためには、初対面の相手にガンガン

意見を、なるべく多くの人に、出してもらう。

(それが強制だったり、強迫だといけない)


逆に、意見が言いやすい空気って、

グループワークって、

どんな場なんだろう?

私がそれを作り出せるとしたら、

どういう思考、行動が必要なのだろう?


メンバーの人間性、考え方、感じ方を

考慮しつつ。

話を発展させつつ。

課題ももちろん進めながら、意見と

考え方を増やしていく。


まだまだできないことが多い私だけど、

こういうことをがんばっていきたい。


たとえ難しくても

思考して、行動して、

やっていく価値があると

私は思う。




「はい!グループワーク、終わりです。

えー、研修ですけれども、えー、…」



…ああ、やめてくれ…感嘆詞を挟まないで…。

時間が…伸びると…ね、眠くなるから…

た、頼む…私に思考と、行動の機会を…くれ…。

----そして私の思考は途切れた。








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