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まちまちの手遊び  作者: 佐智 こさじ
2024
41/101

図書館への道

休日は図書館への道を歩く。


残念ながら家の近くにはないので、

とてとて歩いていく。


-----------

図書館への道

-----------


歩数計で数えると、往復でもせいぜい

6000歩ほどの道のりだ。


私の通っている図書館は、はた目から

それと分からないところにあるので、

利用者も都市の大きな図書館に比べて

少なく、けっこう気に入っている。


時折見かける他の利用者も同じような

心持ちのようで、それぞれがいろんな思惑

を持ち本を手にしているが、どこか

ひっそりと来ては去っていく。


親しくない他人に見つからないように、

つとめて、ひっそりと。


…なんて考えてしまうほど、おっとりと

静かなこの図書館が好きなので

あまり他人に知られたくない、私の

休まる場所である。


ここまでの道のりは、交通機関を

全く使わず、徒歩だけだ。


夏の盛りはとてもじゃないけど歩ける

道のりじゃなく、秋に入ってまた通い

始めた。


都市の喧騒が似合う町のただっ広い

道路を渡り、車間距離を詰めまくって

窮屈そうな車の波をかいくぐりながら

とてとて歩く。


リュックの中には1週間で頑張って読んだ

5冊の本がどっさり入っている。


最近思うが、1週間で5冊読むのは割と

大変だ。


全て文庫本でもないし、指の関節1個分

よりちょっと背の高めの本が多いので、

読了するまでそれなりに時間がかかる。


読んでいる間は世界に浸れて楽しいけど、

読み終わってしまうと手持ち無沙汰になって

しまう。だから週の最初の頃はどんどこ

読まないようにするのだけれど、

週末になると意外と読み進められない。

これでは今週末、図書館に行けない!


急いで読んで、こうやって図書館へ

とてとて、なるべく速足で、開館時間内に

間に合うように進むのが、私の習慣に

なっている。


そんなことを考えながら歩き抜けると、

住宅街が見えてきた。図書館は住宅街にある

ので、一見するとただのアパート、または

住居と事業所が一体になった建物に見える。

そこには、私の来週の心の平穏が詰まっている。

「今日は何を借りようか」と考える。こんな

ことを考えても無駄なのに。


どうせ新刊や返却したての本に惑わされて、

当初の計画なんてぽぽいのぽいと消えて

しまうのだから。


今日も車に惹かれないよう右見て左見て、

えっちらおっちら図書館への道をとてとて

進む。


私は自分で自分のために本を選ぶ時間が

好きだ。


だから、なるべく長く、図書館への道を

とてとて歩き続けていきたい。


…そのためには運動もしなければ…と思う

今日この頃である。










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