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1 ゆっくりと、君と道の上を歩く。

 愛ってなんだろう?


 ゆっくりと、君と道の上を歩く。


 畔野司の暮らしている田舎の街には、古い時代に作られた、とても立派な石造りの橋があった。

 綺麗な小川の上にかかっている短い橋。

 でも、そのとても綺麗な橋の造りと、その周囲に広がっている美しい自然の風景のおかげで、この古い橋はこの辺りに住んでいる地元の人たちなら、誰もが知っている隠れた名所であり、また、縁結びの力があるという噂もあって、知っている人なら知っている若い恋人たちの出会いや告白の場所でもあり、また近くに住んでいる人たちの憩いの場でもあった。

 橋の周囲には緑色の木々が植えられていて、小川の水はその川の中を泳いでいる魚の姿が見えるほどに、澄んでいて清らかだった。

 夜になると街灯の灯りによって照らされる橋は、とても美しくて、綺麗で、本当にずっとその景色を眺めていたくなるような、そんな素敵な風景の見られる場所だった。

 中学三年生の夏の終わりごろ、司が東屋唯に呼び出されて、家から自転車を漕いで、そんな橋に行ったのは、ある夜の時間のことだった。

 その日の夜風はとても穏やかで、その風に青空橋の周囲にある木々の緑色の葉が小さな音を立てながら揺れていた。

「急に会いたいなんて、どうかしたの?」

 橋の上から、小川の中を泳いでいる小さな魚の姿を見て、司は言った。

 よく見ると、小川の中には魚が二匹、泳いでいて、その姿は暗い夜の中でも、街灯の灯りの中で、橋の上からでもぼんやりとだけど見ることができた。

「うん。あのね、ちょっと話があるの」

 風の音の聞こえる夜の中で、小川の静かな水の流れを見ながら唯は言った。

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