誰が誰を甘やかしているのかはっきりさせて下さい!
私はイヴ。
我が家には甘やかしても甘やかしても甘やかし足りない狂獣バンビがいる。
「おい、今日は何が食いたい。」
基本的にバンビは有能な執事だ。何も言わなくても何もかもやってくれる。
口と目つきはこの上なく悪いが。
「そうね、ブロッコリーが食べたいわ。」
「落花生ソースとニンニクで炒めて甘辛味付けでいいか。付け合せはライスでいいな。」
お前にはなんの興味もない、とでも言いたげな無関心顔をしているくせに、ひたすら甲斐甲斐しく世話を焼いてくるのがもうデフォルトになっている。
「んーーー美味しそう。」
のんびり優雅にくつろいでいる私の前のティーセットと焼き菓子も先程彼が用意したものだ。
「頭、少しあげろ」
そして素早く丁寧に差し込まれる心地の良いクッション。 ソファの座り心地を整えてくれるつもりらしいけど、、、、髪に触れられるくらいに近付いたバンビの、私の鼻をくすぐるこの匂い…。
あぁどうしよう、この子が欲しくなっちゃうじゃない。
「んむ……、、♡ バンビ、まって」
ぁあ、これが危険なのだと分かっていても。
「黙れ。お前はそこでくつろいでろ」
「ふむ、今日は随分頑張ってるのね、狂獣のくせに」
私はこの子の香りにどうしょうもなく惹かれる。何かが懐かしくなる、優しくて切ないバンビの匂い。
そして彼は、「絶対者」なる魔女イヴの魅了に抗えない。大抵は。
「ちょっとだけ。」
「、、、。」
「そんな、思い切り嫌そうな顔しないで。せっかくキレイなんだから。バンビ」
「狂獣で捕食者の俺を『バンビ』とかホント有り得ねーだろ?!」
牙を剥く真似事のような表情をして見せて、唸り声とかも行間に聞こえた気はするけど、、
「黙れ。と、言ってる。」
今日は本当に理性が勝っているらしい。
「、、、お前の食事が先だ。」
あら、やだ、やっぱり愛しいわ。どうしよう。
というか、どうしょうもなく。
「食事ならバンビ肉でも良いのだけど♡」
ふふ、、、あの獣の様に鋭い聴覚で聞こえなかったはずはないのだけれど、鬱陶しそうに回れ右してキッチンに向かってしまったわ。 本当は頭のてっぺんから魂の奥深くまでどろどろに甘やかしてあげたいのだけど。
などと、バンビに世話を焼かせるのにもすっかり慣れてきてしまった私は心の内でつぶやいたとか、つぶやかなかったとか。
バンビを拾った経緯だとか、タイトルになってる魔女イヴの「毒舌」ぶりとか、書きたいことでいっぱいですが!ストーリー仕立てる力とか!そんなのまだないから!
という状態ですが、どんどん投稿しますのでこれからもバンビを愛でていただけますと嬉しいです。