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狂獣バンビと毒舌魔女のふしぎ恋物語  作者: レオんちレミ
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『捕食者』と『絶対者』がじゃれ合うと流血の危険がありますのでお気をつけ下さい。って当人達は全然聞いてない!

初めての投稿です。

優しく見守って頂けると嬉しいです。


 私の名はイヴ。

我が家には溺愛する狂獣(ばか)バンビがいる。


 見つけて、構ってみたら噛みつかれて、気に入ったから拾ったら、時々甲斐甲斐しく世話を焼かれる。そんな関係。

綺麗で少し悲しげで、優しい陽だまりのような良い匂いのするこの子はすぐに私のお気に入りの子になった。


『あの人嫌いで知られる魔女殿が近頃異形の者を連れておられるらしい…』

『何かその者への贈り物などで魔女殿の気を惹くことなどできまいか…』


 私のチカラを欲しがり群がろうとする者たちは好きなように噂話をしているようだけど、どうせ誰にもこの子の事は理解などできないのは明白。

これは私達だけの甘い世界。



 今日も無表情気味にそっぽをむきソファに肢体を投げ出しているバンビがぞくぞくするほど可愛くて、甘々に甘やかしたくなる。


「バンビったら、噛みたいのならそう言えばいいのに。…ほら遠慮なくどうぞ。」


 柔らかくなめらかな肌の腕をそっと彼の口元に差し出す。

ほぼ毎日の定番になっている気がするけれど、これがわたしの最上級の愛情表現だし、この子もそれをわかっているぶん、、、、無関心を装う路線をあっけなく放棄して容赦なく噛み付いてくる。


「…っ…!痣にならない加減くらいできるでしょバンビ(笑)」


 ぐるるるる…と、やたら危険そうな喉音をたてながら牙を突き立てられて、私は思わず笑ってしまう。


 そしてあっという間に私はふかふかの絨毯のひかれた床の上。

 飛びかかられて、押し倒されて、狂獣ばかバンビのしなやかな身体が全体重をかけて……のしかかられてしまったけれど、愛しさが勝ってやはり私はニヤけてしまう。

ぅふ、、たべられてしまいそう♡


「…んん、、、そう、上手よ。…いいこね、、、いいコ。」


 大切に大切に、その身体の全てを愛していると伝えるように届くところ全てに腕を絡め、私の喉元をむさぼり食うようにして顔を埋めているバンビ(オトコ)を抱きしめて撫でてやる。

柔らかい髪の毛に指を滑らせて陽だまりの様なバンビの匂いを胸いっぱいに吸い込んで微笑んだ私は幸せいっぱいだ。


「ねえバンビ、そういえば私は手首を差し出したのではなかったかしら?」


 軽く(バンビ)の腰のあたりを数回タップするようにしながら私が楽しそうにそう言うと、緩慢に僅かながら身体を浮かせてジト目をむけてきた。


「知るか。お前は黙ってオレに捕食されてれば良いんだ」


 あら、今日は上から目線なのね。愛しいこと。


「痣がなんだ。どうせすぐ治癒するくせに」


 何事もなかったかのように立ち上がり、()()()乱れていた絨毯やサイドテーブルを黙々と整えていくバンビ。


 そう。普段この子はよく躾けられた執事の様に振る舞う。よく糊付けされたクロス、さり気なく飾られた花、ホコリ一つない部屋、、全ては(バンビ)の完璧なる仕事。


だけど。


「ねぇ、バンビ?」


 立ち上がった愛しい子を、半分なにか言いかけて開きかけた唇で微笑むようにしながら見上げる。


「っ、…やめ、、ろ…!」


 私の前でこの狂獣(可愛い子)は理性を保てなくなる。それを私もバンビもこの数ヶ月で嫌というほど思い知ってきた。


 何度も、何度も。

 傷つけ合い、血を流し、牙を剥かれ…

 そして私はどうすればそうなるか良くわかった上で手を伸ばす。


「バンビ、いいこね?…なんて可愛いのかしら♡」

「…っ、、、、!」


 なんとか目をそらそうと背けるその綺麗な顔に宿る

私の愛しい狂獣の表情。


 これは『捕食者(バンビ)』と『絶対者(わたし)』の恋物語。



バンビらぶ。

このバンビ描写だけ読んだらどんな外見を想像して頂けるんだろう、とか気になりつつ書いてます。

次回は理性を保ってる状態のバンビをば。

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