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プロローグ
勇者はもう、うんざりだ。
俺はこれから魔王として生き、全人類を敵に回す。
これがオレの新たな宿命。
まるで洗脳のようだ。
「おい、そこ! サボるな!」
オレの声と共に、仲間たちからは雄叫びが上がる。
これからオレたちは全人類を敵に回し、世界を自由に支配し始めることになるだろう。
何もかもこの世界は魔王によって支配される。
人類の自由も、精霊の自由も、そして神も。
暴虐、破壊をくり返し、この世界を魔王のものにできたらそのときは——
「考えるまでもないな」
そうだ、あれはオレの2000年前の勇者時代——