異世界へようこそ!!
画面には、大きく表示される『WIN』の文字。そんな画面を他所目に俺は一本のエナジードリンクを手にする。
シュワシュワとしたあの感覚と、エネルギーが補給されるこの感じ。
うん、うまい。 普通にうまい。
現在時刻はおよそ午前3時。徹夜4日目だ。こんなニート生活になったのはいつからだっただろうか。
親は、引き籠もり3か月目に説得するのをあきらめたらしい。ちなみに高校中退。現在、18歳 引き籠もり歴は、1年目だ。
さて、エネルギーが補給できたところでもう一度画面に目を移す。いつの間にかタイトル画面に戻っていたようだ。
タイトルは『Demonn Lord submissionn』よくあるRPGだ。
______確か、このゲーム都市伝説があったな…。___
この、『Demonn Lord submissionn』、通称「アノサエル」…意味は、ムリゲーという意味だ。
そして、その都市伝説というものは、
「誰もクリアできないからゲーム内のキャラクターが助けを呼んで、ゲーム内にプレイヤーを引きずり込む」
というものだ。色々と矛盾があるものの、行方不明者が数人いるのは事実だ。
_____________そうそう、こんな風に意識が、、、、______________________あれ? 徹夜4日目とはいえ、寝落ちなんて今まで一度もなかったはずだ。
しかも、、これは眠気じゃなくて________________________________
_______気が付くと真っ白な空間の中にいた。
は?おいおいどこだよ、此処。
周りを見渡してみると一つのドアがあった。まぁ、これは進むしかないな、うん。
俺が勢いよくドアを開けたのと、落下していると気付くのはほぼ同時だった。
「うわぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
情けない叫び声を上げながらどんどん高度が下がっていく。ヤバい。ヤバいヤバいヤバい。
訳も分からないまま死ぬのかな、俺。
そんなこと考えていると、もう地面は眼下にあった。
こんなんだったら、少しは親孝行してた方がよかったかな、、、
、あぁ、終わった________________________________________________________________________________________________________________
「ちょっと、君、、、大丈夫?、、、、」
大丈夫なわけないだろ。落ちてんだよ俺、、、、、って、はぁ?
声の聞えた方を向くと、そこにはきれいなツヤのあるセミロングに赤い目、そして童顔と、とてつもない美少女がいた。
「抱き絞めてくれたら、治ると思います。」
「大丈夫じゃないみたいだね。頭が。」
おっと、初対面の人に言われる筋合いはないぞ、、だが、先に、、、、
「なんで、俺、、、生きてんのかな、、、」
苦笑交じりに話す。
「もしかして、、アンタ魔法でも使えんのか?」
「知らないわよ。私より先に来た人じゃない?」
いや、いやいや それはおかしい。先に来た人が空から降ってきた人を瞬時に助けれるのか?たとえファンタジックに魔法が使えたとしても だ、
否。多分不可能だ。俺がそんなことを考えていると、少女は言った。
「貴方、、、異世界から来たでしょ」
「えっとなあ、、、ってかなんでこの世界な人じゃないって?」
俺の何の意味もないただ一つの疑問の答えで、俺の頭はクラッシュした
「だって此処、Demonn Lord submissionnの世界なのよ?」
苦笑交じりに言う少女を後目に、俺の視界は空へと移った。
今度こそ、本当に言ってやる、、、
「あぁ、終わった、、、、、、」
天へ向かって空を仰ぐ俺に、彼女の容赦のない笑い声がとどめを刺した。