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ある日の日記 4回


    四回


 三月四日


 もうダメなんだ! 

 とうとうガタがきてしまった。

 アァ〜、もう僕がいちいちこうして書いていく字(文章)を目で追わないでくれ!

 この頃の僕は、何しろ疲れて疲れて、ペンを手にして日記の紙面につけるのも精一杯なんだ。

 何も書くことなんかありゃ~しない。

 とにかく君達がわざわざ来てくれて、書け書けと言うから、僕はとにかくペンを取っているだけなんだ。

 本当にこれだけで精一杯……。

 楽しい頃には本当にたかがペン一本持つことなんか、空気を持ち上げるのより軽い気持ちだった。

 しかしこの頃は実に重い……。

 このペン一本持つのにも、我が全身の重量(力)をかたむけても、やっとのこと上げられるかどうかという重さに感じられて仕方がない。

 とにかく重いんだ!

 重くてしようがないんだ!


 君達は、本当に僕が眠っている間に忍び込んで何やらしているのかい?

「あの人は、口先だけの人じゃないわ。あの人が言うように、男の何? は立派なものを持っているわ。あんなにきれいなものを見たのは初めてよ。そうざらにあるもんじゃないわ!」

「その面での色々な知識も持っているようだし、あれで抱かれたらきっとウチ達なんか昇天してしまうと思うわ」

「そうね、ウチも一度あの人から抱かれたい。そしたらもう死んでもいいわ!」


 「「アァ〜、バカバカしい」」


「あの人、疲れているとすぐ歯茎が腫れるのよ。可哀想に。抜けば良いのにねぇ〜。あの人は神経がデリケートなのよ」……とかーー

「藤田さんの寝顔って、最高に可愛いの。時々キスしてやったりするのよ。たまに何? をいじくったり、しゃぶったりもするの。あの人のことは、何もかも知ってるのよ」


……とにかく本当にここ最近、疲れているせいか、ずっと歯茎が腫れ上がりっぱなしなんです。

 昔はちょくちょく疲れが出た時なんか腫れる時もありましたが、こうも長期間あちこち腫れ上がるなんて、今までになかったんです。

 いくら朝晩ピチッと勤行をやって、気力が充実していても、やはり肉体の疲れというものは、なかなか隠せませんね。

 アァ〜、本当にグッたり疲れているのです。今まで無理してきた疲れが、今どっと吹き出してきたみたいに、僕の全身はマヒしてしまっているのです。

 君達にも慈悲心のひとかけらでもあったら、たまには

「良いわよ。そんなに無理して書かなくても……」と一言やさしい言葉を吐いてくれても良いでしょう。

 せっかく来てくれているというのに。僕がこのような言葉をはくのは実に辛いことなんです。

「何だ、来なきゃ~良かったわ。普通の人達とチッとも変わらない生活をしているじゃないの。まったく見に来るがともないわ。もう帰ろう……」とーー


 そうでしょう。もう字筋もミミズの這ったように汚らしい文章になっていますしーー

 アァ〜、とても耐えられないのです。このようなお粗末な文章を書いていることが……!


 この頃は、とにかく時間も足りないせいか、日頃起こっている事の万分の一も書けない有様です。

 それらの書き損なっている記憶というものが、今ではとても自分一人では処理出来ないほど山積みされています。それを書くにはとにかく時間が欲しい。

 六・七日と連休があります。それに時間を当てて、全て書きまとめるとは思いますが。しかしやはりもう無意味に思われて仕方がないのです。いくら…………。


 つまらないでしょう? このような何の内容もないゴタクを並べてばかりで……。

 しょうがないんです。とにかく記憶を辿りたどり、思い起こすことが億劫で億劫で仕方がないんです。

 もし身体がこんなにも疲れて……。「そんなこと書く気力があったら本題にでもはいれ!」とおっしゃいますが、それもいくら太鼓を叩いても踊らない猿回しのようなものです。

 もう君達(御主人)のおっしゃる言葉が聞こえないくらいに全身の血が騒いで、とてもそれどころではないのです。

 今日はとにかく何も語らずーー


 眠いのだ!本当に泣きたいくらいに眠いのだ!







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