ある日の日記 2--回
二回
何? 退職金もない?
何? 手当てもない?
何? 日給月給?
何? 休み時間が五分しかない?
何? 残業していかなければ喰っていけない?
何? 今じゃ、タバコさえ取り上げられている?
まるで奴隷的な扱いじゃないか! 土方をしているのとチッとも変わらないじゃないか。
「しかしいいなりになっていなければやっていけん。言いなりになって彼等の押し付ける仕事を、ただ無心になってやっているのさ。」
しかしそれじゃ身も心もいつの間にかボロキレみたいにズタズタにされ、その挙句、役に立たなくなったら
「オッ! もう君は会社へ来なくても良いよ。持ち物を片付けて帰りたまえ」
「 エッ、エッ、ハァッ? でもこれからの職も決めていませんし、支度金もありません。退職金ぐらいいくらかあるでしょう?」
「ふざけろ! お前達みたいな奴隷にそのようなもんやれるか! とっとと消え失せろ! 今まで使ってやってきたことを有難く思え!」
ーーと、マァ~、こういうあんばいの我が社ですからね。
とてもとても、真面目に働けるものじゃありませんよ。
その上、彼等はこの頃、益々ヅウヅウしくなって「もっも生産を上げろ! 何とかしてそこをそうしたら、もう少し上げられるんじゃないか?」
「アッ、ハァー。そりゃーそうですよね。イヤ、そうです。確かに上がるような気もします。試してみましょうか?」
僕等はただそう言ってその場を切り抜けるのが関の山なんです。そうして、たとえ能力が上がったとしても、その後片付けをするのは生身の人間である僕達ですからね。
それだけはとても機械並みには動かせませんよ! 従ってたとえ機械の能率を上げれたところで、生産能率事態は生身である僕達の機能を基準として弾き出すしかないのです。
その機能以上に無理して上げても、結局はアチコチと故障やガタがきて長続きはしないのです。
マァ~、ネッ。結局は生身である僕達の機能的限界を基準として。その生産能率というものを弾き出してもらいたいものですね。
その肉体的限界君も、あまりにもお粗末な報酬しか恵んでもらえない為、まったくやる気がおこらないのです。
働けど働けどその収入はボケーと、能率グラフなどとにらめっこしている欲のかたまり君の懐の中に吸い取られていってしまうのです。
そのような姿を見るにつけ、もうとてもダメです。
肉体的限界君も不貞腐れて、限界以下の力しか出そうとしなくなるのです。
欲の塊君は、ただそのダラしない姿だけを見て「どうしたんだい。チッとも生産が上がっていないじゃないか。機械が遊んでいるんじゃないか? 君にもプライドってゆうものがあったら、機械君にあざ笑れないように、もっと頑張りたまえよ!」ーーと。
ただそれだけの言葉しか弾き出せないのです。その欲の塊君は……
まったく人間味のある心などまったく持ち合わせていないのです。札束かぞえながら、トルコの姉ちゃん達と、アワ踊りやタワシ磨き(アッと、これは雑誌に載っていたことです。ゴメンなさい!)などして、随喜の涙を流しているのです。
アァ〜、どうもどうもすみません! つい昔のクセがーー
アッと、これを言ったら益々嫌われてしまいますね。
何も……僕は……、別に。そんなに目くじら立てて怒らないでくださいよ。男の世界には色々知識として吸収していける場というものが沢山あるのです。それをチヨっと覗き見しただけじゃないですか……
もう今はそのような悪からもキッパリと手を切って、キレイキレイキレ~イな心身に洗い浄めているのですからね。
そうか! そんなに言っても聞き届けて下さらんというのか!
良いですよ、良いですよ! 畜生!
もう不貞腐れちゃうから!
アァ〜、バカバカしいなァ~!
もうこんなアホくさいこと、やってられんわ!
「でも僕も、一度トルコとやらえ行って、何してもらいたいなぁ〜。泡踊りだって、タワシゴシゴシだって、イヤらし~~」




