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第四章 スカートの中に液体をかける訓練

◆ 登場人物 ◆


ダイチ(大地)

 オレ。中学二年生。メガネをかけている。

 風紀委員の副委員長。


ショウビ(薔薇)

 オレの妹。一つ年下。血はつながっていない。

 風紀委員の一人。


スイショウ(水晶)

 オレの幼馴染。同い年。家がとなり。

 風紀委員の一人。


P1(ピーワン)

 赤いビキニ型宇宙人のパトロール隊員。

 ショウビの下半身に寄生している。


P2(ピーツー)

 青いビキニ型宇宙人のパトロール隊員。

 スイショウの下半身に寄生している。


コハク(琥珀)

 オレの中学で生徒指導を担当する先生。

 風紀委員の顧問でもある。



◆ これまでのあらすじ ◆


 地球で破壊活動をしようと計画するビキニ型宇宙人のテロリストたちが、オレの通う中学の女子生徒の下半身に寄生。


 同じ宇宙人のパトロール隊員が、そいつらを抹殺するためにオレの妹と幼馴染に寄生して、オレもそいつら宇宙テロリストと戦う正義のヒーロー、ビキニハンターに任命されてしまう。


 しかもオレは、一人前のビキニハンターになるためと言われて、宇宙パトロールが寄生した妹と幼馴染の下半身に、水鉄砲で液体をかける訓練を強要される。


 いくら地球を守るためとは言え、まさか学校でこんなハレンチな事をやるハメになるとは…………。




 オレたちの中学の生徒指導室は普通の教室と同じ広さがあって、各クラスに二人ずついる風紀委員の全員が座れるように、三十人分の机とイスが並べられている。


 それらを掃除の時のように端に寄せれば、そこにできる空間はそこそこ広い。


 そのスペースの真ん中で、宇宙パトロールのP1が寄生している妹のショウビが、制服のスカートをひらめかせ、くるくると動き回りながらオレを叱る。


「もう! ダメだよ、お兄たん! もっと身体を低くして、下からのぞき込むようにして撃たないとぉ、スカートの奥まで届かないよぉ!」


 そう言われて腰を低くしたオレは、妹がはいている赤いビキニが見えそうになって、思わず目をそらす。


 その時にオレの水鉄砲から発射された液体が、ショウビの刃物のようになめらかな脚を濡らし、はじかれた水滴が窓から差し込む朝日を反射してキラキラと光る。


 それを見て正気を失いそうになったオレは、メガネを直しながら習ったばかりの連立方程式の問題を思い出して、無理やり理性を保つ。


 もう一人の宇宙パトロールのP2が寄生している幼馴染のスイショウが、そんな情けないオレにあきれて、ため息をつく。


「ダイチ、いい加減にするニャ! 目をそらしちゃダメニャと、何度言えば分かるニャ! もっと穴があくほどしっかり、スカートの中を見るんだニャ!」


 そんな事をしたら、自分がどうなるか分からないオレは、妹の下半身を直視しないように努力しながら、必死に言い訳をする。


「いや、せめて動かないで、じっとしていてくれたら、オレだって、ちゃんと当てられるはず……」


「なに言ってるニャ! 宇宙テロリストに寄生された女子生徒が、じっとしている訳がないニャ! P1、交代ニャ! ダイチ、次はわたしを狙うニャ!」


 そう言いながら部屋の奥にいた幼馴染の少女が、妹に代わって前に飛び出すものの、濡れた床に足を取られバランスを崩し、子供のようにペタンと尻もちをつく。


 その拍子にスイショウのスカートがめくれて、ガラス細工のような柔らかい曲線でできた脚のすき間から、青いビキニがあらわになるが、オレは水鉄砲を撃たずにその少女に駆け寄る。


「大丈夫か、P2?」


 だがP2は、オレが差し出した手をはたいて真剣に怒りだす。


「ニャんで、せっかくのチャンスに撃たないニャ! そんな心構えで、宇宙テロリストたちを抹殺できると思っているのかニャ!」


 するとP1も怒ってその言葉に重ねる。


「そうだよ、お兄たん! もっと非情にならないと、この地球を守れないよぉ!」


「って言われても、妹と幼馴染がはいているビキニに、液体をかけるなんて……」


「言い訳をするニャ、ダイチ! 今度は二人そろって相手をするから、じゃんじゃん水鉄砲を撃つニャ! もしもこのまま朝礼が始まるまでに、このビキニに一滴も液体がかからニャいようニャら、放課後も続けるからニャ!」


「えぇえ、放課後もやるのか……」


「ほら、お兄たん! もっと気合いを入れるのぉ!」


「はぁ…………気合いって……………………」


 それからオレは、ほとほと困りながらも、妹と幼馴染に寄生した宇宙パトロールの二人の言う事を聞いて、自分の正気を保てるギリギリまで水鉄砲を撃ち続け、二人はオレを叱咤激励しつつ部屋の中を逃げ回る。


 ……という、普通の中学生なら絶対にやらないような、ものすごくハレンチな行為をするオレの姿が、机の上のノートPCに映し出されていた…………。


 床に正座をしながら、そのPCの前で、全身から冷や汗をだらだらと流すオレ。


 風紀委員の顧問で生徒指導を担当するコハク先生が、色香あふれる豊満な身体の前で、一方の手に握った竹刀をもう一方の手の平にパシパシと叩きつけながら、PCの横で冷ややかに言う。


「……おやおや、ダイチ副委員長。妹と幼馴染のパンツに水鉄砲で液体をかけるなんて、朝早くから、ずいぶんと楽しそうな事をやっていたようだな? んん?」


「す…………すみません……先生…………」


 今はまだ午前の授業が行われている時間だが、教室まで来たコハク先生に連行されたオレは、生徒指導室に仕掛けられた隠しカメラの映像を見せられて、説教を受けている真っ最中という訳だ。


「ダイチ副委員長。今朝、キサマは、この生徒指導室で性行為はしないと断言したな?」


「……はい…………断言しました……先生…………」


「まぁ、確かに、女子のパンツに液体をかけるのが性行為と言えるのかどうかは、微妙なところかもしれん……。しかし、わいせつな行為である事は間違いないだろう、ダイチ副委員長?」


「はい…………そのとおりです……先生…………本当にすみません……」


 まさかこの生徒指導室に隠しカメラが仕掛けられているとは思ってもみなかったオレは、自分がやったハレンチな行為が先生にバレてしまって、もうただ謝るしかない。


 そんなオレの心境と同じように、朝のうちは明るい日差しが差し込んでいた窓の外は、いつの間にか暗雲がたれ込め、今にも雨が降りそうだ。


 昨日の夜にスマホで確認した天気予報では、今日は一日中晴れるはずだったが、よくよく考えると、それは一週間後の天気予報だった事にオレは気付く。


 今朝、宇宙テロリストがやった破壊活動で、オレを含めて大勢の人々が死んだので、宇宙パトロールが地球の時間を一週間だけ巻き戻したからだ。


 けれどこれから一週間以内に、女子生徒に寄生している宇宙テロリストを見付けて抹殺しなければ、再び同じ事がくり返されてしまう。


 ただしその事を他の地球人に話すのは禁止されているし、たとえ話したところでコハク先生がそれを信じるとは思えない。


 それでオレは、隠しカメラで撮影された自分の行動を、何とかして誤魔化せないかと考える。


 幸い記録されているのは映像だけで、オレたちがしゃべっていた内容までは先生に知られていないので、うまくやれば言い逃れできるはずだ。


 そう思ったオレは、メガネを拭きながら適当な話をでっち上げる。


「……コハク先生、実は今まで秘密にしていましたが、ここに映っているのは、オレが考えた学園祭用の演劇の練習風景なんですよ。女子生徒のパンツに液体をかける悪の不良生徒を、正義の風紀委員たちが退治するというストーリーで…………」


 すると先生はその話の途中から、床に正座しているオレの股間に竹刀を突き立てて、グリグリする。


「ああん? それはキサマの頭が考えた事か? それとも、このわいせつな部分が考えた事か?」


「い……痛いです、先生…………許してください……」


 オレは両手をひざの上に置いたまま身をよじって、コハク先生の竹刀から自分の股間を守ろうとするが、剣道の有段者である若い先生が握るそれは、どうやってもそこから離れない。


 やはり普段からウソなど吐かないオレの作り話など、この先生には通じないようだ。


 するとコハク先生は、もがき苦しむオレをにらみつけながら、ふーっとため息をつく。


「ダイチ副委員長…………。風紀委員の中でも飛び抜けて模範的だったキサマが、まさかこんな歪んだ性癖を隠し持っていたとはな……。これほどのわいせつ行為を学校内でやった以上、最低でも一週間の停学はまぬがれんぞ…………」


 それを聞いたオレは、股間の痛みに涙をにじませながら、あわてる。


 一週間も停学になったら、宇宙テロリストを見付けられないまま再び破壊活動が行われて、大勢の人々が死ぬからだ。


「先生! オレ、心から反省しています! もう二度と学校で、妹と幼馴染のパンツに液体をかけたりしません! だから停学だけは……」


 だがコハク先生は、そんなオレの言葉をはねのける。


「ふん! そんな事を言いながら、キサマが今、何を狙っているか分かっているぞ! この竹刀を奪って、私の〇〇〇〇に突っ込んで、メロメロにしようと考えているのだろう! 何てエロい事を企んでいるんだ、ダイチ副委員長!」


「あ、あの、先生? オレ、そんな事はぜんぜん…………」


「何だと! キサマ、こんな竹刀など使わなくても、自分の猛り狂った肉棒だけで、私には十分だと言うのか! 童貞のくせに生意気な!」


「せ、先生、落ち着いてください! オレは一言も、そんな事は……」


 ところがコハク先生は、そこでなぜか竹刀にかけていた力を抜くと、オレの股間から離して自分の肩の上に乗せる。


「……しかし確かに、よくよく考えてみれば、これまでずっと模範的だったダイチ副委員長が、わざわざ早朝に生徒指導室を借りてまで、自分の妹と幼馴染のパンツに水鉄砲で液体をかけるなんて、あり得ないほどの性欲を溜め込んだ末の事に違いない…………」


 そうつぶやくコハク先生の身体からあふれる色香がいつもより増して、この空間がピンク色になっているように感じるのは、気のせいだろうか?


 そう思うオレをぼんやりと見つめながら、先生の独り言はさらに続く。


「こんな危険な状態のダイチ副委員長を停学なんかにしたら、その抑えきれない性欲は、まだ中学一年生になったばかりの妹に向けられてしまうだろう……。生徒指導を担当する教師として、それだけは避けねばならん…………。けれど私は、この後で会議もあるし、すぐには対処できんから……」


「あのう…………コハク先生?」


「よし! ダイチ副委員長! 停学になりたくないなら、放課後にもう一度この生徒指導室に来い! そしたらキサマを許した上で、私がはいているパンツに液体をかけさせてやろう!」


「はい?」


「だからもう妹や幼馴染に、わいせつな行為をするのはやめるんだ! 分かったな?」


「……えーと、もちろん、もう妹と幼馴染には何もしません…………。でも何でこの話の流れから、オレが先生のパンツに液体をかける事になるんですか?」


「何だ、ダイチ副委員長! 女性のパンツに液体をかけたいのだろう? だったら、今後は私が……じゅる…………その相手をしてやろうと言っているんだ」


「先生……今、よだれを垂らしませんでした?」


「何をバカな事を言っているんだ! 私が……じゅる…………よだれなど……じゅる…………垂らす訳がない……じゅる…………」


「いや、垂らしてますよ、先生!」


 いくらそう言って、もうコハク先生はオレの話なんか聞いていない。


「…………これは生徒指導を担当する教師として、当然の行為だ……じゅるるる…………。中学の先生になって良かったぁ……じゅるるるるるるる…………」


 そんな先生を見て、オレの背筋が凍りつく。


 何だかオレは、どんどん泥沼にはまり込んでいるような気がするんだけど…………。

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