王様は男で女で!!??
王様はやはり王様だった。
いかにもという王冠をかぶり、面を上げよと堂々と言い放つ。その様はまるで英雄。つい、バッと顔を上げてしまった。
あれ?違和感がある。男だよな・・?胸が少しずつ膨らんでいるきがす、る。
間違いない膨らんでいるよな、たぶん。
’スキル 詐称看破’ を獲得しました。
ほう、ちょうどいいっタイミングで獲得したな。では、早速。スキル発動!!
どうやらこれは常時発動型では無いようだ。ほほう、ほう、ほう、ほう。
やっぱり女性でしたか。それにしても大きな・・・。いやなんでもない。国王陛下にさすがにそれはいけないだろう。
魔法なのだろうか。完全に顔までおじいちゃんである。
「この度は我が国の筆頭魔道士ルーを助けてくださりありがとう。礼を言う。
それと、どうやらルーと結婚したそうじゃないか。おめでとう。」
フランクな王様だな。スキル越しに見たら面白いことになっていたぞ。
結婚と言うとき顔を真っ赤にしていた。うぶな人なんだな。少しからかってみることにする。
「お初にお目にかかります。女王陛下かわいらしいお顔をされていますね。
どうして正体をお隠しになるのでしょうか?」
動揺が走った。おそらく国家機密なのだろう。ぽかんとしている者とおろおろしている者の二者しかこの場にいなかった。
王様はルーに、俺を連れて部屋まで来るように告げて、その場から逃げ出すように去って行った。
失礼します~。部屋に入ると変身を解除した女王様が座っていた。
入ると早々に声が飛んできた。
「あなた、どうして私の正体が分かったの?」
スキルのことを言ってもいいのだろうか?ごまかして後で判明したら面倒だな。
「スキルで見破りましたよ。」
平然とした態度のつもりだったが口元が緩むのを自分でも感じた。さぞ憎たらしいどや顔だっただろう。
そして、また失敗した。聞くところによると、スキルなんてものは滅多に手に入るわけではないらしく、
持ってるだけで国の重役に就けるというレアステイタスらしい。シルフィーもスキルを持っているらしく、
そのスキルのおかげで筆頭魔道士に就任したようだ。
これは2つも持っているなんて言ったらどうなることだろう。痛覚耐性だから騎士?詐称看破だから入国管理局とか?どちらにしても大変そうだ。絶対阻止しなければならない。引きこもり生活の死守それこそが我が野望だ。
「私の物になりなさい!」
なんと、この女王様は何をおっしゃっているのだろうか?
聞き間違えか?いや、シルフィーの表情が固まっている。
どうやら違うようだ。波乱の予感しかしない。
連続投稿になりますね。さっき上げたばかりなのにもう読んでくださる方がいて、とても嬉しく感じました。ありがとうございます!。




