新郎入城!?
シルフィーがやたらと服を引っ張ってくる。なぜか路地裏に連れて行かれるようだ。全身にもしかしたら騙されてしまったのではないかという疑心が巡り警戒する。久しぶりの外出は精神的にきついものがあった。路地裏でシルフィーは突然何かを唱え始めた。「シルフィー、何してるの?」問いかけても返事は帰ってこない。
もしかしたら喝上げ担当の人に連絡を取っているのではないかと、とっさに辺りを見渡す。ネットで読んだことがあるぞ美人局ってやつだ!!突然、背後から青い光が走った。「シルフィー!!??」青い光には見覚えがあった。その時は緑だったのだがつい数時間前、言葉が突然通じるようになったときの光と光り方が似ていた。
「はいっ!できたよ~」シルフィーは何もなかったかのように平然としている。ただ、背景だけが少し、いやとても、とってもおかしかった。路地裏に平原が広がる事なんてあるはずがない。なのにそれはある。そんな矛盾した光景に頭が一瞬でカオスになり、ショートし、フリーズした。@ゃぱりパークか?
「さぁっ。行こっ!トウマ!」もう力も入らない。服を引っ張られて、そのまま奇怪で不自然な草原へと入っていった。
草原の先には、物語に出てきそうな無駄に大きなお屋敷が建っていた。はっと我に返って後ろを振り返る。通ってきた路地裏があるはずのところにはうっそうと生い茂る草原が広がり自然の雄大さを物語っていた。
「ここ別荘。」屋敷に入ったシルフィーは突然口を開いた。そういえばシルフィーって力以外と強いんだな。完全に引っ張ってきてもらってたわ。って別荘!?その年で!?いやそんなはずは無い。親のだろう。
ギー。と重く重厚な扉にふさわしい重い音が鳴り響きゆっくりと扉が開く。その先には質素だがとても豪華としか思えない装飾品ばかりが並び、その前には男性が1人と、女性が10人並んでいた。その格好は日本のメイドと英国の執事にしか見えず本当にここはどこなんだろうという思いでいっぱいになった。扉が開ききると、11人がきれいに声を一つに会わせて、「「お帰りなさいませ。ルーお嬢様。」」と、まるでメイドのようなことを口にしていた。メイドなのだろうけれど・・。
この日シルフィン家のメイドであるレスティーはいつものようにシルフィー様が家族にも隠しておられる別荘で主人を迎えていた。
「うん。」お嬢様は慣れた様子でうなずき隣の奇抜な格好をした男を私達に紹介してくださった。新しい奴隷だろうかと思いながら、どのように手にいれたのだろうと、真剣にきいていると、
「というわけで私の夫のトウマ。優秀な魔法使いだからお世話しっかりとよろしくね。」そう言うとお嬢様は男を連れて部屋に入っていった。その後、小さい声でえ~!!っとみんなで叫んだのは言うまでも無い。執事のアルバさんだけは何故か泣いていた。我が神が・・・。と絶望に打ちひしがれていたことは内緒にしておいてあげよう。
読んでくださりありがとうございます。なにぶんにも深夜テンションで書いておりますので多少恥ずかしいところがあるかもしれません。というわけで、深夜テンションで読んでいただけると幸いです。それと、もしよろしければ、感想を書いてくださると光栄です。




