王家の問題~その3~
「水創造」「洗濯」
人々は逃げまどいながら自分に使える水魔法を放っていた。どれも焼け石に水。
しかし、そんな中、数人が巨大な水の塊を操っているのが見える。全員が、全力で消火活動に従事している
。俺も悠長に眺めている場合ではない。協力するとしよう。
「氾濫」
適当に考えた割になかなかどうしていい呪文じゃないか?これ。消火も終わり、すべて万事解決っ!
ってあれ!?どうして引き気味の視線が全方位から感じられるのだろうか。これは、あれだ、チーターを見るゲーマーの目と同じだ。うん、よくわかるぞ。って誰がチーターだよ!だ・れ・が!!俺はチーターじゃない
そう叫びたかった。
「皆さん大丈夫でしたか?トウマ・シルフィンと申します。こちらは、ルー・シルフィン筆頭魔導士。火事について話を聞かせてほしい。原因を知っているものは私のところまで来なさい。」
頼んでいるのか、命令しているのかよくわからない口調になってしまった。
引きこもりには、そんな大勢の前できちんとした文章を話す能力などあるわけがないのだ。何しろ唯一の会話がゲームのチャットなのだから。あぁ、緊張した。もうこの場に倒れこみたいぐらいだ。
さらにシルフィンと名乗るのは恥ずかしすぎる。まだ結婚もしていないのに。
貴族様すげぇ。
そんな声があちこちからちらほらと聞こえる。シルフィーはすっと一歩前に踏み出し、俺の首に一筋の冷汗が流れた。
「皆の者、こちらのトウマ・シルフィン伯爵は次回の魔道武術大会に出場する私の婚約者だ。信用してくれて構わない。そして是非見に来てくれ。」
そういえばここはシルフィーの居城のようなものであったな。
シルフィーに黄色い声援が飛びかかっている。
しばらくして、火消しをしていた数人の魔道士がやってきた。
「「 火事の原因を話すので弟子にしてください!! 」」
は!?意味が分からないこのロジック。シルフィーはなぜか満足そうにうなずき、こちらを見つめている。
もちろんいいですよね?と、目が物語っている。はっきり言って怖い。
めんどくさそうなことはしない!それが俺のポリシー。もちろん答えは・・・。
「い、」
「いいですよね?トウマ?」
シルフィーに先を越されてしまった。もう逃げられない。
「もちろんですよ。」
はい、なかなか刺激的な未来しか見えない。
久々に投稿しました。やっぱり、嬉しいですね。多くの人が読んでくださると。




