王家の問題 ~その1~
告白を飛ばしてプロポーズ。
いきなり!?
あ、あり得ない。引きこもりニートの俺が何故こんなにもてている?
王様の婿って一生遊んで暮らせるんじゃないか?これはムフフフな状況。のらない手はない気がする。
「ん~!!めっ!」
シルフィーが割り込んできて俺と陛下の距離を引き離す。
冷静になった俺は一つの重要事項に気がつく。お、王様の名前まだ知らんやん。
「王様、ご冗談はほどほどになされてください。本気にしてしまいますよ。」
誰しも一度は言ってみたい、きざなセリフを吐く。は、恥ずかしい。
「わ、私は本気よ。王様の命令なんだからおとなしく従いなさいっ!」
「むっ。絶対ダメっ」
見た目幼女に奪い合いをされると悪い気はしないことに少し不安を感じながらその心地よい気持ちにひたる。
「王様、それにしても突然な事でございますので訳を聞かせてはいただけませんか?」
部屋の隅で控えていたメイドのような人が、こちらに来て代わりに答える。
「王様は一月後にルーティア帝国の第三王子と婚約の儀とやらをする予定になっています。
王様の表の顔、ルナ-皇女はそれを嫌がっておられるのです。」
なんとなく掴めてきた。その後のメイドさんによるさらなる詳しい説明によって全貌が掴めた。
どうやら帝国の第三王子はありきたりな糞やろうのようだ。お決まりのような展開。
この先はもう読める。さあ、シルフィー。出番だよ。
シルフィーはどうにかしてくれと言わんばかりの目でこちらを見ている。
そうだ、それを口に出してくれるだけでいいんだ。ルナ-皇女とのフラグはそれで立つはず。
「トウマ・・。なんとかなる?」
よくやったシルフィー。それでこそ俺の嫁だ。
「皇女様から直接褒美をいただけるのなら。」
くっ。以外とこれも恥ずかしい物だな。
王は考え込みつぶやく。
「シルを連れ帰ってきたことだけで、もう伯爵位は与える手はずになっているし。位的な問題も無いか、な?後は、国民の目だけどそれは闘技場で解決しそうな気がする。うんっ。いける。」
王はこちらに向かい直り、一言。
「国際問題になるかもだが、末永くよろしく頼む。」
この国の女性は誰も彼も即断即決なようだ。
翌日、王宮の一部屋で目覚めた俺は王座の間に呼び出されていた。
王の家臣一同勢揃いと言わんばかりの人が並び、部屋の中央で跪く俺に視線を浴びせる。
「一同、拝礼」
そのかけ声と共に、国王が正装で玉座に着いた。




