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序章

−季節は移ろい 知らぬ風が運ばれても変わらぬものがそこにある。

そんな窓の景色が僕は好きだ。

−季節は移ろい 求めなくとも知った風は周りを変えて行く。

そんな窓の景色が私は嫌いだ。










季節は巡る。

それはあまりに早く、あまりに無情に。。。

病院の窓から見る景色は四季の変化を遂げ、終わりの時を枯れてゆく葉に告げる。

優季は窓の向こうの冬景色に自分の命を見ていた。日毎夜ごと散りゆく葉っぱはまるで自分の命。誰に看取られるでもなく静かに散っていく。

物心ついた時から優季は病院のベッドにいた。親の顔は知らない。今まで一度だって見舞にきたことがないのだから。

優季は窓の外を元気に駆け回る中学生の男子を見つめた。優季も本来ならば友達とともにこの窓の向こうを元気に駆け回っているはずなのだ。優季はたまらずに布団を握り締めた。

こんな自分が、一体何のために生まれてきたというのか。

たった一度で良い。外へ出てみたかった。医者ではない誰かと話をしたかった。友達というものと遊んでみたかった。

・・・まあ、今となってはもう・・・


ピッピッピッピッ・・・・・・


優季は自分の心拍を表す機械の音を聴きながら、考えるのをやめ、そっと目を閉じた。

自分の心音が病室に響いている。


ピッピッピッ・・・ピーーー−−・・・


心臓が止まる音が悲しく病室に響いた。

優季は、齢15を迎えるその朝、医師達に見守られ静かに息を引き取った・・・・・・。

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