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プロローグ
人生何が起こるかわからないとはよく言ったものだ。今の状況を半年前の自分が知ったら卒倒するだろうな。
「いよいよだな、ハク」
「……あぁ。そうだな」
「なんだお前、緊張してんのか?」
この状況に置かれて緊張しない方がおかしい。なんてったってこれから死ぬかもしれないんだ。そんな状況でヘラヘラできるやつなんかお前ぐらいだ。
「そんなに緊張すんなよ。お前にはこの俺がついてるんだから。絶対に死なせたりしない!」
「それはフラグか?」
「ちげーよ! ってかそんな冗談言えるんなら大丈夫だな」
「大丈夫にみえるか?」
「あぁ。今までだってなんとかなってきたんだ。今回も絶対大丈夫だって!」
こいつの能天気さがたまに羨ましくなるが、今はそれが俺の心を落ち着かせる。しかし、落ち着いたのも束の間、静まった俺の心を再び乱す轟音が鳴り響いた。作戦決行の合図だ。
「っしゃ! いくぞ」
ルイの掛け声で俺たちは上空1000mの高さから飛び下りた。