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事をなした者

「こうするしかないよな」

 悪さをしていた連中を殲滅した者は、死ぬに死ねない者達の骸を見て呟く。

 ファンタジーな異世界に、チートとしかいえない能力を持って転生してきた者だ。

 精神を操る能力を持って生まれた転生者は、その力でこの世界にはびこってる悪人共を成敗していった。



 その集大成が、悪さをしでかしてきた首謀者達の処刑である。

 簡単には死なないように。

 でも、確実に消滅するように。

 その為に出来ることはしていった。



 その成果を見て、転生者は胸をなで下ろす。

 問題を起こしてた連中の全てを根絶やしにしたからだ。

「もう少し穏やかな世界になってくれるか?」

 誰にともなく問いかけていく。



 とりえあず目に付く問題は全て解決した。

 当分は問題らしい問題は起こらないだろう。

 だが、悪さを考えつく者は後を絶たない。

 いずれまた不届き者が出てくる。

 転生者もそれは覚悟している。



 だから多くは望まない。

 再びよからぬ輩があらわれるまで平穏が続けばよいと考えていた。

 出来ればその期間が一秒でも長くなるようにとも。



 ただ、今は悪人悪党を成敗できた事を喜ぶ事にした。

 これで暫くは平和になると。



 崩れ落ちた死体に縫い付けた霊魂はその象徴だ。

 悪さをしでかした者達の悲惨な最期。

 それこそが、取り戻した平和を示すものだった。



「もう少し苦しんでくれ」

 簡単には死なせない。

 少しでも苦痛を味わってもらう。

 今までの非業と悲嘆の報いとして。

 その罪の全てを背負ってる証として。

 やがて霊魂が消滅するまで苦しんでもらいたかった。



 その願いがかなったのか。

 悪さをしでかした者どもは、その後十数年ほど生きのびた。

 身動きが取れない腐った死体の中で。

 人の姿をほとんど失いながらも存在し続けた。

 最後には悲鳴すらまともにあげられなくなっていた。



 そんな動く死体は、人知れずその動きを停止していった。

 完全に霊魂が消滅した瞬間に。

 あとはウジ虫やネズミの餌として最後のつとめを果たした。

 悪人悪党にはふさわしい末路である。

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