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Epilogue

オーロ視点


 

 あれから3日。


 私達レグノ王国軍は、突如として戦場に現れた白金の英雄によって、魔族軍に対し勝利を収めた。


 敵の大将が破れた後、戦場に集まっていた魔物やエセク達は一斉に退散。

 間者の魔族も一目散に逃げ、その場から姿を消した。


 生き残った兵士達は、みな歓声を上げたあと、すぐに王都の人々の下へ勝利の知らせを伝えに向かった。

 レム王と妃、ユスティさんも涙を流しながら喜び、国中が、民が、人族の勝利を大いに祝った。


 その後、すぐにユスティさんを中心に王都の復興が始まった。

 

 怪我人の治療。

 崩れた防壁の修復。

 食料の確保など。


 祝いの雰囲気はすぐに消え、忙しない日々へと移り変わっていった。


 重症を負ったザフィロさんは、メルクーリオさんによる応急処置のお陰で一命を取り留め、今は王立病院で順調に快復へと向かっているそうで、他の部隊長さん方も幸い命に別状はなく、二日ほどで王立病院を退院し、すぐに兵役へと戻っていった。


 ユスティさんは相変わらず、王都の東から西、北から南へと、端から端まで奔走し、レム王は地球側との一時的な同盟を正式な同盟へと再締結する為、国交の回復に向けて尽力されていた。


 ゆっくりだけど、崩れていたものが一つずつ元通りになりつつあった。


 そして、今日は戦後初めての軍会議。


「皆さん、この度は御集りいただきまして誠にありがとうございます。こうして、また生きて顔を合わせることができて、嬉しい限りでございます」

「こちらこそ。我々も、こうして再び生きて国と民を守る働きができること、心から感謝します」

「ローミッド殿……。ありがとうございます。ではこれより軍会議を……。おや? シェーメ殿は……?」

「あぁ……。彼女なら」


 私は。


* * *


三人称視点



 -ディニオ村 跡地-


「オーロさん。ここまで護衛いただき、ありがとうございます」

「気にしないでください。では、私はここで待っていますね」

「すみません。宜しくお願いします」


 シュクルを倒した後、すぐに少年の姿へと戻った空宙。

 魔族との戦いの後、頃合いを見てオーロと二人でディニオ村を訪れていた。


「……たしかこの辺りだったと思うけど」


 魔物もエセクもいなくなった荒野で、一人何かを探すようにウロウロと歩き続ける空宙。 そして。


「……ここだ」


 空宙が見つめる先。

 そこは、かつて2階建てほどの高さのあるレンガ造りの一軒家があった場所。


 空宙はそこに座り込むと、素手で地面の土をかき集め、遠くからでも見える程の大きさの盛り土を作っていく。


「……よし」


 そして、出来上がった盛り土の上に、刀身のない柄だけが残された剣を置き。


「……アーシャさん。遅くなりました」


 盛り土に向かって手を合わせ、目を瞑る。


「ただいま、無事に帰ってきました」


 静寂。


 荒野に吹く風が、優しく空宙の白髪を靡かせる。


「……よし、行こう」


 手を合わせた後、再び目の前の盛り土を見つめた空宙はすぐにその場を去っていった。


* * *


空宙視点



 あの闘いの後、俺はまたこの姿に戻ってしまった。


 あの時、何故急にエレマ体が再起動したのか。

 未だにそれは分からない。


 けど、井後総隊長とはやっと連絡が取れ、俺が掛間空宙であることは認識してもらえた。

 

 あとは、自分の身体が元に戻る方法を探すだけ。


 その中で、もしまた魔族が襲ってくるのなら。




 何度も闘って、みんなを守るよ。


* * *


 ”私の手をとって”


 ……信じていいのか?


 ”えぇ。大丈夫よ”


 ……頼む。


 ”ありがとう”


 お前は……


 ”私の名は……”




 ”私は、11のセフィラにて創造と破滅を司る者であり、隠された存在”





 ”私の名は、ダアト”


ここまで読んでくださりありがとうございます。


これにて、第二章「邂逅編」を完結とさせて頂きます。

皆様の応援のお陰で、無事にここまで執筆活動を続けることができました。


本当にありがとうございます。


次回は第三章「覚醒編」


お楽しみに


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― 新着の感想 ―
[良い点] 丁寧な描写と切迫感あり、先の気になる物語でした。 宇宙のエレマ体、魔族の動向、ここで出てきたダアトというキーワードなどまだまだ謎も盛りだくさんですね。生命の樹についてもどのように物語に絡ん…
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