敵襲
現代に戻ろうとした俊。果たして−。
俺は目覚まし時計、の代わりに鳥の鳴き声で起きた。隣を見てみると島田と川合が寝ていた。どうやら戻れていないらしい。
「くそ!何で俺がこんな目に!」
心の中で叫んだが、変わることはなかった。
「俊、相変わらず早いなあ。それに比べてこいつは。」
話しかけてきたのは川合だった。そして彼は島田を指している。
「相変わらず朝弱ぇなあ。」
こいつ、この時代でも朝弱いんだ。
「それで中川君、子供ができた、とはどういうことかな?」
ぐ、こいつ聞いてたのか?聞いていないかと思ってた。
「あ、あれ〜?俺そんなこと言ったっけ〜?」
俺がとぼけるが彼の耳は騙せないようだ。
「しっかり言ってましたよ。さあ、証拠はあがってるんだ。吐いた方が楽だぞ。」
窃盗犯を諭す刑事のように川合は言った。
「は、はい。話します。」
俺は昨日のことを全て話させられた。もちろんキスをしたことも。
「へ〜よかったじゃん。で、今日も会いに行くんだろ?」
川合に言われ、俺は胸が弾んだ。今日はどこに連れて行こう、何をしよう。そう思っていた時、不気味なサイレン音が響いた。と、同時に辺りが騒がしくなり、しばらくして戦闘機が飛んできた。
「敵襲ー!防空壕へ退避せよ。」
敵襲?俺が疑問に思っていると近くで爆発音がした。しばらく煙が立っていて煙が風に流されると、そこには俺と同じぐらいの兵士たちの遺体が転がっていた。
「これが…戦争…。」
俺は唾を飲んだ。俺が生きていた時代では俄かに信じがたいことだった。
「街もやられたらしい。」
誰かが言った。俺は美奈のことが心配になり、一目散に美奈の家に向かった。
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