一緒に
子供も産まれ、しあわせな2人。しかし美奈はあることを決心していた。
「ねえ、私俊ちゃんと一緒に死にたい。」
美奈がそんなことを言い出した。きっとまだ生きていてほしいということだろう。俺は頷いた。
「俺も美奈と一緒に死にたい。この子をしっかり育ててからね。」
俺がいうと彼女は首を横に振り、驚きの言葉を口にした。
「俊ちゃんと一緒に出撃したいんだ、私。」
俺は自分が聞き間違えたのだと思ったが、彼女の目を見て本気であることがわかった。
「分かったよ。明日整備士に言ってみる。」
俺がそう答えると彼女は悲しそうな笑顔を浮かべていた。
「だけど、この子はどうするんだ?」
俺が聞くと、
「大丈夫、お母さんたちに旅行だって言って預けるの。それで手紙を書く。」
無理だと思った。いくらなんでも。
「無理だと思うぞ、正直に話してみたら?」
そういうと彼女は首を横に振り、
「ダメって言うに決まってるじゃん!黙って行くの!」
そう言って彼女は聞かなかった。
翌朝、俺はいつもより早く家を出て、顔見知りの整備士にお願いをした。
「悪いが座席を一個後ろにつけてくれないか?」
そういうと彼は目を丸くして俺に聞いてきた。
「お言葉ですが、誰を乗せるつもりですか?」
妻だ、なんて言ったら反対されるに違いないから
「大事なものを載せたいんだ。最後くらい椅子にな。」
そう説明すると、彼はすぐさま座席の取り付けを行なってくれた。
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