ドイツの降伏
お義父さんから敏夫のことを聞いた俊。彼の心の中に心情の変化が生じる。そしてラジオからはドイツ降伏の知らせが。
「何話してたの?ご飯できたわよ〜。」
お義母さんの声がした。台所からはイイ匂いが漂っていた。
「はーい!今行きまーす!」
俺は大きな声で返事をして、料理を運ぶのを手伝った。そこには白ごはんと鮭、そして味噌汁が並んでいた。俺は大きなチキンなどを期待していたのだが、この時代にはないらしい。でもこれで十分だった。
「いただきます!」
「白ごはんなんていつぶりかしら。美味しいわ。」
「味噌汁もいつぶりだろう。すいとんしか食べてなかったからな。」
この会話から、彼らが俺にご馳走してくれるために無理をして作ってくれたのが分かった。本当に申し訳ない。
「ごめんなさい。手土産ひとつとっても持ってくるのを忘れてしまって。」
そういうと2人は大笑いして、
「命の恩人にご馳走を用意するのは当たり前だろ。遠慮せず食べなさい。」
と言ってくれた。俺の目に涙が溜まっていくのが分かった。本当にいい家族だな、心からそう思った。
そんな楽しい時間も束の間、ラジオからは速報が流れた。
「臨時ニュースヲ申シ上アゲマス。今日5月13日、独逸ガ、ヒトラー総統ノ自殺ヲ受ケ、連合国軍ニ降伏シマシタ。繰リ返シマス。臨時ニュースヲ申シ上アゲマス。今日5月13日、独逸ガ、ヒトラー総統ノ自殺ヲ受ケ、連合国軍ニ降伏シマシタ。」
ドイツが降伏。日本は孤立した。
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