俺が代わりに。
実の母親に謝る俊。彼は生まれて初めて心から謝罪をする。
しばらく俺は泣き止まなかった。悔しくて、悔しくてたまらなかった。
「あんた、特攻隊が国のせいなんて言っちゃダメだろ。あんたが生きててくれてよかった。」
違う、違う。俺が彼の代わりに
「死ねば良かったんです。」
俺がそういうと美奈も明子さんも驚いていた。
「俺が代わりに死ねば良かったんです。彼の代わりに、未来がある彼とない俺は違う。」
俺が泣きながらそういうと美奈も泣いてしまった。そして明子さんは俺を怒った。
「何てこと言うんだ!男が女を残して死ぬなんていけんことだよ!」
でも、、、でも、、、
「俺は、俺はどうせ死ぬんだ。彼女と子供を残して。彼は、、、彼には戦後の日本を立て直す役割があったのに。」
俺がそういうと美奈は声をあげて泣いた。
「嘘つき、、、。俊ちゃんの嘘つき!死なないって言ったくせに。
俊ちゃんのバカ!」
そう言って彼女は俺を何度も何度も叩いた。しばらく叩いて俺の胸でうずくまった美奈はそのまま寝てしまった。
「こんなに愛してくれる人がいるじゃないか。あんたは幸せ者だよ。」
明子さんがそう言ってその場から離れようとしたとき、俺は彼女にキャラメルを2つ渡した。一つは実の形見。もう一つは実へだ。彼女は笑顔で会釈をし、彼の遺体を引き取って帰っていった。
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